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20120910(了) 樋口毅宏/小説『民宿雪国』 <★★★△> この小説については“このミス”発ではなく(このミスにも載っていてチェックはしていた けれど)、新聞の二つの紹介記事を切り抜いていた。 どうも本読みのテダレや小説家がひどく反応している。 刺激度、筆力、異世界、底知れぬ業、奇想天外、エネルギー・・・などという言葉が惹苦 や推薦に混じることからも、激しさや極端な業の世界を予想させますな。 その通りだったと思います。 ‘ある国民的画家の数奇な生涯を描いた衝撃エンターテインメント’ 4つの章に分かれていて前の3つで、でんぐり返りでんぐり返りで、なんじゃこれは!と、 業を描くホラーのイメージを持つが、これでやっと半分で、残りは「実は」とわけが語られ ていく。 でもどうもねえ、語るってんじゃなくて、前の3章も含めて、みんな騙り、騙られの世界な のね。 たいへんな筆力というのもわかる。 朝鮮半島のことが後半、しこたま出てくるんで、そっちのことも気にせずにはおれないし、 え? そういうものだったの? なんて自分がえらく歴史を知らないことを恥ずかしく思った りもするが、ともあれ、スタート時点から見れば、えらくちがったところへ着地する。 オームのあの御仁のキャラとか・・・ ワタシには‘奇想天外’ってのが近い気もする。 力技でっせ。映画化したら、ものすごい陳腐なものになるな、きっと。 (内容紹介文、省略。)
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本の鑑賞記
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これこそ雑多。でも小説が多いでしょうね、結果的には。
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9/30(日) あまり日記っぽいものを書かないし、書いてもブログにはアップしづらいので、今日は新聞 (朝日)の切抜き〈テーブルの下のほうから出て来た〉を・・・ H24年の7月ごろの日曜の新聞じゃなかったかと思う・・・ 辛口毒舌が一種さわやかな池田先生の一応推薦図書ってことになりますか。 先生自身の本は一冊買い込んでいまして、それに近々手が伸びる、かもしれません。 <読むぞ! ホップステップジャンプ> 脳機能 最新の研究は 池田清彦 早稲田大学教授(生物学) 脳の機能についての研究は日進月歩で、新しい知見がどんどん集積している。ただ、 科学的根拠に乏しい脳力アップのトレーニング本なども出版されているので注意が必要 だ。ここでは現場の研究者が書いた最新の脳研究の成果を紹介しよう。 まず、 『なぜ、歩くと脳は老いにくいのか』(久恒辰博、PHPサイエンス・ワールド新書)。 前世紀までは、脳の神経細胞は成人してからは新しく作られることはなく、ひたすら 消滅するばかりだと考えられていたが、近年になって脳にも神経幹細胞が存在し、成人 してからもこれが分裂して新生細胞が作られることがわかってきた。 本書は運動をすると脳の一部に新しいニューロンがたくさん生まれて、アルツハイマー 病の予防になることを論じた本で、データに基づく議論には説得力がある。認知症の原 因や食事との関係についても論じており、APoE4というたんぱく質を作る遺伝子を持つ 人は、そうでない人に比べ、アルツハイマー病になる確率が極めて高くなるといった話も 書いてある。原因遺伝子が分ることは将来の画期的な治療法の開発にもつながるわけ で、さらなる研究を期待したい。 睡眠が健康を保つのに重要なのは直感的に明らかだが、 『睡眠の科学』(櫻井武、講談社ブルーバックス) は最新の成果を紹介しながら、脳の 機能保持のために、睡眠が極めて重要なことを科学的に論じた本だ。著者は、オレキシン という覚醒と睡眠の切り替えに深く関わる物質を発見した研究者で、様々な脳内物質が 睡眠をどうコントロールしているかを丁寧に論じており、読み応えがある。睡眠は覚醒時 に酷使した脳のメンテナンス過程であり、さらにレム睡眠(この時に夢を見ていることが 多い)は記憶の整理過程であるという著者の仮説は興味深い。 最後に紹介するのは心と脳の関係を論じた 『脳はなぜ「心」を作ったのか』(前野隆司、ちくま文庫)。 「私とは」「心とは」という大問題に正面から挑んだ野心作だ。「心」や「私」の存在は脳の 研究からは解けないという見解に著者は真っ向から反対して、「心」や「意識」は脳に制御 されているにもかかわらず、脳を制御していると錯覚しているのだと主張する。ロボット研 究者でもある著者は人間の脳の機能をまねたロボットを作れば、このロボットは「心」を持 つだろうと予測する。「心」は主観であり、その存在を客観的に証明することはできないが、 面白い考えだ。 三冊とも面白そうです。 もう忘れてました。はははー・・・。 ことほどさように、ワタシなんざ上記の本を読んでももう「無駄」なんで、「オマエなんか、ただ もう歩きゃあいいんだ」ってことかな。 まぁ、納得するには読まんとアカンか。 ※
台風17号がくるとは分っていたが、さっき、突然雨が降ってきた。いきなりの大降り。 にもかかわらず、横殴りの雨の中、カミサンと一緒に買い物に行き、100円寿司を食べ、ビショ ビショになって帰宅。 買い物中に、あるビルの守衛から“土嚢を積んだほうがいいかどうか”と電話があったんでした。 コースからすると、上陸は愛知県東部。名古屋市は台風の左側になるようだから、さほど雨は降 らないんじゃないかと思うのだが・・・ それでも、担当のいくつかのビルや立体駐車場など、コワイなあ。 ラジオ、テレビじゃあ、名古屋市でも5−6万人に避難勧告に近いものが出ていると言っていた ようだ。海のほう。大潮なんやね。 ああ、ほかに竜巻注意報や落雷注意報なんてのも出ている。 |
