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10月28日の産経新聞「正論」は、志方俊之帝京大教授の「北朝鮮はなぜ核実験を急いだか」というレポートである。要約してコメントしたい。
「北朝鮮は、弾道ミサイルの試射に失敗し、地下核実験も完全には成功しなかった。開発途上にあって、信頼性も低いまま、なぜあれほど事を急いだのか。理由は三つある。
第1は、米国の経済制裁が、じわじわと効いてきたこと。第2は、6カ国協議は北にとって時間稼ぎの絶好の場だが、米国との2国間協議を難しくする場でもあること。第3は、北朝鮮の国内を2分した権力闘争が、もはや制御できなくなったこと。
中国流の改革開放を金正日に進言している“開放派”の労働党文民グループと、それに反対する軍部“攘夷派”との路線闘争である。攘夷派は、中国流の改革開放に踏み切れば、全面的に中国の影響を受け、北朝鮮が中国の自治区的存在に堕ちてしまうと心配する。
北の核に、国際社会が足並みをそろえたのは、北の核を看過すれば、イランという反欧米的なイスラム教大国の核武装を可能にし、中東地域の戦略環境を一変させるからだ。イランの核は、さらに欧州へ飛び火する。北の核は、他へは飛び火しないと考えられている。
北が核武装しても、これを中ロに向けることはない。韓国は、北が同胞に核を向けないと信じている。核が米国に向けられても、政治的ジェスチャーで、軍事的なものではない。北の核武装が、現実の脅威になるのは、日本だけである。
それを受けて、わが国でも核論議が聞こえるようになった。それは核を持たずに、国際的発言力をもつには、他にどんな“力”があるかという議論を活発にしている。小切手外交も微笑外交も通用しない今日、わが国の発言力を、如何なる“力”で担保するのか。
それは、米国の核抑止力にすがりつくだけではあるまい。多数の監視衛星や電波傍受を駆使し、国家として情報を収集・分析・発信する“力”なのか。ダブルスタンダードが当り前の、諸外国を説得できる道義的な“力”なのか。
いつでも核を持つ技術的潜在“力”を持ちながら、自らの意思で核を持たない唯一の被爆国・日本の姿こそ、最大の抑止力である。核論議をすると、これを日本脅威論として逆用する動きに注意しなければならない。今ほど、わが国の発信力が問われている時はない。」
通常兵器では世界最高水準のものを持ちながら、核だけは持たない。しかし、万が一にも核攻撃されたら、必ず1週間以内に核で反撃するシステムは作っておく。夢物語かな。
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いずれにしろ、ここ1年が山場ですね。
2006/10/29(日) 午後 1:44 [ zgenech ]
ここでの論議で、見落とされている点があります、核兵器は通常兵器に比べ安価であると言うことです。ロシアはアメリカと核の上限を決めてしまったために通常兵器による競争に資金力で負けてしまったと言う話を聞いたことがあります。日本も軍事費削減のかなめとして核兵器を持つと言う議論があってもいいと思います。
2006/10/29(日) 午後 6:43 [ 太郎ともも ]
zgenechさん、コメントありがとう。ご指摘のように、日本もここが踏ん張りどころだと、私も思います。北朝鮮が暴発することは、断じてないというのが、重村早大教授の話です。
2006/10/29(日) 午後 7:52 [ kim**3hiro ]
太郎とももさん、コメントありがとう。核の問題は、核クラブの国家の特権のように考えられています。現実の問題となると、日本がその枠を越えていくのは、生易しいことではないと思うのですが。
2006/10/29(日) 午後 7:56 [ kim**3hiro ]
転載させて頂きました。拝。
2006/10/31(火) 午後 3:12
転載、歓迎です。
2006/10/31(火) 午後 4:25 [ kim**3hiro ]
松尾光太郎さん、トラックバックありがとうございます。参考になります。
2006/11/1(水) 午後 7:56 [ kim**3hiro ]