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信じられない甲状腺被曝線量
世界の安定ヨウ素剤基準まとめ+アメリカ甲状腺被ばく地図の衝撃!




世界の安定ヨウ素剤基準まとめ+アメリカ甲状腺被ばく地図の衝撃!

世界の安定ヨウ素剤基準まとめ+アメリカ甲状腺被ばく地図の衝撃!

今回から3回連続で、福島原発事故による甲状腺の被ばく線量(等価線量)の特集を書きます。
1.安定ヨウ素剤国際基準&アメリカ甲状腺被曝地図
2.信じられない甲状腺被曝線量【福島県版】
3.信じられない甲状腺被曝線量【日本全国版】
なぜ福島原発事故から4年もたった今、甲状腺の被曝線量を特集する必要があるのでしょうか?
まず放射性ヨウ素131によって甲状腺を被曝すると甲状腺がんになるリスクが高まります。
放射性ヨウ素131甲状腺被曝甲状腺がん
そして福島原発事故は、東日本一帯に放射性ヨウ素131をまき散らしました。
放射性ヨウ素131甲状腺被曝甲状腺がん
これを受けて当サイト『福島原発事故後の日本を生きる』では、半減期が8日と短いため体系的な観測体制が整った時にはきれいさっぱり消えていた放射性ヨウ素131の断片的資料を一つにまとめる特集をおこないました。
次に福島県の子供達に、甲状腺がんが急増する異常事態が生じました。
放射性ヨウ素131甲状腺被曝甲状腺がん
この事態を受け、福島の甲状腺がんと考えられる137人の子供達を市町村別事故から病気発見までの経過年数別男女別事故当時の年齢別にそれぞれ分類して、チェルノブイリ原発事故や過去の日本や福島県のデータと比較する『福島原発事故と小児甲状腺がんシリーズ』を発表しました。
もし、この福島県の子供達の甲状腺がんが福島原発事故由来の放射性ヨウ素が原因だとしたら…。
最後に残った甲状腺被曝線量こそ甲状腺がん発病を謎を解く鍵となります。
放射性ヨウ素131甲状腺被曝甲状腺がん
そして、もし福島県の子供達の甲状腺がんが福島原発事故由来の放射性ヨウ素が原因だとしたら…甲状腺検査の範囲を福島県外まで拡大しなければなりません。
この放射性ヨウ素汚染地図を見ていただいてもわかる通り、放射性ヨウ素131は、福島県境を超えて日本全国へ飛んで行ってしまったからです。
どの都道府県まで甲状腺がん検査を拡大すべきか?
答えは、甲状腺被ばく線量にあります。そして、その答えを求めて甲状腺被ばく線量をまとめてみようと思います。
■安定ヨウ素剤服用基準の国際比較
2011年…福島第一原発事故当時も日本は、アメリカ、フランスに次ぐ…世界で3番目に多い54基もの原発を持つ原発大国でした。※1
2011年
運転中の原発数トップ3
国名運転中の原発数
アメリカ104基
フランス59基
日本54基
原発が多いということは…それだけ原発事故が起こるリスクも多くなることを意味します。そもそも原発が1つもなければ原発事故は起きえないのですから。
この原発が根源的に持っている…原発事故のリスクを、日本は残念ながら『原発安全神話』という人間の作った立派な包装紙で包んでしまいました。完全に思考停止状態でした。安定ヨウ素剤服用基準の国際比較をすることで、日本がいかに思い上がっていたかがわかります。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/c9c8e57dcc421c7ff143ad61587ecd48.jpg
安定ヨウ素剤とは、原発事故に備えて調合された放射能を持たないヨウ素で、予め服用して甲状腺に安定ヨウ素を満たしておくことで、原発事故時に体内に吸収された放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれずに大部分は体外に排出でき、放射性ヨウ素による甲状腺被曝を軽減できる薬です。※2
放射性ヨウ素×安定ヨウ素剤甲状腺被曝甲状腺がん
世界一の原発大国アメリカ、第2位のフランス、そして第3位の日本の安定ヨウ素剤の服用基準を比較してみましょう。※3
2011年安定ヨウ素剤服用基準
甲状腺被ばく線量の比較(単位:mSv)
国名0〜18歳18歳〜40歳妊婦、授乳婦
日本100100100
アメリカ5010050
フランス505050
世界の原発大国TOP3の中でも未成年、大人、妊婦を問わず日本は甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)と一番高い状態でした。
実は2009年10月まではフランスも日本と同じ未成年、大人、妊婦を問わず甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)を採用していましたがICRP60(1990年)勧告などを参考に引き下げ、今の基準甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)になりました。※4
続いて国際機関の安定ヨウ素剤服用基準を見てみましょう。※5※6
2011年安定ヨウ素剤服用基準
甲状腺被ばく線量の比較(単位:mSv)
国際機関0〜18歳18歳〜40歳妊婦、授乳婦
IAEA100100100
