基本地クラブ

のんびりと歩くことが面白くなってきた

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妖精の森 260

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あくる日、ナターシャのところへ一輪の花と、言葉が届けられた。それにはこんなことが
書かれてあった。

   あなたの前ではどんな保障もいらない
   一輪の花と一日のわずかな愛があればいい
   あふれるほどの花束はなんと空しいことか

   太古の歌に酔いしれたとき、
   私は言葉に臭いや味があることを知った
   その昔味わってきたことなのに、
   大人の門から入ったとたん忘れた
   いや、社会的名誉や勲章がそうさせたのだ

   ツァーリーの言葉も
   うずたかく積まれた黄金も
   あなたの愛の前では空しい

   その時放たれた言葉が
   女王なのだ、
   ひとりの男とひとりの女とが出会い、愛し合った
   私はその源を知りたい
   いや、感化されたいのだ
   なぜなら、
   それこそ命が作り出した絶妙なる神なのだから・・・・
   その物語こそ、
   私が歩むのにふさわしいと求めていたものなのだから・・・・

   私を出られない地下室に閉じ込めないでくれ、
   君への愛の力で、いまこそ飛び出したいのだ
   いまこそ・・・・
   この腐りきった社会から飛び出したいのだ・・・・

ナターシャは詩を見て安心した。身を任せた相手がこんな人でよかったと思った。
やはり、あの人もいまのロシア社会を腐りきっているとおもっているんだ・・・・
皇帝とその一族にどれだけ財宝が集まっているか、その一握りでさえも多くの貧しい人々
を救うことが出来るのだ。
しかし、革命を叫んでいる人達も裏をかえせば、その財宝に群がる狼のような存在でしか
ないのだ。
ナターシャはその詩をタツキチに読んでもらったあと、焼いてしまった。この文章からど
んな災いがふってくるか分からなかったからだ。
「いま読んだことを音楽にしてみて・・・・出来る。」
「わかった、音楽にしてしまえば、やつらにもかぎつけられないね、」達吉は言った。
「そう、私たちがもっとも危険な立場にいるからね。」
「わかっよ、かあさん。」
「ところで、来週でもいいから、一日時間をとってくれない、昨日あったザハールさんね
意外といい人だった。お前にあってくれるって。なにかいい曲を持って行きたいね。」
「じゃ、今日から作ってみるね。ザハールさんの為の曲だ。」

ナターシャは達吉を見送った後、ソファーで夕べの楽しい思いに酔いしれた。
達之助、ごめんね・・・・
でも、これであいこだ・・・・・
私に子供でもできれば、ほんとうにおあいこだ、でもそれは無理な話ね・・・・


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