休みには中古屋のはしご

「精神」と「肉体」などと勝手に自分と思い込んでいるものに呪いあれ!とまれ「自分の中」でもってこの二つの乖離がどんどんひどくなる。

本の鑑賞記

[ リスト | 詳細 ]

これこそ雑多。でも小説が多いでしょうね、結果的には。
記事検索
検索

恒川光太郎/夜市

イメージ 1

20130114(了)

恒川光太郎
1973-

 (1)夜市

 (2)風の古道

    選評(荒俣宏、高橋克彦、林真理子)


    2005年10月/小説/単行本/角川書店/中古

    <★★★△>


(宣伝) 妖怪たちが様々な品物を売る不思議な市場「夜市」。ここでは望むものが何でも手
に入る。小学生の時に夜市に迷い込んだ裕司は、自分の弟と引き換えに「野球の才能」を買
った。野球部のヒーローとして成長した裕司だったが、弟を売ったことに罪悪感を抱き続けて
きた。そして今夜、弟を買い戻すため、裕司は再び夜市を訪れた――。

(書いた人) 29歳の頃に沖縄県に移住し、塾の先生をしながら書いた「夜市」で第12回(2005
年)日本ホラー小説大賞を受賞。これと書き下ろしの「風の古道」を併録した『夜市』で小説家
デビューを果たした。同書は第134回直木賞候補にもなった。

というようなかたで、直木賞をはじめ様々な賞の候補になったそうな。
で、(1)はホラー小説大賞。
文字どおりのホラー、つまり「怖い!」というんじゃなくて、ムードが幻想譚といった趣。でも、
ストーリーのほうは二転三転と意外にころころ状況が変り、おっと!というエンディング。
怖さは足りないが、面白いです。

それがですねえ、次の(2)がまたなかなかなのですな。
日本の津々浦々に通じどこまで行っても果てがない化け物ども用の裏の道へ迷い込み悪戦
苦闘してしまう話で、これはストーリーテリングなんだが、その分エンディングが難しかった。
でも(1)にそんなに負けていないんじゃない?

すぐ読めるだろうとゲット。
ゾワゾワと恐い本も読みたいんだけれど、これはこれで、怖くはないけど面白かったです。
荒俣さんは(1)に「泣いた」と書いている。

イメージ 1

20130109(了)

矢作直樹著/「人は死なない」 ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索

  第1章 生と死の交差点で(幼い頃の記憶私が医者になった理由 ほか)

  第2章 神は在るか(科学と科学主義 自然科学という「思想」 ほか)

  第3章 非日常的な現象(自分の中に入り込む他者 Bさんの治療 ほか)

  第4章 「霊」について研究した人々
       (スピリチュアリズムとは何か 宗教とスピリチュアリズム ほか)

  第5章 人は死なない(摂理と霊性 人の知は有限 ほか)


     2009年/エッセイ/単行本/バジリコ/借り物

     <★★★>


(本の内容紹介) 神は在るか、魂魄は在るか。生命の不思議、宇宙の神秘、宗教の起源、
非日常的現象。生と死が行き交う日々の中で、臨床医が自らの体験を通して思索した「力」
と「永遠」、そして人の一生。

普段ならまず手に取らないジャンル。
仕事上、しょっちゅう行くビルの防災センターのTさんに、押し付けられ、断りきれなかった。
Tさんがご推薦というわけでも実はなくて、山登り仲間の友人から是非にと薦められて、ワタ
シにも薦めることになった。
71歳のTさんは、この本の内容をあまり認めていないようである。なのにオレに薦めるたあ、
どういう魂胆なんだ・・・ なんてね、別にそんなにオーバーに考えちゃいない。

こんなに平易にスピリチュアリズムを説かれると、読んじゃいますよ。
始めは、ものすごい色眼鏡で読み始めたもんね、ワタシも。
6万部とか7万部とかがすでに市場に出たという。
「オバケ」なんて、この本によれば、けっこうありふれた現象だね、きっと。

