休みには中古屋のはしご

「精神」と「肉体」などと勝手に自分と思い込んでいるものに呪いあれ!とまれ「自分の中」でもってこの二つの乖離がどんどんひどくなる。

本の鑑賞記

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これこそ雑多。でも小説が多いでしょうね、結果的には。
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20130520(了)

丸谷才一/小説『輝く日の宮』


   2003年/小説/単行本(第1刷発行とある)/講談社/中古

   <★★★★>


久しぶりに堪能、丸谷才一。
と書いてしまってはみもふたもないかもしれないが、実際そうだったもんね。なんだ、わかっ
ちゃいないんじゃないか、ちゃんと書けヨ!と言われるかもしれんけど。

始めに杉安佐子が中学時代に書いたという短編小説ふう断片が置かれる。
長じて19世紀文学の学者となった安佐子が、寝込んでいる父親と交わす芭蕉論。
真ん中にドカンとばかりに置かれている「日本の幽霊」という文学シンポジウム。これは舞台
劇のような形を採っている。その中で安佐子と篤子を中心に大脱線して「源氏物語」の中に
もともとあったがなぜか散逸してしまったか省かれてしまったのではないかという「輝く日の宮」
という章に関する安佐子の説への侃侃諤諤の議論と会場大盛り上がりの図。
会社役員と安佐子のラブ・アフェアやその寝物語の中でさえも途切れることのない様々な文
学論や宮本武蔵・・・
安佐子と男との行く末にちょっとだけ気を持たせつつ、19世紀文学の学者
である安佐子は「源氏物語」への考察を深め、想像力を駆使して、シンポジウムでの成り行
きで出てきた「小説化」による解釈や謎解きを続け・・・

てな感じで、丸谷の小説の筋を書いてどうすんの!

この風俗論ふう文学論ふう小説は読み進むほどに次から次へとミステリー風味が加わって、
なにやら楽しいんだよね。こんなことにワクワクするなんて、今のバラエティー番組なんかか
らすれば、変態扱いされそうだが、なに、そんなもんに変態扱いされたって何の動揺もない。
うんとミステリアスであって、その前に‘文学的’などと付けなくったっていい。
文学の素養なんぞいたってお粗末なワタシが面白いのだから、素人向きなのだろうか、それ
ともかなりの教養人でもやっぱりオモロイのだろうか。
この遊び心と閨の睦言に満ちた文学論を小説にしちゃった丸谷才一作品のような楽しい世界
は、乏しい経験ではあるけれど、ほかに知らない。
わかる外国人もいたって少なかろうと想像するが、そらぁわかりません、D・キーンさんなんぞ
はそりゃおもしろがるでしょうが。とはいえ、そもそもこんな世界は日本という枠の中にはなか
ったようだし、入りきらないとも思われる。今後、丸谷ワールドをワタシなんかにもわかるよう
に、上手く解説してくれる人がきっと現れるんじゃないか。
もちろん今だってそれがどれだけ面白いか、シャカリキになって述べ立てている方は既に大
勢いらっしゃるだろうけど・・・  あるいはこんな趣味を小説にするなんて言語道断だ云々なん
てひとも、ね。枠付けが好きな人は多いから、少しは時間が必要かも。

結婚観が風俗として‘ついで’ふうに入っているとか、
これだけセックスの場面にあたる部分が多いのに殆んど言葉にはされていないとか、、、
まあ、いつもの丸谷節なんだが、
これまで読んだどれよりも丸谷らしさが濃く出ている感じがワタシにはしましたね。

ところで、最後の章、こいつがワタシには難物で・・・これがひょっとして、安佐子版の「輝く日の
宮」なの? それとも・・・ どうもヨウワカラン。
悲しいことに、ヤッパ「源氏物語」なんぞろくに知らない教養の低さがイカンのでしょう。
これじゃあ、この小説を読んだことにも、ましてや楽しんだことにもならんのじゃないかと恐れ
るね、正直。

朝日新聞の追悼系の記事の切抜きを5-6種挟んでいた。これらに最後に目を通して、本、
閉じ。

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20130510(了)

安野光雅/絵本「はじめてであう すうがくの絵本」  

  1982年/絵本/福音館書店/(1997年、第28刷)/中古

  <★★★☆>

BOを覗く時、たまには子供用のコーナーも見る。そのとき何となく探すのが
安野さんの絵本。
これなど古いものだが、、、なかなかないんだよな。
人気が高いんじゃないかと思う。

若いころ算数の先生もやっていたという安野さんの面目躍如の絵本。
ワタシャ絵を見るために仕入れたが、中身についてはちょっとだけ捻ってあっ
て、やはり独特。
“4才からおとなまで”と隅っこに書かれている。

