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20130615(了) ツェムリンスキー/ 歌劇『こびと』Op.17(オリジナル・ヴァージョン) 1871-1942/ Der Zwerg(The Dwarf) 1919-21
1幕オペラ
ジェイムズ・コンロン指揮/ギュルツェニヒ管弦楽団&ケルン・フィルハーモニー/原作:オスカー・ワイルド「スペイン王女の誕生日」 台本:ゲオルク・クラーレン FrankfurterKantorei スペイン王女ドンナ・クララ ― ソプラノ SOILE ISOKOSKI 侍女ギータ ― ソプラノ IRIDE MARTINEZ 侍従ドン・エストバン ― バス ANDREW COLLIS こびと ― テノール DAVID KUEBLER 女中1 ― ソプラノ JUANITA LASCARRO 女中2 ― ソプラノ MACHIKO OBATA 女中3 ― アルト ANNE SCHWANEWILMS 王女の友達(複数) ― ソプラノとアルト NATALIE KARL/MARTINA RŰPING 1996年/CD/2枚組/歌劇/EMI Clasiccs/中古 <★★★☆> (あらすじ) せむしのこびとが野原で遊んでいると、スペイン王家の廷臣たちに捕われ、王女 の12歳の誕生日のプレゼントとして、おもちゃ代わりにスペイン宮廷に連れて行かれる。こび とは姫君にきれいな衣裳を着せられ、得意になって踊って見せるが、かなしいかな、周りが自 分の不恰好さを嗤っていることに気付かない。そのうち自分が姫君に愛されているとすら信じ 込む始末である。だが姫君の姿を捜して王宮に迷い込むうち、自分の真似をする醜い化け物 の姿を見つけ出す。そしてついにそれが姿見であり、自分の真の姿を映し出しているという現 実を悟るや、そのまま悶死してしまう。それを見て王女はこう吐き捨てる。「今度おもちゃを持 ってくるなら、命(心)なんか無いのにしてね。」 シュレーカーの「烙印を押された人々」と全く同じ原作で、まあ、競作になりかかったので、ツェ ムリンスキーはメルヘン・オペラとして作曲。シュレーカーのほうは結局バレエ音楽になった。 童話的なお話にはえてしてありがちだとはいえ、むごい原作ですな。 CD2枚組みながら、合計時間は86分半、もうちょっと頑張れば1枚に納まる。 冊子が2冊付いていて、ひとつは解説やシナリオ。もう1冊はオスカー・ワイルドの原作を、3ヶ 国語で掲載している。なかなか贅沢な仕様。 ジャケットの写真、上手く写っていないけれど、王女とドゥワーフの絵。この絵のドゥワーフも 相当醜い・・・ CD1の音楽は概してファンタジックでロマンティックですらある。あらすじの前半にあたるの だろう。どこの国の音楽だかはっきりとしないような感じ。オーケストラは巨大だが、なかなか 繊細な音楽。フランス風味かとも思ったが、どうなんだろう。 これがCD2になると、俄然後期ロマン派の感じが濃厚になってくる。ぶ厚く、熱く、のたうつよ う。且つ繊細。あらすじの後半との対応としては、ドゥワーフの大きな嘆きの声が2度あるが、 それ以外はさほどむごたらしくは感じない。涼しさすらあって、フランス風味よりは北欧風味 かとも思われるものの、そういうのがツェムリンスキーの特色なんでしょうか。ベースの後期 ロマン派としか言いようのない音楽は、実に素晴らしい。ワーグナー〜マーラー〜R・シュトラ ウスなどのなかに、ツェムリンスキーも確かに棲んでいたんだってことがものすごくわかる。 マーラーの歌曲や‘大地の歌’に似たフレーズが聞こえたような気がした。 この歌劇のことなど全く知らなかったのは、ワタシの勉強不足ではあるけれど、これほどす ごい音楽なんだから、紹介、宣伝する側の問題なんじゃないかとも思えてくるね。 このCDの歌唱については・・・大体ワタシは歌のことはよく知っているとはとても言えないが ・・・名が先に出ている王女や次女なんかより、タイトル・ロールである「こびと」、つまりドゥワ ーフ役のテノールが、いいですねえ!このラッパぶり! これでは点数が低いかも。
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