基本地クラブ

のんびりと歩くことが面白くなってきた

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002_トビラ

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のりおは鳥肌の立つ思いで、祠の裏に回った。何かかび臭いような、危険を感
じる臭いがした。
「チカちゃん、いたら返事してくれ!」のりおは叫んだ。
「ここ!」とノリオにはかすかに聞こえたような。かれは、携帯の蓋を開け、
その光で、声がしたほうを照らして見た。
くろい壁があるだけだった。
そのときノリオは忍者屋敷に父親と言ったときの事を思い出し、壁のどこかを
押していれば、壁がくるっと反転し、中に入れてしまう、といった仕組みを思
い出した。
壁に手をふれると、ぬるぬるし、気持ちが悪かった。それでもチカちゃんを助
けたいという思いが、気持ちの悪さを押しのけ、思い切って壁を押した。
すると、瞬間なかに吸い込まれてしまった。
むこうに落ちたとたん、そこから光が輪のようにひろがり、洞窟全体をぼんや
りと浮き上がらせた。
「ノリちゃん助けて!」
こんどは、はっきりと聞こえた。
光った壁をすみからすみと見ると、いちばん奥の方にくもの糸のようなもので
がんじがらめになっているチカを見つけた。
「な、なんだよ、これ?」
ノリオはそれをどっかで見たように感じた。
「そうだ!エイリアンという映画で見た、エイリアンの巣の中と同じだ。やば
い、ここの主が現れたら、俺もやられてしまう。」
ノリオは急いで、くもの糸を切ってしまおうと思ったが、「待てよ、」と考え
た。
『もし、このくもの糸に触れたりしたら、その振動がここの巣の主に伝えられ
てしまう、』と思った。
「チカちゃん、じっとして・・・・動いたら、化け物が目を覚ます、」と小さ
い声で言った。
「いや、たすけて!!」そんなことおかないましに、チカは、巣を揺らし、叫
んだ、「とにかくここからだして、!」

「騒ぐんじゃない!」
鋭い声がノリオの耳に飛び込んだ。
ノリオは怖くて声の主を見ることが出来なかった。
「だ、だれです・・・・」ノリオは自分でもかぼそいと思うような声しか出な
かった。
「わたしはこの世界の管理者だ。」
そしてなにやら別な色彩を帯びた言葉で言った。

  「ほんとうの美しさとは、他の生物との共存が成り立った時」

   ようこそお越しくださった、他の国へ
  この扉から入ってこられ、共存の大切さを納得してくださった方は
 帰ることができます
 しかし、納得できない、というお方は、鬼どもにばらばらにされ、
 鬼どもの宴会の料理として食べられる、という栄誉を受けるのです
 我々の多くの仲間も、そちらの国では、
 とらえられ、あるものは刺身にされ、あるものはすしネタにされ、
 料亭の政治家どもに食べられているのです
 そして、あるものは、安売りのマーケットへ
  コンビニへ
   人間に運命というものを決められ


ノリオはそっと携帯のボタンを押し、自分のうちの番号を入れた。
「ぼくはただ、友達のチカちゃんを探しに来ただけです。連れて帰ります。」
なにか別な自分が言っているようだった。
「だめだ、返すわけにはいかない、彼女は私の言った事を納得してくれなかっ
た。あとは鬼どもにくれてやるだけだ。」
「待ってください、僕ですら、あなたの言っていることは意味不明です。『納
得』ということは、僕たちにあなたの言っていることが理解されて初めて成り
立つものだと思います。」
「おまえ、何者だ、こんなことを言ったのは、おまえが初めてだ。確かにそう
だ、気に入った。審議のやり直しといこう。」
そういうと、黒い影はすぐにチカを縛っている蜘蛛の巣を解き、ノリオのもと
へ返した。」
チカは、つよくノリオをだきしめ、離さなかった。体はぶるぶる震えていた。

「言葉で説明するのは面倒だ、」黒い存在は、そういうと天井にさまざまな映
像を映し出した。

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