ハマスゲ

小さな日々をイメージの中に解き放ちたく

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短歌2011如月

霧雨の黒き歩道に薄き影落として真直ぐに歩く夕暮れ
 
気のごとき波長飛び交う真夜中にわれのめぐりの耳鳴りの音
 
野菜炒めの弾くる音に裡に持つ小さき不安は消えてしまえよ
 
無造作に脱ぎ捨てられし靴下をつまみてかごに入るる主婦わが
 
朝まだきマイナス気温を乱しつつ配達人の気配過ぎゆく
 
 

短歌2011如月

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  スイッチを切りし湯沸し突然に知らぬ顔する厨の隅に  
 
 少しだけ開きしままのカーテンを音たて閉むる遮断するごと
 
 迫り来て去り行く季節術もなく力を込めて背すじを伸ばす
 
 流れ行く時の一瞬生きながら顔を洗いて歯を磨きいる
 
 身めぐりに訃報続くを言いながら夫と夕餉の卓にま向かう

短歌2010師走

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特許出願中の編み方のマットです。
 
何のことはない三つ編みの変形で、古着の整理に役立っています。
 
 
短歌
 
電池にて動く時計は音もなく切り捨ててゆくこの一秒を
 
卒寿姑米寿の母に古希の夫高齢社会の先端を行く
 
折り返る裾を伸ばせば掌に畑作業の昨日こぼるる
 
血の滲む掌の痛さよりつまづきし足を見ている六十路なかばの
 
マイク持ち声張り上げて歌う時わが正体は暴露さるるや
 

短歌2010五月

  ほんのりと影を落としてテーブルの薬のビンは朝を待ちいる
 
  やわらかき曲線描くむき卵わがひと口にふわりと砕く
 
  誰も履かぬ犬の形のスリッパは並びて二匹こちら見ており
 
  ころがりし大根は薹上向きにぐんと伸ばして花咲かんとす
 
  鉛筆の尖りし芯はさりさりと足跡残し丸くなりゆく
 
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短歌20010卯月

 
爪立てて皮むく蜜柑の香はたちて部屋の空気を揺らして逃ぐる
 
久々の雨に潤う畑土の種まきせよとわれを急かする
 
口数も少なく不況を言いながら集金人は伝票を切る
 
凡々と日々足早に去りゆきてめくり忘れの暦ひらひら
 
三千円が当たればいいなと宝籤じっと番号見比べている
 
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