ICRP50〜50050〜50050〜500
WHO1010010
IAEA(国際原子力機関)は日本と同じ…未成年、大人、妊婦を問わず甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)…というより日本がIAEAを参考に安定ヨウ素剤服用の基準を決めたということでしょう。
問題はIAEA(国際原子力機関)が2011年6月に、安定ヨウ素剤服用の基準を甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)から甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)に引き下げを予定していたことです※7。引き下げは福島第一原発事故が起こる前にすでに決まっていたものでしたが…。つまり2011年6月以降の一覧表はこうなるわけです。
2011年6月安定ヨウ素剤服用基準
甲状腺被ばく線量の比較(単位:mSv)
国/国際機関0〜18歳18歳〜40歳妊婦、授乳婦
日本100100100
アメリカ5010050
フランス505050
IAEA505050
ICRP50〜50050〜50050〜500
WHO1010010
日本だけ安定ヨウ素剤服用の基準が甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)まま高止まりになってしまいます。
なお上記の一覧表はすべて見やすくするために正確性を犠牲にしています。例えばアメリカの単位は正確にはmSv(ミリシーベルト)でなくmGy(ミリグレイ)ですし、日本の2011年事故当時の安定ヨウ素剤の配布対象は40歳未満ですから40歳は含まれないのですが…。詳細は、各資料をご覧ください。
■何mSv(ミリシーベルト)から甲状腺がんは増える?
安定ヨウ素剤の服用基準と甲状腺被曝線量何mSv(ミリシーベルト)から甲状腺がんは増えるのか?は切っても切れない関係にあります。
例えば甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)から甲状腺がんは増えるのに、安定ヨウ素剤の服用基準が甲状腺被曝線量200mSv(ミリシーベルト)だとしたら甲状腺がんの増加をちっとも食い止めれないからです。
ちょっと時計の針を巻き戻して2009年10月の安定ヨウ素剤の服用基準を見てみましょう。
2009年10月安定ヨウ素剤服用基準
甲状腺被ばく線量の比較(単位:mSv)
国/国際機関0〜18歳18歳〜40歳妊婦、授乳婦
日本100100100
アメリカ5010050
フランス100100100
IAEA100100100
ICRP50〜50050〜50050〜500
WHO1010010
2009年10月時点だと日本甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)は全然浮いた存在でありませんね。むしろグローバルスタンダード、多数派です。
つまり甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)から甲状腺がんは増える…と考えられていた時代です。
ではなぜ安定ヨウ素剤の服用基準が甲状腺被曝線量100mSv(ミリシーベルト)から50mSv(ミリシーベルト)へと移り変わることとなったのでしょうか?
きっかけはチェルノブイリ原発事故の研究結果。
甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)の源流はP Jacob氏らの1999年の論文「Childhood exposure due to the Chernobyl accident and thyroid cancer risk in contaminated areas of Belarus and Russia.」までさかのぼります。日本の原子力安全委員会が、甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)を安定ヨウ素剤の服用基準にするか?検討した際に、その根拠を示す論文として仮訳したものがありますので読んでみましょう。※8
『チェルノブイル事故によるベラルーシとロシアの汚染地域における小児被ばくと甲状腺がんリスク』より
「平均甲状腺線量が0.05Gy(つまり50mSv)である最も線量の低い集団において、甲状腺がんのリスクは統計的に有意に上昇した」
つまりチェルノブイリでは甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)でも甲状腺がんは増えた…という報告なのです。
なお、このP Jacob氏らの論文は、調査方法に問題があるとの指摘から論文自体の精度が低いとの批判が付いてまわります。しかし論文の発表から15年を経過した今、世界を見渡してみると安定ヨウ素剤服用の基準の主流は、甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)にすっかり変わってしまいます。これって、いったい…?