いたって冷静、控えめな表現に終始し、宗教性は外せなくても宗教自体とは一線を引いての
論陣は、とても好ましかった。

T爺さん、オレの感想を聞きたがるよなあ。
どう言ったものか。え---

『真摯な考え方をするというのかな、ちょっと‘おきれい過ぎる’くらいなんだけれど。
始めはねえ、医者なのにこんなこと言ってぇなんて思ったが、どうも医者だからこそ言えるよ
うな感じの結論にたどり着いた。その言い方に違和感は殆んどなかった。
「摂理」があるから大丈夫、他利性も忘れず与えられた生は前向きに生きるべし、とおっしゃ
る。霊性をめぐる例や思索には、自分に経験がない以上、信じるわけにも行かないが、それ
を無理強いしていないことを上手に説明しているしね、宗教談義もさらりとかわしている。
ただ、ちょっと最終的な結論へはいまいち説明が足りない気もしたのよ。
「摂理」の真意には人間はとてもじゃないがたどり着けないが、そういうところまでわかるのは
人間だけであって・・・どういえばいいか、つまり・・・人間以外の生〜生命の意味には殆んど
説明がなかったようなんだよね。
人間以外には‘霊性’ってヤツもないのか。
ワタシは、なんぼ時間がかかっても科学的探究のほうに組したい、結局のところ。
人間なんてこのレベルだから、自分で自分の首を絞めるとか、病原菌にやられるとか、遠い
未来に太陽に呑み込まれるまでに地球や太陽系から脱出がかなわなかったとか・・・まあそ
りゃどうなるかワカランが。
だから・・・
この本の意義はわかるようで、実は、わからない。』

てなところです。これ以上は堂々巡りになる。人の想像力には限界があると思うなぁ。きっと
想像できないような‘生命’(この説明が難しいけど)形態だってあるだろうし・・・
そうそう、抵抗なく読了したし、読んでいる時間が無駄な時間だったなどとは思っていないこ
と言っておかないといけないや。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

20130106(了)

秋山真邦編著/[旅]セント・アンドリュース ゴルフのふるさとを訪ねて


  1997年10月/文庫/写真集/京都書院 アーツコレクション53/中古

  <★★★☆>

よっぽどゴルフ好きで、しかもセント・アンドリュースに魅せられて、完全に嵌ってし
まった写真家さんですな。
でも、なんかすごく雰囲気が感じられてね、見つけてよかった。短いコメントもいい。
テレビで観る「THE OPEN」(全英オープン)とは違って、優れた写真撮影技術で捕ま
えたもの。
絵ハガキ的なものは殆んどなく、ゴルフ場や町の‘普段’が過不足なくそこにあるよ
うに思われる。

行きたいかって?
そりゃ行きたい。恥ずかしながら。
行けたら、ちょっとは打ってみたいし。

(アームチェア・ゴルファーとしての、精一杯の感想・・・)

イメージ 1

イメージ 2

20121229(了)

ジャレッド・ダイヤモンド著/「銃・病原菌・鉄」(上・下)

  GUNS,GERMS,AND STEEL The Fates of Human Societies

  一万三○○○年にわたる人類史の謎


・日本語版への序文―東アジア・太平洋域から見た人類史
・プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの

第一部 勝者と敗者を巡る謎
第1章 一万三○○○年前のスタートライン
第2章 平和の民と戦う民の分かれ道
第3章 スペイン人とインカ帝国の激突

第二部 食料生産にまつわる謎
第4章 食料生産と征服戦争
第5章 持てるものと持たざるものの歴史
第6章 農耕を始めた人と始めなかった人
第7章 毒のないアーモンドの作り方
第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
第9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
第10章 大地の広がる方向と住民の運命
第11章 家畜がくれた死の贈り物

第三部 銃・病原菌・鉄の謎
第12章 文字をつくった人と借りた人
第13章 発明は必要の母である
第14章 平等な社会から集権的な社会へ

第四部 世界に横たわる謎
第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー
第16章 中国はいかにして中国になったのか
第17章 太平洋に広がっていった人びと
第18章 旧世界と新世界の遭遇
第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったか

エピローグ 科学としての人類史

・訳者あとがき/文庫版のためのあとがき/関連文献

     倉骨彰訳

     2012年2月/歴史科学/草思社(文庫2冊)/原書1997年/単行本:2000年草思社(上下)

     <★★★☆>

内容紹介
世界史の勢力地図は、侵略と淘汰が繰り返されるなかで幾度となく塗り替えられてきた。歴
史の勝者と敗者を分けた要因とは、銃器や金属器技術の有無、農耕収穫物や家畜の種類、
運搬・移動手段の差異、情報を伝達し保持する文字の存在など多岐にわたっている。
だが、地域によるその差を生み出した真の要因とは何だったのか?文系・理系の枠を超え
て最新の研究成果を編み上げ、まったく新しい人類史・文明史の視点を提示した知的興奮
の書。ピュリッツァー賞・コスモス国際賞受賞作。朝日新聞「ゼロ年代の50冊」第1位。

