小脳でよ〜く考えろ!??? 今日は難し〜いお話を一説(;^_^A 。
一般の方には、なかなか理解しがたい内容ですが、我々の中でも常識を覆されるような事柄なので敢えてこの場に載せました。 脳の領域に興味を持ってもらおうと思って始めたコーナーですが、
この話を読んで、逆に頭が痛くなったり、もしかして脳や神経のことが嫌いになりそうになったら、読むのをやめましょう。 つい10数年ほど前まで、場合によっては今だに?
●大脳は思考、運動、認知機能、●小脳は運動の調節を司ると医者の間でさえ疑いの余地なく信じられてきました。
実際、小脳の障害により手足の震えや体のふらつきなどの運動失調、眩暈が出現するとことはよく知られています。
ところが1990年代頃、この常識とも言える小脳の機能に、懐疑心を抱く研究者が出てきたのです。 さらに2000年代に入ると実は小脳のうち運動にかかわる部分は小脳の上半分(実際には上1/3くらい)の前葉というところだけであることが分かってきました。
小脳は上から下(前から後ろ)まで10の小葉に分けられていますが、これも実はその研究者が2000年に発表した新たな分類です。
つまり第1〜5小葉(前葉)が運動機能に関わり、
第6〜10小葉(後葉)は非運動野(non-motor area)として、
2009年に証明されたのです。
この研究を受けて小脳の認知機能が次々注目され始めました。
4コマ漫画をばらばらにした物を見せても、連想して順番に並べることができなくなるわけです。
http://www011.upp.so-net.ne.jp/konkonfj8/kaiki/sequence.jpg 小脳後葉には
遂行機能、
言語的記憶、
視覚的記憶、
短期記憶(working memory:作業記憶といわれる数秒から数十秒の記憶)、
空間把握、
シーケンス機能などの
多くの認知機能があることが分かって来たのです。
これらのうち、2008年より特に強調されているものが シーケンス機能というものです。
これは
①置かれた状況を判断し、
②それに見合う選択をし、
③行動を起こすという機能です。
これが障害されると、事柄の起・承・転・結が判断できなくなります。
4コマ漫画をばらばらにした物を見せても、連想して順番に並べることができなくなるわけです。
つまり『風が吹けば、桶屋が儲かる』式の思考ができなくなるとも言えるでしょう。
実際には遂行機能障害(場にそぐわない変な行動をする人)と区別が難しいので、これを一つの機能として評価するかどうか反論の声もあります。
現状では小脳後葉と大脳皮質を結ぶ認知に関わる回路として
●executive control circuit(遂行制御回路?) :前頭葉背外側部、前部帯状回、下頭頂小葉と連絡し作業記憶などに関与する。認知機能が働くとき活動する。
●default mode network(怠状回路網?) :後頭葉視皮質、海馬と連絡し、
上記の回路と拮抗して反応(一方が活性化しているときにはもう一方が休む)する。
という2つのものが指摘されています。 何れにしろ、小脳が認知機能(周囲の状況を判断する機能)に加担していることは確かなようです。 「ぼ〜としてないで、小脳を使ってよ〜く考えろ!!」 なんて言われるようになる時代も近いかも(*^-^)b。
参考文献:Schmahmann JD. et al. Cerebellar stroke without motor defecit: clinical evidence for motor and non-motor domains within the human cerebellum. neuroscience 2009; 162:852-61 Luca Passamonti et al. Altered cortical-cerebellar circuits during verbal working memory in essential tremor. Brain 2011: 134; 2274-86 Anna M. Tedesco et al. The cerebellar cognitive profile. Brain 2011: 134; 3672-86 分かりやすい図解・脳神経外科領域の各種疾患
主な症状と治療、また予防について 脳神経外科 村山 浩通 拝
千葉県内公立病院 脳神経外科部長 村山 浩通(平成6年 山梨医科大学卒)
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2013年05月31日
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