2011年6月安定ヨウ素剤服用基準
甲状腺被ばく線量の比較(単位:mSv)
国/国際機関0〜18歳18歳〜40歳妊婦、授乳婦
日本100100100
アメリカ5010050
フランス505050
IAEA505050
ICRP50〜50050〜50050〜500
WHO1010010
さらに注目すべきはアメリカです。アメリカは0〜18歳と妊婦、授乳婦の安定ヨウ素剤服用の基準を当初から甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)としてきました。
突然ですが放射能の健康被害について…もっとも知見を有する国はどこでしょうか?
広島、長崎に原爆を落とされレベル7の福島原発事故を起こした日本?
史上最悪の原発事故を経験した旧ソ連諸国(ベラルーシ、ウクライナ、ロシア)?
いいえ、間違いなくアメリカです。
広島、長崎の原爆投下に始まり、マーシャル諸島での原爆、水爆の核実験、アメリカのネバダ砂漠での核実験。それらの公開、非公開のデータが蓄積されている国こそアメリカなのです。
そのアメリカが0〜18歳と妊婦、授乳婦の安定ヨウ素剤服用の基準を当初から甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)としている。
■50mSv(ミリシーベルト)未満でも甲状腺がんは増える?
じゃあ甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)未満なら甲状腺がんは増えないのか?
実は、甲状腺被曝線量50mSv(ミリシーベルト)未満でも甲状腺がんは増える…その可能性を指摘する公文書もあるには、あるのです。2014年3月15日に放送されたNHKBS1のドキュメンタリーWAVE「ダウンウィンダーズ〜アメリカ・被ばく者の闘い〜」の画像を交えながら一緒に見ていきましょう。
1951年1月27日、アメリカ国内のネバダ州。砂漠地帯にあるネバダ州核実験場で…核実験が始まりました。その後1992年まで間に、合計928回もの核実験がこの場所で凶行されることとなります。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/bb92177112f9fc9994ff5b958caeaf72.jpg
核実験の爆発のたびに発生した大量の放射性物質は気流に乗り、放射性降下物(フォールアウト)として風下のアメリカ全土に降り注ぎました。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/d3aea7c33889e0ef59b187813760eddb.jpg
ネバダ州で核実験が始まって30年後。1980年代になると放射性降下物(フォールアウト)によって健康被害を受けたと主張する風下の人々がアメリカ連邦政府に対して補償を求めます。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/d765ddb540f32ab116dbea9412e111b7.jpg
ネバダ州で核実験が始まって39年後。1990年にアメリカ連邦議会で放射線被ばく補償法(RECA)が制定されます。特定のがんにかかった人々に対し一律500万円の補償をする法律です。しかし補償対象地域はあくまでネバダ核実験場周辺だけだったのです。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/8e6cb2e6d1f82ebcbae38406f95378a4.jpg
ネバダ州で核実験が始まって46年後。1997年にアメリカ国立癌研究所がヨウ素131による甲状腺被ばく推定量を記載した全米甲状腺被ばく地図を発表。甲状腺被曝線量で100mSv(ミリシーベルト)を超えたホットスポット地域(郡)は…むしろ補償対象地域に多数存在することが明らかになり衝撃が走りました。※9
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/914d56e9aa61fcca3f42424d0a32243f.jpg
話を戻します。先ほど私は「甲状腺被曝線量50ミリシーベルト未満でも甲状腺がんは増える…その可能性を指摘する公文書もある」と言いました。その被曝調査が行われた場所はネバダ州核実験場から北東へ約600キロのユタ州ソルトレイクシティ。もちろん補償対象地域で核実験による健康被害など公式に認められていない地域です。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/192a2f12d4b2f1776b2ca82eb3d0e59b.jpg
