|
昨日は、夕方から友人の誘いで日活の古めの映画(多少色モノ)
ではあるが、太宰治の晩年に取材した作品『武蔵野心中』を観る。
太宰だからとのことで声をかけてもらったのだが、
このようなレトロな映画をどこから入手してくるのだろう…。
それはともかく、
太宰役はおそらくまだ30代の濃ゆくたくましい峰岸徹、
また、主演女優は太めでどことなしか芝田山親方に似てやや日本的な
印象の顔と穏やかそうな大瀬春奈。
玉川上水での山崎富栄との入水自殺の内容を描く。
絡みシーンも雰囲気があり美しさを追求しているのが分かったが、
何よりも印象に残るのは、太宰があわせもつ退廃性とストイックさの両面性。
最後は快楽と美しささえあればよいという日常生活の一方で、
小説や文章への表現を通しての、自分の感性、
考えにだけは絶対に譲れずストイックな面を持つ。
血を吐いてまで、文章への意欲を捨てない太宰の姿に圧倒された。
また、当然パソコンがない時代なので、
吐血をした太宰が愛人に代筆をさせていたり、
かんずめ状態とはいったもののふらふらと
遊びまわっている太宰にふりまわされつつも、
あたたかく世話をする気の弱い編集者などが意外に新鮮で心に残ったりした。
また、『ヴィヨンの妻』(1947)、『斜陽』(1947)、
『人間失格』(1948)などの晩年の代表作の執筆
背景にも触れられていて、
太宰の専門家ではない私にとっては興味深かった。
|