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【NEWS】症状と問診だけ
精神疾患の診断マニュアル(DSM)が第5版に改訂
 
 
 
 
 
 
Tue, January 08, 2013 06:30:55

精神疾患の診断マニュアル(DSM)が第5版に改訂

テーマ:医学・医療
精神疾患のマニュアルが改訂:病気の定義とは
以下は、記事の抜粋です。
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心の健康に関係するあらゆる疾患の参照マニュアルとなる、『精神障害の診断と統計の手引き』(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:DSM)の第5版が承認された。

以下が、DSM第5版の主要な点のいくつかである。

この見直しにおいて最も論議を呼んでいる点が、アスペルガー症候群である。これは社会生活への適応に関する精神障害のごく軽度なもので、第4版では独立した番号をもっていたが、自閉症スペクトラムに組み入れられるようになった。

さらに、摂食障害は、補遺から、普遍的に認知されている病気を収録しているDSM本体に移された。この変更は、新しい市場をつくり出すだろう。今後、彼らは際限なく食べる患者たちのために医療保険の支払いを申請することができるだろう。

鬱病の定義は、死の悲しみに関する例外を取り除いて、さらに拡大された。このため、精神科医たちは、身近な人を失ったばかりの人々にも、鬱障害の診断をすることができるだろう。

破壊的気分調節不全障害(DMDD: Disruptive Mood Dysregulation Disorder)も病気のなかに含められた。これは、言い換えれば、「持続的に癇癪を起こし、1年以上の間、週に3回以上の頻度で突然の気分の変化がたびたび起こる子どもたち」に下す診断である。以前、DMDDは、「気まぐれの症状」にすぎないと評価されていた。

一方、疾患のコーパスから除外されたままなのが、セックス依存症である。アメリカ精神医学会の運営委員会のあるメンバーによれば、「十分な臨床学的証拠がない」からだ。当然のことながら、問題はやっかいである。13年の再検討と改善のあとで、議論の時期が正式に始まった。
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精神科の病気の診断は、他科の病気と異なり、患者から得られた検査データなどによらず、症状と問診だけによって行われることがあります。これをできるだけマニュアル化し、統計に用いる際に客観性を持たせるためにアメリカ精神医学会が決めた診断基準がDSMです。同様の目的でWHOが決めたものがICD-10です。

精神的状態によって社会に適応できない状態を病気と診断するわけですから、社会によって精神病の定義は変わります。現在はもうないと信じたいですが、過去においては反体制的な政治犯を精神病院に閉じ込めていた国もありました。

一方、上の記事のように、病気と認定されるかされないかで医療保険で投薬などの治療がカバーされるかされないかが決まることが多いために、市場や経済への影響も出てきます。

私が精神科医をしていた頃、診断科学が発達すれば症状と問診だけで診断するような時代は終わるだろうと言う人もいましたが私は永遠に終わらないと思っていました。今回のDSMの改訂を見て、今後もこの状態が続くことを確信しました。

プロフィール

ニックネーム  tak
性別  男性
誕生日  12月24日
血液型  血液型による性格診断は非科学的です

自己紹介

久野高義

神戸大学医学部で薬理学を教えています。薬理学では、薬物の作用や代謝を個体、臓器、細胞及び分子レベルで理解し、正しい薬物治療を行うための知識を学ぶことを目的としています。薬理学について知りたい方は、薬理学電子教科書(上)薬理学電子教科書(下)などをご覧ください。

大学院では、分子薬理・薬理ゲノム学分野を担当し、モデル生物(分裂酵母)を用いて薬理学の研究を行っています。詳しく知りたい方は、研究室のホームページをご覧ください。
 
 
 
 
WIRED  MAGAZINE “WIRED JAPAN” 2012.12.21 FRI
精神疾患のマニュアルが改訂:病気の定義とは
13年間の作業を経て、心の健康のバイブルとなる『精神障害の診断と統計の手引き』第5版のガイドラインが承認された。変わったことは何か。そして議論の的となっている点は?
TEXT BY SANDRO IANNACCONE
TRANSLATION BY TAKESHI OTOSHI

