サムライな日々

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男の茶道

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一般男性が入りづらい茶道の世界に飛び込み、成長していく物語。かなり初心者。
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今日の京都も嫌になるくらいの暑さです。

通っているジムがお盆休みなので、少し離れた所のジムに行こうと思ったりもしていたのですが、こうも暑いと家を出る気にもなりません(ただの言い訳?)

そんな訳で今日は、クーラーの程よく効いた部屋で資料の読み込みや、書いている途中の作品を書き進めたりしていたのですが、ずっと本やパソコンに向き合っているのも何気に疲れるので、息抜きがしたくなるもの。

豆大福があったので、それをお菓子にお茶でも点てようか、という気になったのですが、この暑い中で熱い抹茶というのはどうにも辛いですし、かといって沸かさない水でそのまま点てると言うのも気が引ける……

そこで、一手間かけた飲み方をすることにしました。

と言っても作り方は簡単、通常よりも抹茶の粉を多めに入れた茶碗に、沸かした湯を通常通り入れて茶筅を振るい、そこに氷を3,4個入れて、少し待ってから飲む。これだけです。(写真を撮り忘れたので、イメージはこちら

これだけなんですが、抹茶の心地よい苦みはそのままに、程よく冷えてごくごくと飲めるのど越しの爽快さは、熱い薄茶では味わえない感覚です。

このような氷を入れる点前は聞いたことがありませんので、茶道的には邪道な飲み方でしょうが、この暑い時期に氷が簡単に手に入らなかった昔の人では、飲みたくても飲めなかった贅沢な飲み方ですし、もし千利休の頃に氷が使えれば、客によっては氷を入れて出すことも考えたかも、などと思いながら飲むのもなかなか乙なものです。

残念ながら御香水が使えませんが、普通の水道水でも十分にいけますし、抹茶の粉があるけどこの時期に熱いお茶はちょっと、という方は是非お試しください。

情けない

この前の日曜日、仕事でお世話になっている方にお茶会に招いてもらいまして、久しぶりにお茶を堪能させていただきました。

その中でお茶を点てるということもしたのですが、知らない人の前でお茶を点てるのも4年ぶりくらいでしたが、本当の一部とはいえ、炉の前に座って柄杓を使ったお点前をするということまでできたことは貴重な体験で(これまで2回くらいしかしたことがありません)、良い緊張感を味わえました。

とまぁ、そこまでは良かったのですが、その後が大変でした。

途中で足を崩しても良いとは言われていたので、タイミングを見計らって胡座を組んだりもしていたのですが、それでもやはり足の甲の部分にはダメージが蓄積していっていたみたいで、昨日はもちろん、2日経った今日もまだ若干痛みが残っています。

昔は数時間のお稽古も乗り切れていたんですけどねぇ……、本当に情けない限りです。

まぁ、この数年の間正座をする機会はほとんど無かったですし、こうなるのも仕方が無いと言えば仕方が無いです。

この先も自分から作っていかないとその機会はなさそうですが、今週末はちょっとその機会を作ることになっていて、正座を長くすることになりそうですので、少し準備をしてから行こうと思います。

利休が死んだ!

先日『へうげもの』の最新刊を買ったということを書きましたが、その続きを知りたいという誘惑に駆られ、今日発売のモーニングを手に取り、パラパラとめくっていくと……


利休が切腹していました。


ついにその時が来たかと、一度目は流す感じで見られたのですが、何か心に引っかかってもう一度戻って読んでいくと、今度は目頭が熱くなってきました。

未だかつてこれほど激しく、そして温かく利休の切腹を描いた人はいないのではないでしょうか。

信長といい、山上宗二といい、今回の利休といい、山田芳裕という人は恐ろしく死を描くのが上手い人だと思います。

実は昔、宗二について小説を書いていたことがあり、その途中でこのへうげものの宗二の死のシーンを見た時に、愕然とし、そしてその凄まじさに絶望して、未完成のまま止めてしまったことがあるのですが、今回もあの時に感じたのに近い敗北感を覚えました。

イメージ 1

イメージ 2

今日は天気があまりよくなかったのですが、前々から見たいと思っていた、日本橋の三井記念美術館で展示されている『特別展 茶人のまなざし 森川如春庵の世界』に行ってきました。