主なキャラクターは2人で、片方はもろ安野さんご本人のお顔やね。
いや顔だけじゃない、体つきも。

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20130424(了)

ジェイムズ・パターソン&ピーター・ドゥ・ヤング/小説「17番グリーンの奇跡」

  MIRACLE on the 17th GREEN               河合のら(訳)

  1999年1月/小説/PHP研究所/単行本/中古

  <★★★★>

“平凡な人生にだって、‘魔法’が必要なときがある。
仕事を失い、妻に別れを告げられた、ごく平凡な中年男が、ある日突然、プロのようにパット
を決め始めた・・・。”(帯)

50過ぎの広告マンが、家族を愛しながらも、隔たりや亀裂を感じ始めているのね。とくに奥さ
んをやたら愛しているにもかかわらず、ぎくしゃくしているのが猛烈に心配。
ゴルフだけは昔から好きで、会員であるコースでも上手いほう。
あるクリスマス、家族との食事が待っているというのに、突然ゴルフに、それも苦手であるは
ずのパターに開眼してしまう。
帰宅したが、もう遅い。
しかも出勤すれば首が待っていた。
さあどうする!
というわけです。

これは、ゴルフはちゃんと好きだけれど、万年ヘタクソなアベレージ・ゴルファー、それも人生
の後半にかなり前から入り込んでしまっている‘男’には、特に!胸が締め付けられるお話です。
なにもぼかすことはない。モチ、私もその一人。
‘ファンタジー’という言い方では足りない。癒しの夢物語だね。
ゴルフ―家庭や家族―人生 というところからはみ出るほどページ数もない、いたって短い
小説。
でもね、リー・トレヴィノ、レイモンド・フロイド、ジム・コルバート、ジャック・ニクラス・・・
なんとなんと、スーパースターである彼らに主人公が加わり、絡んでいくのですよ!
もっとも彼らも既にシニア・ツアーのメンバーなんだけどね。

何度か胸が熱くなったり涙ぐんでしまったりしたことを、告白しなきゃならない。
手もなく涙腺を緩められてしまうのがちょっと癪だけど、それだけ‘痛いところ’なわけでね、
こえれをつつかれるんだから、まあ、しょうがないワ。

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20130421(了)

土屋賢二/エッセイ『われ笑う、ゆえにわれあり』


   1997年/エッセイ集/(単行本1994年)/文春文庫/中古

   <★★★★>


(カバー裏) 愛ってなんぼのものか、わたしはこうして健康に打ち勝った、
あなたも禁煙をやめられる、なにも考えないで楽しく生きる方法、超好
意的女性論序説、汝みずからを笑え・・・などなど本邦初の「お笑い哲
学者」が、人間について哲学的に、大マジメに考察した、摩訶不思議、
変幻自在、抱腹絶倒の処女エッセイ集。(解説・柴門ふみ)

土屋先生のエッセイ、初めて読んだ。
この第一エッセイ集は、書き溜まった結果、ほぼ自分から売り込んだら
しい。

哲学者ふうな言い回しや考え方を逆手にとって、ちょっとズレる、から、
おおいにズレる、まで様々に‘もっともらしくズレる’。

絶えずくすくす笑いをしてしまうので、電車なんかのなかで読むときは
「あいつヘンだ」
「気色悪い」
と思われるだろうが、諦めること。

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20130411(了)

いしいひさいち/マンガ『戦場にかける恥』

   2005年/漫画/双葉文庫/中古

   <★★★△>

(カバー) 戦いを避けることばかり考えている兵士たち。見当外れの作戦会議に明け暮れる
将軍たち。突撃を命じるばかりで、人望皆無の指揮官たち。いしい世界のナンセンスな戦場
は、イラクの泥沼や憲法9条の危機と地続きだ。戦争の不条理を身もフタもなくあばいたいし
いひさいちの不朽の名作「鏡の国の戦争」より選りすぐりの傑作に、その後の「ドーナツブック
ス」収録作を加えて贈る新編集版!

オーバーなカバー解説!
「鏡の国の戦争」って、ル・カレの小説のタイトルにあったんじゃなかったか。それにこのタイト
ルのものはずいぶん前に読んだことがあるような気がする。

この脱力させるマンガはいい。
優れたストーリーテリングの劇画も、たくさんあることだろうが、なにが面白いのか知識がない
ワタシなんぞには探しようがないんで、こういうギャグマンガで十分・・・ かどうかわからんけ
どね。おもしろいなら読んでみたいとは思う。

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