WIRED NEWS (ITALIAN)

http://wired.jp/wp-content/uploads/2012/12/brain.jpg


心の健康に関係するあらゆる疾患の参照マニュアルとなる、『精神障害の診断と統計の手引き』(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders:DSM)の第5版が承認された。まとめるのに13年もの年月がかかってしまったが、アメリカ精神医学会(APA: American Psychiatric Association)の専門家たちが、ようやく完成させたようだ。

鬱病から、不安障害、精神分裂症、吃音症、性的倒錯に至るまで、300以上の病状を定義・分類している新しいDSMのために、1,500人以上の専門家が携わった。
Time』紙が、精神学界や心理学界を大きく変える可能性があると主張するのも大げさとはいえない。そして医療・保健だけでなく、経済にも重要な影響をもたらすだろう。実際、保険会社は保険金を支払うにあたり、DSMによって定められた基準をもとにしている。

以下が、DSM第5版の主要な(そして議論の的となっている)点のいくつかである。
WIRED.ITでは、そのいくつかを数カ月前に予想していた。

まず、自閉症だ。DSMの新版では、自閉性障害の項目から、より一般的で総括的な自閉性スペクトラムへと移行する。診断書をつくる医師たちの助けとなるように、DSMはこのスペクトラムに含まれるさまざまな精神障害に関係する基準に適合する患者たちの、具体的な例を記載している。

この見直しにおいて最も論議を呼んでいる点が、
アスペルガー症候群である。これは社会生活への適応に関する精神障害のごく軽度なもので、第4版では独立した番号(299.80)をもっていたが、自閉症スペクトラムに組み入れられるようになった。

問題は、厳密な意味での自閉症は、アスペルガー症候群よりもずっと重症で重い症状をもたらす病気だと主張する専門家がいることだ。変更は、あらぬ波風を立たせようとしているように見える。というのも、診断はいくつかの教育的・社会的サーヴィスを受けることを可能にするための必要条件であり、この定義の変更が、どのように受け入れの基準に反映されるかがまだはっきりしないからである。

さらに、摂食障害だ。補遺(以前はさらに研究の必要な病状が集められていた)から、普遍的に認知されている病気を収録しているDSM本体に移された。この変更は、医師や心理学者に新しい市場をつくり出すだろう。今後、彼らは際限なく食べる患者たちのために医療保険の支払いを申請することができるだろう。

この精神障害のための新しいガイドラインは、自身の体の間違った認知に起因する事例を、これとは異なり鬱や不安に帰結できるものと区別するための一連の特徴を定めている。
アメリカ精神医学会の公式発表は、「摂食障害の定義の変更は、この精神障害に苦しむ人々の症状と行動をより適切に記述することを目的としている」と主張している。

鬱病の定義は、死の悲しみに関する例外を取り除いて、さらに拡大された。このように精神科医たちは、身近な人を失ったばかりの人々にも、鬱障害の診断をすることができるだろう。これが、もうひとつの議論の的となっている点である。実際、DSMを批判する人々は、第4版においてすでに鬱病の定義が拡大されすぎていると主張していた。新たな議論を呼ぶだろう。

破壊的気分調節不全障害(DMDD: Disruptive Mood Dysregulation Disorder)も病気のなかに含められた。これは、言い換えれば、「持続的に癇癪を起こし、1年以上の間、週に3回以上の頻度で突然の気分の変化がたびたび起こる子どもたち」に下す診断である。これもまた、非常に議論の的となっている。以前、DMDDは、「
Huffington Post」によって「気まぐれの症状」にすぎないと評価されていた。

そして
WIRED.COMのあるブロガーは、「このように定義されれば、どんなものでも病気になる可能性がある。靴が見つからないから、または宿題をしなければいけないから、髪の毛が乱れているからと怒りを爆発させることだって」と、警告していた。これに対してアメリカ精神医学会の側は、「新しい診断は、子どもの双極性障害への過度な処置に対する心配に対処することを目的としている」と説明している。

一方、驚くべきことに疾患のコーパスから除外されたままなのが、セックス依存症である。アメリカ精神医学会の運営委員会のあるメンバーによれば、「十分な臨床学的証拠がない」からだ。しかし、組み入れられなかったのは科学委員会への政治的な圧力によるものだと主張する専門家もいる。ただし正確にはどういうことかを説明していない。

当然のことながら、問題はやっかいである。13年の再検討と改善のあとで、議論の時期が正式に始まった。
 
 
 
以下は、イタリア語です。
07 gennaio 2013
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