不勉強で私はこの森川如春庵という人の事を知らなかったのですが、経歴などを見ているとかなり凄まじい数寄人です。

リーフレットの紹介にある「幼少時から茶の湯の修練を重ね」たという所までは、まぁわりと良くある話ですが、その後に続くのが「また天性の審美眼によって多くの所蔵します。ことに如春庵は16歳で本阿弥光悦作の「時雨」を、また19歳で同じく光悦作の「乙御前」を所持しますが、10代に光悦の名碗を2つ所持した如春庵の感性は鈍翁(※)を驚かせ」とのこと……。

(※益田鈍翁のこと。三井物産初代社長にして、戦前を代表する茶人)

私のような庶民にしてみれば、鈍翁の驚くところが違ってるように思えてなりません、10代で光悦の名碗を2つ所持できる財力って……。

しかもこの人、職を成さずに茶三昧だったとのことで(晩年は事業にも携わっていたとのことですが)、93歳まで生き抜いたその人生は私にとっての一つの理想そのもの(本当に羨ましい限り)。

とりあえず、そういう境遇にないので、自力で何とかしないとと思いつつ、展示されていた茶道具や掛物を一点一点見ていくことに。

今回の目玉は、何といっても先ほど挙げた赤楽茶碗の「乙御前」と黒楽茶碗の「時雨」。

ただ、これらの名碗、私的には実は2度目の対面なんですね。

「乙御前」については、このブログでも書きましたが(記事はこちら)、京都の樂美術館で「光悦と樂道入 二つの樂茶碗 二人の交友」が開かれていた際に見て感銘を受け、「時雨」については、記事にはし損ねていたのですが、上野の東京国立博物館で「対決 巨匠たちの日本美術」が開かれていた際に混雑する中をぬって目にした、それぞれ個人的に思い入れのあるもので、こうして再び間近で見られたのも何かの縁なのでは、などと感慨に耽り、会場入口に置かれていた出品目録にメモ。

本来ならもう少しゆっくりと眺めていたかったのですが、美術館に到着したのが遅く、閉館時間が迫ってきていたのでやや早足で先に進みました。

これらの名碗が良いというのはもちろんですが、今回私が心惹かれたのは、益田鈍翁作の黒楽茶碗の「家督」というもの。

私も鈍翁と同じく、やや大振りで胴のところが丸みを帯びて膨らんでいるような茶碗が好きなのですが、この碗はその鈍翁をして「是ハ家に傳ふもの依て銘す」ということで「家督」という名を与えた逸品で、見るからに安定感があって、それでいてその厚みが熱い湯で茶が点てられても、手にはほのかに熱が伝わってくるだけというような、触れてもいないのに想像をめぐらせることができるような、何とも言えない味わい深さがありました。

その他にも、国宝の志野茶碗 銘「卯花墻」などもありましたが、時間切れ。

天気の悪さに家を出るのが億劫になってしまい、結局閉館までの1時間ほどしか見ていられませんでしたが、今日はなかなかに良いものを見させてもらいました。

「天下三肩衝」と言えば、「新田肩衝」、「初花肩衝」、そして「楢柴肩衝」ですが、そのうちの二つ「新田」と「初花」が大徳川展で展示されていました。

信長・秀吉の手を経て家康の元に転がりこんだこれら名物茶器は、まさに権力の変遷というものを静かに表していますが、それら天下人を悦ばせた逸品が、今は博物館という一般庶民の目に触れる所にあるのですから、現代は本当にすばらしい時代です。

新田肩衝は千利休が天下一の肩衝茶入と賞しただけあって見事な形をしており、初花肩衝も初花肩衝で渋さの中にもえもいわれぬ華やかな佇まいがある素晴らしさ。さらに全方向から見られる所に展示されていたので、何周もするような感じで見て行きました。

この2点だけでも、普通の博物館なら目玉の展示品としてたまに出してきては入場料を稼げるというような代物ですが……(すみません、前の記事で使った言い回しです(笑))、その後も大名物や千利休作の茶杓など、次から次に普段見られないものが出てきて、逆にありがたみが薄れるほどでした。

残念ながら写真を撮ることができないので、このブログ上でお見せすることはできないのですが、この中には茶室を再現したところもあり、ガラスで覆われているというのに、思わず水屋の戸を開けてしまいそうになるほどその世界に引き込まれてしまいました。

ともかく、これほどのものが一か所に集まるということは今後そうそう無いでしょうし、関東にお住まいの方に限らず、茶の湯に関心を持っておられる方は、是非足を運んで頂きたいと思います。

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