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COLLOQUE MOQUEUR/富永太郎

COLLOQUE MOQUEUR
Depuis que Maria ma quitte pour aller dans une autre etoile ―― Mallarme´


立ち去つた私のマリアの記念にと
友と二人アプサントを飲んだ帰るさ
星空の下をよろめいて、
互の肩につかまりあつた。

――もうあの女(ひと)に会へないと決まつたときは
泣いたせゐで、俺は結膜炎に罹つたつけ。
――さうさう、すると、眼を泣き潰したといふ昔話も
まんざら嘘ぢやないかもしれない。

さるいかめしい黒塀の角を曲がつたとき
球をつくキユーの花やいだ響きに
見上げる眼にふと入つた
薔薇色の天井に張りわたした蜘蛛手の万国旗……

無題/富永太郎

たゞひとり黎明の森を行く。
風は心虚しく幹のあはひを翔り、
木々はみなその白き葉裏を反す。

樹の間がくれに、足速に
白き馬を牽きゆくは誰ぞ。

道の辺の 歯朶の群をのゝけり。
かゝるとき、湿りたる岩根を踏めば
あゝ、わが出生の記憶甦へる。

Ambarvalia/西脇順三郎

          おれは駱駝の様に砂の中にもぐって

          熱心をもって代数をやってみたい

          それから四十歳になったら

          その辺の市場をさがし出し

          ホコリだらけの葡萄をたべる
   
          それからいま一ッぺん

          おれの魂の方へ

          駆け出したらね

          カイロの市で知合になった

          一名のドクトル・メジチネと共に

          シカモーの並木をウロウロとして

          昨夜噴水のあまりにやかましきため睡眠不足を

          来たせしを悲しみ合った

          ピラミッドによりかかり我らは

          世界中で最も美しき黎明の中にねむり込む

          その間ラクダ使ひは銀貨の音響に興奮する

          なんと柔軟にして滑らかな現実であるよ
    

        29



              
     蒼白なるもの


     セザンの林檎


     蛇の腹


     永劫の時間

     
     捨てられた楽園に残る


     かけた皿   
              たたかい
 
 
   かつて、はるかな国々の空が少年の私の眼光にみがきをかけた。
 
   人間のさまざまな性格が私の顔の彫りを深くした。 世の諸現象が
 
   沸き起こった。 ー いま、時間が描く永遠のカーヴと数字の無限が私を
 
   駆りたてる、異様な少年時代と途轍もない愛情にちやほやされて
 
   あらゆる市民的褒賞をたまわったこの世から外に出ろと。 ー 私は思う、
 
   突拍子もない論理をもった、やむにやまれぬ、あるたたかいを。
 
    それは楽節のように単純なものだ。
 
 
     (訳:井上究一郎)
 
 
 
 
      

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