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新海誠監督

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新海誠監督とその作品について綴った記事を集めてみました
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イメージ 1

GR DIGITAL2 + GW-1 / ricoh
f:4.4mm(21mm) F:5.0, Tv:1/640sec, ISO:80
toycamera standalone XP
長野県下伊那郡大鹿村にて



映画 『君の名は。』 の舞台となった糸守町のモデルについて、
長野県の諏訪湖や、新海誠監督の出身地に近い松原湖に取材したという話を聞きます。
ミツハが旅立った駅は、秋田内陸縦貫鉄道にモデルとなった無人駅が実在するそうです。
宮水神社の御神体が祀(まつ)られている山頂の風景描写から、
阿蘇のカルデラを連想した方は多かったのではないでしょうか?

また、岐阜県には徳山ダムという大きなダムがあって、湛水とともに徳山村という村が沈みました。
物語の中で示された糸守町の位置は、ちょうど徳山ダムの在る場所に近かったように記憶しています。

      *     *     *

けれども映画を鑑賞しながら私が個人的にイメージしたのは、
以前に訪ねたことのある、信州・南アルプスの懐に抱かれた大鹿村の光景でした。
傾斜地に立ち並んだ家々は,いわゆる 「山岳集落」と呼ばれるもので、
ミツハの暮らす家も、ちょうど集落を見下ろす一番高い場所に建っていたかと思います。

昭和36年7月、この向かい側にある山が大崩落を起こし、溢水で多くの人が亡くなりました。
おそらく過去数百年に亘って、この土地は繰り返し山崩れや土石流に見舞われてきたはずで、
それでも尚この土地に棲み続けるために、先人は不便な斜面に暮らしの基盤を築いてきたのでしょう。
このような山岳集落は、関東から九州まで、中央構造線に沿った帯域のあちこちに分布しています。

      *     *     *

糸守の町並みは、この国の風土と、其処で繰り返されるカタストロフを耐えてきた先人とが
長い歳月をかけて作り出したもの・・・あるいはその縮景なのかもしれません。

DD51+ワムワラ編成

イメージ 1

Nikon D90 / AF-S DX Nikkor 16-85
f:65mm(97mm), F:14, Tv:1/6sec, ISO:800
toycamera standalone XP
ファインクラフトにて



高倉健さん主演の映画 『駅station』(1981年公開)は、雪の舞う函館本線・銭函駅のシーンで幕を開けます。
その最初のカットに登場するのが、DD51ディーゼル機関車が牽く貨物列車でした。

記憶では、ワフが2両、ほか黒貨車6両くらいの短編成だったと思うのですが、
貨車の妻面を活かすため、色違いのワム8を牽引機の次位に据えました。
こんなことならtomix車ではなく、北海道仕様の中期耐寒形(kato)を選んでおけばと少し後悔。

あとは冬の雪景色を再現できないかと、GIMPの最新版をダウンロードしていろいろ試してみたのですが
私のレタッチ技術では、Nゲージのフィールドを北海道の雪原に位相変換することはできませんでした。
興味を持たれた鉄道ファンの方は、ぜひ映画をご覧になって下さい。
きっと満足して頂けるかと思います。

       *      *       *

鉄道シーンがふんだんに登場する映画といえば、

降旗康男監督の 『駅station』 と、新海誠監督の 『秒速5センチメートル』 には いくつか共通点があります。

・3つの短編からなる連作構成。(それぞれに魅力的な女性が登場する)

・鉄道 / 駅のシーンがてんこ盛り

・メインテーマっぽい曲が物語の佳境を飾る (八代亜紀/舟唄 & 山崎まさよし/one more time... )

・上砂川駅の雰囲気が、『雲のむこう、約束の場所』 の飛行機格納庫に似ている (筆者の主観)

・雪ふってる。

・増毛漁港の沖に沈む夕陽が幻想的 (→ 背景が神)

・踏切で交錯する男女の人生航路

・圧倒的な哀感に満ちたエンディング

・監督はおふたりとも信州出身


もういっそのこと、新海監督のセンスで アニメ版 『駅station』 をリメイクして頂けないでしょうか?