1964年アメリカ連邦政府公衆衛生局が作成した内部報告書。当時ソルトレイクシティの子供達が甲状腺をどれくらい被曝したのか推定したものです。実際に生乳のヨウ素131の値を測定しICRPの数理モデルに基づいて推定しています。年齢ごとに異なるヨウ素の吸収率や生乳の摂取量も考慮されています。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/96d675ade6d6e52adf28289cb29bf6b1.jpg
頻繁に核実験がおわれていた1957年〜1963年にかけて子供達はどれくらいの甲状腺被曝が見込まれるのか?最大で18ミリシーベルトと推計されています。報告書には「許容量を上回るヨウ素が蓄積された恐れがある」と記されています。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/b7e39152d990328726eea702ca4bf632.jpg
この被曝調査がおこなわれた期間、地域がすべて合致するメアリー・ディクソンさん(58歳)。メアリーさんは29歳の時に甲状腺がんを発症。手術を受け甲状腺を全て摘出しました。報告書に基づいて推定するとメアリーさんは2〜8歳までの6年間で甲状腺被曝線量が14ミリシーベルトです。くどいようですが補償対象地域です。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/7424acd30f02687ea2ab7840be5140b0.jpg
つまり甲状腺被曝線量50ミリシーベルト未満でも甲状腺がんは増える…しかし、国やICRPは認めない、そういう可能性もあるわけです。
以上、今回は世界のヨウ素剤服用基準の比較やネバダの核実験の甲状腺被曝地図を見てきましたが、次回から見ていく…あなたの甲状腺被曝推定線量がもし10ミリシーベルトでも100ミリシーベルトでも。
心配する必要も、嘆く必要もありません。重要なことはただ1つ、変わりません、超シンプルです。今日はこれだけ覚えていってください、それで十分です。
福島原発事故当時、あなたや家族が日本にいたのなら…大人も子供も1年に1回は必ず甲状腺エコー検査を受けましょう。これが、すべてです。安心は年1回の甲状腺エコー検査のなかでしか見つかりません。
では、なぜ甲状腺エコー検査を1年に1回は必ず受ける必要があるのでしょうか?
それはあなたや家族が甲状腺がんで死なないためです。
ちょっと復習です、思い出して下さい。ネバダ州で核実験が始まってから何十年後に放射線被ばく補償法(RECA)が制定されたでしょうか?
答えはネバダ州で核実験が開始されてから39年後でした。39年間の間にいったい、どれくらいの人達が亡くなったでしょうか…放射能の健康被害を認められずに、です。
さらに補償対象地域で健康被害を訴えている人達の戦いは、ネバダ州で核実験開始から64年たった2015年現在も続いているのです。例えば先ほどもご紹介したソルトレイクシティ。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/192a2f12d4b2f1776b2ca82eb3d0e59b.jpg
下の写真は2014年1月27日、ちょうどネバダ州で核実験開始から63年目補償対象地域のソルトレイクシティーでおこなわれた放射線被ばく補償法(RECA)対象範囲拡大を訴える「ネバダ核実験被害者」追悼集会の模様です。
http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/daf107356dcfecc3c928d378a8a135b7.jpg


http://www.sting-wl.com/wp-content/uploads/2015/03/e726760ac9ab05a4973afa635101adcd.jpg
最後に私から、あなたに質問です。2015年3月11日で福島原発事故から4年が過ぎました。福島原発事故の放射能による健康被害が認められるまであと…何十年かかると思いますか?
つまり自分と家族の命は、自分達で守るしかない、これが結論です。
だからこそ大人も子供も1年に1回は必ず甲状腺エコー検査を受けましょう。
≪福島原発事故と甲状腺被曝線量シリーズ≫
1.安定ヨウ素剤国際基準&アメリカ甲状腺被曝地図
2.信じられない甲状腺被曝線量【福島県版】※作成中
3.信じられない甲状腺被曝線量【日本全国版】※作成中

 ※9原本は単位がRad(ラド)だがわかりやすいように1Rad=0.01Sv=10mSvに変更した


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