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20120928(了) いしいひさいち/「ヒラリー・クイーン 大統領への道」 <★★★△> 「Hillary Queen the road to President」 世界制覇をもくろむ/天才マンガ家が/ひそかに描きためた/大笑破壊兵器満載! これで地球は救われる!! 毎度ばかばかしいギャグ・マンガ。時々ランダムに買い込んで読んできたけれど、たまには 紹介してみるか、・・・てんで載っけてみます。‘劇画’はまず読みません。 印象記/鑑賞記なんてもんではありません。 今となっては、もうずいぶん古いと思ってしまうネタ。 時間の経過はなかなかむごいものがありますが・・・ 案外オモロイ。 ヒラリーさん自身、まだ頑張っておられるし・・・ ホンマはアカンのやけど、次回一部紹介してみたろ・・・
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20120903(了) 宮本常一著/『忘れられた日本人』 1984年/民俗学/文庫本/岩波/ <★★★★> 宮本常一(みやもと つねいち)、1907年8月1日 - 1981年1月30日)は、日本を代表する民俗 学者の一人。 昭和14年以来、日本全国をくまなく歩き、各地の民間伝承を克明に調査した著者が、文 化を築き支えてきた伝承者―老人達がどのような環境に生きてきたかを、古老たち自身 の語るライフヒストリーをまじえて生き生きと描く。辺境の地で黙々と活きる日本人の存在 を歴史の舞台にうかびあがらせた宮本民俗学の代表作。(解説=網野善彦)<表紙> 言葉遣いは、今ではもう絶対に使われないものも含んで、‘若干’古い。 今の若い人なら‘非常に’古いというかも。始めの対馬のものは昭和25−26年ごろ。 対馬を、馬に乗る爺さんを追いかけててくてくぜいぜい歩く。 追分みたいなものを聞きながら・・・ すーっと入っていくんだね。 こういう民俗学的なもの、ふたまわりほど前の柳田國夫にしたって名前しか知らないわけで、 初めて読むのかも。もっとも柳田一派からはどちらかというと冷ややかに見られていたらし い。漂泊民や被差別民、性などの問題を重視したため、というのが理由のようで、そんなら、 柳田民俗学は、読むに値しないというわけではないにしても、あえてその実績に触れなくても 赦されるんじゃないか、なんて・・・ オーバーに書くことでもない、たかが読書。 これね、2、3篇読むうちに、この前に読んでいた「羆嵐」と繋がっている気がしたのね。 屯田兵まがいがこしらえた村里が‘区長’によってまとめられており、区長の考えや感性が 結局羆の被害を抑えることになるんだが、この区長さん、いろんな場面で村人たちと話し合 いをする。これがどうもまとまりがない。区長がいなかったらどうしようもない。そんな歴史に 裏打ちされていない村里各戸の結びつきの弱い面が出ていた。 だから繋がっていると書いたのは、まあ言わば逆の意味。 手塩のド田舎の歴史のない無知に比べて、ここに紹介される田舎には、いかに優れた習俗 が脈々と受け継がれてきたか。 そんな中には、早めに隠居する重大な意味だとか、はたまたおおらかなSEX(いやそうは 書いていないが同じことで、“夜這い”なんてのが当たり前であった)のことなどが、語られた りする。 やっぱりなあって・・・。誤解を恐れずにいえば、安心した。 そのあたりに、愛知県設楽郡の結婚時の風習の話もあって、嫁の荷物が「今」と違ってやた らというかごく普通に粗末なものだった(明治半ばまでくらい)が、色々な交易や人の出入り が徐々に激しくなり始めてから周辺の村などへの気遣いによって派手な「嫁入り」になって、 それが全国的にも目を引くド派手なものに変貌してしまった(やりすぎた)ということのようで ある。三河のド派手な嫁入りは、江戸時代からというわけでもなかったんだな。 河内長野市(カミサンの実家があります)の滝畑近辺のことも詳しく出てきました。 昔話のほうはともかく、小さいころに家族でてくてくと歩いたことがあります。真夏でした。岩に 染み入る蝉の声状態の真昼間。谷川に下りたら泳げそうなところがありまして、冷たい水に あられもなくフリ○○で入ったり、川原でお弁当を食べたりしたのを覚えてます。 今は、何の役に立っているんだか、立派なダムとダム湖に変わり果ててしまっていますな。 ちょっと思い出した・・・ ご本人の伝記的な記述より、じじいばばあの話の聞き書きのスタイルのものがオモロイ。 説明になっていないが、それが名著たる所以じゃないか。これも歴史やろ。 これを学校で教えなくて、どこで教えるねん! こんなじじいになりかけのオッサンがたまたま推薦された記事にほだされて、気まぐれで読 んで感心する内容じゃないぜ。 なんてイギタナイ書き方をしてしまった。 幕末から明治のかけての片田舎の様子や雰囲気、生活なんかを生で語ってくれているのを 記録しているんだもの、興味深くないわけがないんです。 いい本を教えてもらいました。 人間、過去に生きるわけにはいかなくて、過去からは学んで、ちったぁ賢くなっていかなくちゃ ならんのですが(賢くならなきゃいけないなんて誰も決めちゃいないんだけどね)、ま、なかな か上手く行かない。でもこれ読むと上手に生きてきているじゃないですか、案外どころか、今 よりよっぽど人間らしいというか、こんな貧乏この上ないような山里で工夫に満ち満ちたほと んど楽しげな生を享受していた。 いろいろと切なさも感じながらの読書でした。
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