うーん、企画書の段階でボツだろうなぁ。すみませんね鉄ヲタって役に立たなくて・・・。

イメージ 1

sigma DP2s
f:24mm(41mm), F:2.8, Tv:1/15sec, ISO:100
toycamera standalone XP

※ 映画 『君の名は』 を未見の方は、この記事を読み飛ばすことをお奨めします。




新海誠監督のファンで、かつ村上春樹の愛読者・・・
そういう方が世の中にどのくらいいらっしゃるか分かりませんが、
劇場で 『君の名は。』 を観ながら思ったのは、村上春樹の小説 『海辺のカフカ』 との共通点でした。


・ふたりの主人公それぞれのストーリーが少しずつ接近してゆき、ついには交錯する仕掛け

・夢の中で(無意識下で)大きな仕事を成し遂げるけれど、本人にはその記憶 / 自覚 が殆ど残らない

・時間軸の異なる世界に生きる男女が出会うというプロット

・異界を暗喩するような深い森 / 魂の半分 / 手に刻まれた痕跡 … etc.


新海監督の企画書によれば、『君の名は。』 は、日本の古典文学から着想を得たとのことで、
そこに村上春樹の 『海辺のカフカ』 が挙げられていた、という話は今のところ聞こえてきません。

ですが、ハルキストであることを公言されている新海さんが 『海辺のカフカ』 をご存知の可能性は高くて、
いずれかの時点で 『海辺のカフカ』 を読み、その影響も恐らく自覚されているけれど、
映画化版権の問題が生じると厄介なので、胸先三寸に納めた・・・と、これは私の(勝手な)想像です。

けれども村上さんだって、『雨月物語』 や古代ギリシアの戯曲からヒントを得て執筆したことを
田村カフカ君のメンターである大島さんの台詞を借りて告白しているわけですし、
優れた物語のモチーフや構造といったものは、洋の東西や時代を超えて
リメイクされながら伝承されていく、という大らかな認識でいいんじゃないかと思います。

文学におけるアイデアのオリジナリティーとか、著作権を否定するつもりはありませんが、
図書館に並んだ本をどんな順番で手にとるかは、読み手の自由ですよね?

実際、『君の名は。』 のエピソードを念頭に、改めて 『海辺のカフカ』 を読み直してみますと、
以前は了解し難かった箇所がすんなり呑み込めて、こういう効用もあるのかと新鮮な驚きでした。
両作品は相互に補完し合う関係にあると言えるのかもしれません。

      *       *       *

ちなみに 「図書館」 というのも、2つの作品が交差する非常に重要なキーワードです。
『海辺のカフカ』 では、15歳の田村カフカ君を庇護し、30年の時を超えて或る少女と遭遇します。
『君の名は。』 では、タキが3年という時間の隔絶と、空白になった土地の真実を知ります。

そんな役割の大きさを自負されている故なのか? 聖地のひとつとなった飛騨市図書館では
「撮影は許可を得て、他の利用者に迷惑をかけないように。肖像権にも留意を」
という条件つきで、巡礼者たちを寛容に遇しているとのことです。
教育的配慮という観点も含めて、これは好い対応だなぁと思いました。

上白石萌音”chouchou”

イメージ 1

Nikon D90 / AF-S DX Nikkor 16-85
f:85mm, F:11, Tv:1.6sec ISO:200



映画の印象の半分は音楽で決まると思っているのですが、
『君の名は。』では、Radwimpsの楽曲が物語を力強く牽引していました。
さっそく映画のサントラ盤も発売されているようですが、
ヒロイン役を演じた上白石萌音さんの歌声をラジオ番組で耳にして
彼女のアルバム "chouchou" を選んでしまいました。

ひとりで2つの人格を演じ分ける難しい仕事だったと思うのですが、
このCDを聴いてみますと、6つのtrackそれぞれに表情があって、
なるほど確かな演技力に裏打ちされた三葉役だったんだなーと納得しました。

劇場版のエンディングは、Radwimpsが歌う 『なんでもないや』 が飾っていましたが、
DVD版が出るとしたら、思い切って上白石さんver.に差し替えてもいいんじゃないかと・・・
物語を反芻させてくれる素晴らしい演奏ではないかと思います。

