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7月7日読了 精神科の医者である作者の診察室を訪れるさまざまな患者さんが物語を通して自分を見つけていく過程が描かれています。 高校に入ってから通学できなくなった娘さんの例では「ねむりひめ」のお話を使っています。 裕福な家庭に何不自由なく育ってきたこの娘さんは学校の先生だったお母さんの指導もあって成績も優秀でエスカレーター式の女子校に難なく入り、小・中・高と何の問題もなく進んで行ったそうです。 高校に入ったとき、外部から難しい入試を突破して入ってきた同級生たちと伍してやっていけるか不安になった、といいます。風邪で学校を一週間休んでしまった事でその不安が大きくなり学校に行けなくなってしまった彼女に、このお医者さんは「ねむりひめ」のお話をします。 ねむりひめ、は姫の誕生パーティーに呼ばれなかった魔女ののろいによって15歳の誕生日に眠りについたお姫様が100年後、助けに来た王子様によって目覚める。というお話です。 彼女はこの物語の中に自分を見つけ、1年間休学する決意をします。その後は無事復学し、系列の女子大ではなく別の共学の大学に進学したそうです。 その他にも有名大学を出ながら転職を繰り返す青年には『幸運なハンス』を、仕事に家庭に、一生懸命やってきた主婦があるときを境にめまいがひどくなり、家事ができなくなってしまった例では『食わず女房』を、複雑な事情を抱えながらも頑張ってきた青年が進路について道を見失ってしまったときには『一寸法師』をそれぞれ物語り、それを糸口に問題を解決した患者たちは診察室を去っていきます。 私も子どもたちに絵本やお話をしているので、大変興味深く読みました。 精神科、という医者のいなかった時代には町や村にそんなお話を聞かせてくれる長老のような方がお医者さんの代わりを勤めていたのかもしれない、そんなことも書かれてありました。 お話には楽しいだけではなく、いろんな力があるのだ、と改めて思わせてくれた一冊。
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感想文
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今日読み終わった本、以前読んだ本、などの感想をつづっていきます
森の暮らし たいまぐら便り安部 智穂 著「たいまぐら」と聞いて「あぁ!」と気がつくのは岩手県人でもそう多くはないかもしれません。 聞いた事のない人にとってはなんのこっちゃ、というこの「たいまぐら」というコトバ、初めて聞いた方は何を連想されるでしょう? 「たいまぐら」というのは地名です。この本はこんな書き出しで始まります。 岩手県北上山地のほぼ中央に、ゆったりと座している早池峰山。 その山懐に抱かれて、小さな集落、たいまぐらはあります。 その小さな集落、「たいまぐら」に住む安部さんの暮らしがとても丁寧に、いつくしむように綴られています。 豊かな自然の中でのゆったりとした時間、暮らしの一つ一つがまるで宝物のようにきらきらと心の中に飛び込んでくるようです。 ところどころにはさまれた写真もどれもとても美しくってため息が出るようです。 春の訪れに心躍らせ、摘み草を楽しむ。 土作りから始めた畑を耕し、収穫を心待ちにする。 短い夏は太陽とおもいっきり仲良しになって、干す、乾かす。 収穫の秋はせっせと蓄え、長く冷たく静かな冬に備える。 地元のおじいちゃん、おばあちゃんに教えてもらった知恵を活用し、生活に生かす。 ・・・・・ たいまぐら便りというブログからも安部さんの暮らしを伺うことができます。 私自身、この場所との付き合いは浅からぬものがあります。 20年ほど前、釣り好きのだんながお魚さんを追ってどんどん山奥に入っていった先にとてもいい場所があった、今度キャンプに行こう、と誘われて行ったのがきっかけです。 初めてだんなとキャンプに行ったその場所、たいまぐらは自然がむき出しになっているようなところでした。キャンプ場ですから、炊事場もあるし、トイレもあるし、水道もあります。 でも、そのほかは何もないのです。灯りもないので夜は真っ暗になります。 私は今でも、あんなに星がきれいに見える場所を他に知りません。 以来ほとんど毎年必ずキャンプに行っています。 (長男が小学生の時、なつやすみの自由研究にこの「たいまぐら」のことを取り上げたら、この地名を知らない同級生や担任の先生に『たいまぐら星人』というあだ名をつけられた事もありました^^;) その地に惹かれてとうとう住人になってしまったのがこの安部智穂さん。 ひょんなことからお知り合いになり、たいまぐら、という接点を見つけ以来お付き合いさせていただいています。 いつお会いしても生き生きと、ニコニコと、そばにいるだけで元気をおすそ分けしてもらっているような気持ちになります。 私の大好きな安部さんそのままの読み終わった後、ふんわり優しくなれるようなそんな一冊です。おススメ!! |
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栗本 薫 著 ハヤカワ文庫 4月11日読了 ついさっき、読み終わりました。 アモンとの戦いの後始末をキレイに終わらせ、新たな展開を予感させる内容の『旅立つマリニア』いつもながらぴったりのタイトルです。 今回、私はフロリーを思いっきり見直しました。あぁ、やっぱりフロリーはいい娘だ、そばにいれば多少めんどくさかったり、いらいらしたりはするかもしれないけど(^^;)それを補って余りあるほどいい娘だ! 前回言ったこと に思いっきり手のひら返してますけど、いいんです。リンダとのやり取りの場面では思わず泣きそうになって、そうだよなぁ、まだみんな若いのにいっぱい大変な事乗り越えてきてるよなぁ・・・なんて素直に思っちゃったんで。 それにしてもグインの頭の中は一体どうなってんでしょうね。ICチップかなんか入ってんでしょうか? ランドックの真相にあそこまで近づいたのに古代機械によって引き離されてしまったし、話はなんとなく『ミロク編』とでも言うようなところに行きそうだし、これはまたしばらく終わりそうにないな、と思った一冊でした。 |
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内田 康夫 著 カバー装画 中村 太樹男 新潮社 3月23日読了 浅見光彦シリーズ、という有名なシリーズの事は知っていても読んだのはこれが初めて、です。 すらすら読めてしまいました。内田康夫の面白さは今更私ごときがどうこう言う事ではないと思いますが、あとがきに、プロットを用意しないで書きはじめる・・・と書いてあって、びっくりしました。 こういう話を結末を決めないで書き進めるなんて! 途中、この後どうなるの、どうなるの、と思いながら読んでいましたが、それは書いている人も同じだったんですねー。 それにしてもちょっと続けて読みたくなる感じでした。 さて、今回は本の紹介のほかにもご案内したい事があってこの本を取り上げました。 この『不知火海』のカバーを描いている中村太樹男さんは私が絵を教わっている先生の弟さんで、絵もご覧のとおりとてもステキですが、ご本人もとてもユニークな方です。 その太樹男さんが今度大阪の梅田で個展を開催します。 中村太樹男絵画展 / 大阪・梅田 日時: 2008年4月16日(水)〜4月22日(火) 会場: 阪急百貨店・大阪・梅田ホームページはこちら お近くにお住まいで興味のある方は是非お出かけください。 盛岡で個展をしたときにこの本の表紙に使われている原画を見せていただきましたが、ため息が出るほどきれいでした。 アクリル絵の具で描き出されるその絵画世界は硬質でひんやりした空気の中にぬくもりも感じられ、引き込まれてしまうこと請け合いです。 新作も発表するということなので私もできれば見に行きたいところなのですが、いかんせんちょっと遠い・・・ もしお出かけの際はどうぞお気軽に声をかけてくださいって言っていました。(kiitigoブログで見ました、とか^^)楽しいお話が聞ける事と思います。 おススメです。是非どうぞ。
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