休みには中古屋のはしご

「精神」と「肉体」などと勝手に自分と思い込んでいるものに呪いあれ!とまれ「自分の中」でもってこの二つの乖離がどんどんひどくなる。

過去の投稿日別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

イメージ 1

20130326(了)

田丸公美子/『パーネ・アモーレ』イタリア語通訳奮闘記  Pane e Amore

   イタリア語通訳奮闘記
   私が出会った人たち
   シモネッタ以前
   通訳ア・ラ・カルト
    (解説:米原万里)

   2004年/エッセイ/文春文庫/(単行本2001年)/中古

   <★★★★>

(表紙解説) TV局から依頼された法王のクリスマス・メッセージの通訳。放送開始まで20分。
電話で音声を聞き、訳した原稿を持って6歳の息子がFAXに走る…手に汗握る聖夜の出来事
を始め、日本最強のイタリア語同時通訳が明かす楽しいエピソードが満載。日伊文化比較
や語学の上達法等、ためになる情報もいっぱいです。

上に書かれているように、確かに中身は面白いのだけど、この方のキャラクターゆえ、という
ところもおおいにあずかっていると思う。
とまれ、この方の初エッセイ集だそうな。
ワタシが大好きな故米原万里さんのエッセイにも度々登場し、元は米原さんに献上された渾
名である「シモネッタ・ドッジ」を今度は米原さんから譲り受けた。
‘シモネッタ’はもちろん‘しもねた’のことで、連発するしもねたの薀蓄がすごいという。この
エッセイにもその片鱗はけっこう読み取れる。
でもご自身のほうは意外や身持ちが固いというか・・・そのギャップもたいへんなもの。

というところで、通訳家業の大変さは米原さんの本でずいぶん読んだから、いくらかわかって
いるつもりなので、うんうんと頷けるが、ここでのもうひとつの主眼は、イタリア人てヤツは!!!っ
てことなのね。そのイタリア人に感化された(のだろうと思う)田丸さんの奇行の一端が、いく
らかわかろうというもの。
ロシア語の米原さんとはずいぶんとキャラクターが違うものの、いい友達であったろうことは、
想像に難くない。そのエッセイの毛色だって違っているけれど、面白いこと無類。
言葉系はワタシ、好きなんだな。イタリア旅行、とまでは行かなかったかもしれないけれど、
綺麗な風景だけを観に行くよりはよっぽどオモロイとは言えるよ、きっと。(負け惜しみ)

米原さんの死に慟哭するようなエッセイを含んだものも以前見かけて、これは避けている。
ま、こんなところで、おしまい・・・にするのはちょっともったいないので、短めの一篇を紹介。
丸々引用。
通訳ともイタリアとも関係がなく、シモネッタとして子供をダシにしたもの・・・



<親の鏡>

 ヒトゲノムを解読した人物が、人間の性格、資質は親の遺伝子と環境の影響と断言してい
た。息子も幼い折りから優れた言語能力を発揮したものの、まさに“親の鏡”、親として赤面
反省することが多かった。幼い子供は自然を擬人化し、思いがけない詩心にあふれた表現を
するが、わが息子は星菫調には縁がなく、ひたすら理屈っぽかった。四歳のとき、叱られて
「パパの怒り方は不条理だ」と泣き泣き叫んだ時には、私たち夫婦は絶句したものである。
 親の理屈と命令口調が影響した例をあげると、一歳のときの保育ノートに、
 「いつも園では、みんなで使うものは大事にしましょうと教えていたのですが、今日お散歩
の時間、道路工事のおじさんのもとに走り寄り、『おじちゃん、みんなが使う道をこわしちゃだ
めでしょ。すぐに直しなさい』と抗議していました。足もともまだおぼつかないちびちゃんに堂々
と注意され、おじさんたちは笑いころげていました」とある。
 五年間通った保育園の連絡ノートは約二十冊、幼い子供が環境、すなわち親の会話や態
度の影響をいかに強く受けるか如実に見えてくる。わが家では性に関するタブーはなく、シモ
ネッタの息子にふさわしい言動を幼いときから展開した。
 一歳になったなったばかりのころ、遊園地で見知らぬ同年代の女の子に近づき、「かわいい
ね。一緒に遊ばない?」とナンパしたのを皮切りに、次々と仲良しの女の子を入れ替える三歳
の息子に先生が、「雄太くんはゆかりちゃんと結婚するんじゃなかったの?」と聞いたところ、
「ウウン、あの子とは遊ぶだけ。それに結婚すると、あとから他の子が結婚してって頼みにき
ても、できなくなるでしょ」と答えた。先生が続けて新入生の女の子の名前をあげ、「あの子は
どう?」と聞くと、「うーん、顔がちょっとね」
 長じた今、「おっぱいも性格もあくまで顔のオプションにすぎない」と豪語。本体(顔)機能最
重要視でガールフレンド選びをしているのも、三つ子の魂百まで、なのだろう。
 二歳の保育園ノートには、もっとびっくりすることが書いてある。
 「お昼寝の添い寝のとき、『雄太くんのパパはどんな人?』と聞くと、『うーん、うちのパパは
いびきはかくし、浮気もするしね』と言います。びっくりして『えっ、浮気してるの?』と聞くと、
『うん、寒いからね』ですって」
 同じころ、私は息子に「今日のママは優しいね。外でいい男に会ってきたんじゃないの」と
言われている。夫への私の軽口の影響であることは間違いない。
 私に頼みごとを断られた夫が、そばにいた三歳の息子に「ママって意地悪だね。雄太は優
しい女の人と結婚しなさい」とアドバイスしたところ、「パパ、女はみんな同じだよ。あきらめな
さい。」と言われてしまった。
 五歳の保育園ノートになると、さらに言葉巧みになっている。
 「雄太くんがお楽しみ会でH先生の手品の助手を務めることになりました。『みんなには絶対
内緒ね』と、手品の種を見せながら言うと、雄太くんは『ぼくはいいかげんなやつに見えるかも
しれないけど、口だけは固いからね』と答えたそうです。先生たちは大爆笑でした。」
 ノートを読んだ私が帰宅した息子に、「先生が手品を失敗して、雄太が本当に消えたらどう
しよう」と言うと、「大丈夫だよ、保育園の手品は子供だましだから。それにぼくが消えたら、ま
た作ればいいじゃないか」
 このころはまた、交渉能力も発達し、自分の誕生日に高価なおもちゃをねだり、「買ってくれ
たら、ママにも好きなおもちゃプレゼントするから、ね―」
 私「ママの好きなおもちゃ?? 何よ」
 雄太「ぼくの子供だよ。孫つくってあげるよ」
 ・・・・・・唖然である。
 やはり五歳のある日、私がテーブルで物思いにふけっていると、近づいてきて、「ママ、何
悩んでいるの?」
 私「雄太に言ったら解決してくれる?」
 雄太「パパが解決してくれるんじゃない」
 私「解決って、何?」
 雄太「お金を出すことでしょ」
 五歳にして金の力も熟知し、小学校にあがるとさらに大人顔負けのお喋りで楽しませてくれ
た息子だったが、中学入学を境に語彙は激減、ほとんどの会話は「うっせー」で終わるように
なった。
 「ママ」とも呼ばれなくなって、久しい。

全1ページ

[1]


.
kikuy1113
kikuy1113
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

数量限定!イオンおまとめ企画
「無料お試しクーポン」か
「値引きクーポン」が必ず当たる!
CMで話題のふるさと納税サイトさとふる
毎日お礼品ランキング更新中!
2019年のふるさと納税は≪12/31まで≫

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事