尺が合わないとかいろいろ問題があるのかもしれませんが、
5分くらいの楽曲に映像をドンピシャ合わせる仕事では定評のある(?)
新海誠監督のことですから、きっと期待に応えてくれるでしょう。

    *    *    *

アルバムの中から、366日が、ご本人のIDでyoutubeにupされていました。
『星を追う子ども』に楽曲を提供していた熊木杏里さんに、声の雰囲気が似ているような気もしますが、
そのあたりも含めて新海監督の好みなのかもしれませんね。

一応、鉄道マニアとしてコメントしておくと、MVはJR磐越西線の郡山〜猪苗代間で撮られています。
沿線は景勝地や温泉に恵まれ観光客が比較的多いのと、列車交換設備を抱えているためでしょうか、
駅員さんが常駐する温かい雰囲気の駅が多かったように記憶しています。

ブツ撮りの練習を兼ねて、(失礼ながら)CDジャケットと特典付録を撮ってみました。
決して上白石さんの特製ポストカードが欲しくてアルバムを買ったんじゃないからねっ!

イメージ 1

sigma DP2s
Toycamera Standalone XP



新海誠監督の最新作 『君の名は。』

「背景に天門さんの音楽が無いのがさみしい」などと感想を記しましたが

決して楽曲が良くなかったというわけではなくて、

物語の圧倒的なスピード感には、RADWIMPSさんの作品が貢献していることは間違いなく

公式HPには、挿入歌 前前前世(ぜんぜんぜんせ)(movie ver.) が紹介されていました。

1ヶ月半で4000万アクセスってすごい数字なんですが

このMV (music video) は、一体どこで撮られたんだろう?と気になりました。



唯一ヒントになりそうなのは 動画の 1:35 前後に出てくる山並みで

パッと見て、「あーこれは八ヶ岳の南東から撮ったのかな」 と思いました。

八ヶ岳といえば新海監督の故郷にも近いですし、山麓の小淵沢(北杜市)といえば

大河ドラマ 『武田信玄』 の頃から、時代劇関係のロケ地として知られています。

というわけで、中央道の車窓から撮った八ヶ岳の画像を引っ張り出してみた・・・のですが。。。



いまひとつしっくりこない・・・??

まず山稜の鋭さが違う。方位角や仰角のずれを勘案しても頂の配列が合いそうにない。

それに撮影地点が八ヶ岳南東麓だとすると、雲は南から北へ向かって流れていることになるわけで

こんな流れ方は、台風が近づいている時くらいしか(恐らく)あり得なくて

そんな悪天候のときに、わざわざ撮影隊を送り込むんだろうか?と



あと、東京近県にある独立した山塊・・・で思い当たったのは、茨城県の筑波山地

wikipediaで調べてみたら、桜川市(旧真壁町)から望んだ加波山系に、雰囲気の似た稜線が見られました。

この仮説に立てば、雲はだいたい西から東へ流れていることになり、気象の常識とも矛盾しません。

茨城県にもフィルムコミッションという組織があって、映画やドラマ、CMのロケを積極的に誘致していますので

RADWIMPSのみなさんが 茨城県の田園のど真ん中で、侍や忍者やサルのコスプレをしていたって

全然不思議じゃないわけです。



でも、googleで検索してもロケ地の情報が出てこないというのは、

そこが私有農地であったり、交通アクセスが限られていたり、公表されては困る理由があるのかもしれません。

MVに登場する山のカットも、連続撮影した画像のコマ送りで表現されていますが

これは 演出上の技法というだけでなく

写り込んだ人工物(鉄塔やアンテナetc.)をフォトショップで消したり

撮影地が特定されないように山の稜線にいくらか手を加えたり

そういうレタッチ処理を前提にした撮り方が為されているのかもしれません。


  *   *   *


物語では、タキが夢の中に出てきた絵を手掛かりに、ミツハを捜す旅に出ますが

そんな気分をちょっとだけ味わってみたところで、おしまいにしておきましょう。

これ以上、聖地を増やしても仕方ありませんよね?

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