ずいぶん前に単行本で出ていたときに書評でチェックしていたがそのままになった。それが
上記のように‘第1位’ってんで、文庫になったのを幸い、買っておいたもの。
いやはや、読了にえらい時間がかかってしまった。

歴史科学なんて言い方は一般的じゃないけれど、なきゃいけないようですな。

人類の移動を皮切りに、言語、文字、栽培して収穫する植物、家畜、様々な技術などが、一
万三千年の間にどんなふうに伝わっていったか伝わっていかなかったのか、なぜ伝わらな
かったのか、なぜ開発や発明などができたのか出来なかったのか、その複雑な伝わり方で
出来た様々な違いや格差を、ごく現代に近いところまで追いかけて、解明していこうといった
考察で、猛烈にしつこくデータと理屈を積み重ねて行く。
その具体的考察に頭が下がる。
複雑とはいえ、概ね環境条件の絡み方の違いによるということなんだなぁ。


ここまで微に入り細を穿ったものはワタシとしては初めてで、時間はかかったけれど面白かっ
たです。この切り口が評価されたのは当然でしょう。
少しは世界を(まあ概ね人間社会を)見る見方が変ったかもしれないとは思う。
第二部は長いんだけれど、後半の説明に大きく寄与していることがわかる。
第四部は説得力あり。
でも、何がすごいって、人類が津々浦々まで広がっていった様子には、感嘆。アタシャその
レベル。

教科書もんでっせ。


   と、この書き込みでやっと平成24年分のメモが終わり。
   実家まで持ち帰りましてね、この本。勿論下巻を。で、最初の夜に読み終えたんでした。

中島京子/「女中譚」

イメージ 1

20121108(了)

中島京子/「女中譚」
(1964〜 )

  1)ヒモの手紙(2007年夏)
  2)すみの話(2008年春)
  3)文士のはなし(2008年冬)

  2009年/小説/単行本/朝日新聞出版/中古

  <★★★★>


連作の中編小説集で、みんな読んだことがあるような調子。
老女の回想ばなしを並べてあるという形。
文章はたいして変らないんだが、ストーリーというか、お話の流れ方が微妙に違えてある感
じ。
それかあらぬか、それぞれのおしまいには横文字がそえてある。
(1) A tribute to Hayashi Humiko's "Jochu no Tegami.″
(2) A tribute to Yoshiya Nobuko's "Tama no Hanashi.″
(3) A tribute to Nagai Kahu's "Jochu no Hanashi.″

ここらへんの有名な方々はワタシなんかにとっては「日本文学全集」の中にしかいらっしゃい
ませんで、我が家にもなぜかあったそういう全集を、中学や高校のころにエロっぽいっものを
探すためにあちこち開いて、少しは読んだ中に多分いらっしゃった。
ここだと特に永井荷風はそうだったかも。
吉屋信子や林芙美子はそうやって拾い読みした中にはいらっしゃらなかったはず。
名はよく知っていても作品なんて実質的に知らんのです、ほんと。
でも例えば谷崎の「卍」でしたっけ、これぐらいになると、とうとう全篇読んじまうなんてことも
あったけど、やっぱり子供にはエロというよりむやみに不健康というか、グロテスクに思えた
だけだったという記憶があるばかり。

この連作、やけに面白かったです。きっと年を食ったことと無関係じゃないね。
いつかは読んでみようと思っていた中島京子さん、古本屋で適当に見つけたものなんですが、
上手い!
めっちゃんこ上手い。
知らんと書くくせに上手いと分るのかといわれるかも知れんが、こらあ、上手いですよ。
大正から昭和の始めぐらいまでですか。なんかねえ、映画の書割のセットとセットみたいな。
‘tribute’の意味合いについ思いをはせます。
2003年のデビュー作が「FUTON」なんだそうで、つまり、
A tribute to Tayama Katai's "FUTON″
ちゅうわけですな。

読まんとアカンのがようけあって、読むのが遅いと来てるから、簡単に順番が回ってくるとも
思われへんのやが、この作家のもの、頭がはっきりしているうちにもう少し読んどきたい気は
確かにしてます、ハイ。
単に楽しみたいだけなんだけど、ネ。

.
kikuy1113
kikuy1113
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

過去の記事一覧

Yahoo!からのお知らせ

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事