Kim's Room

ご無沙汰しておりますが、元気にしております。 2011.04.08 kim

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イメージ 1製作:2007年 中国/アメリカ 
原題:LUST, CAUTION / 色、戒
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン (イー)
    タン・ウェイ (ワン・チアチー(マイ夫人)
    ワン・リーホン (クァン・ユイミン)
    ジョアン・チェン (イー夫人)
    トゥオ・ツォンホァ (ウー)
    チュウ・チーイン (ライ・シュウチン)
    チン・ガーロウ (ツァオ)
    クー・ユールン (リャン・ルンション)
    ガオ・インシュアン (ホァン・レイ)
    ジョンソン・イェン (オウヤン・リンウェン(マイ氏)

ストーリー: 1942年、日本軍占領下の上海。ごく普通の女子大生チアチーは、抗日運動に心血を注ぐクァンに秘かな恋心を抱き、彼と行動を共にする中で次第に感化されていく。やがてチアチーは、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーに近づき暗殺を遂行する危険な任務を与えられる。さっそく身分を偽りイー夫人に接近し、冷徹で異常なほど用心深いイーを誘惑する機会を窺うチアチーだったが…。 allcinemaより
初公開年月:2008/02/02


R-18指定に恐れをなして自宅鑑賞を決めていたのですが、ご覧になった方の評判がすこぶる良いので待ちきれずに劇場へ…。

  みっちり濃い158分でしたね〜。 面白かったです!!


『ブロークバック・マウンテン』で厳しくも美しい自然を映し出していた、アン・リー監督と撮影のロドリゴ・プリエトが再現したオールド上海。
日本軍占領下の上海というと、かなり雑然としていたと思われるのですが、フィルムノワールを意識したという映像は、しっとりとした趣があって、スパイを主人公としたサスペンスドラマの雰囲気を盛り上げていました。

昨年公開されていた、同じく女スパイを主人公にした『ブラックブック』は、ヒロインがスパイになった動機も、対象者に対する感情も手に取るようにわかって、途中からは、裏切り者探しのエンタメ作品として楽しみました。
対して『ラスト、コーション』は、実際にあった事件をヒントにしたアイリーン・チャンの短編『色、戒』を元にしていますが、抗日の女スパイのチアチーと漢好(売国奴)の大物イー、二人の息詰まる心理戦が見所の人間ドラマでした。

158分という長尺の映画でしたが、チアチーの緊張感で、長さを感じることはありませんでしたね。
何気ない仕草のひとつひとつにも意味があるんじゃないかと、食い入るように観てしまいました。
…が、チアチーもイーも微笑の下に本心を隠し、気持ちを率直に語ることはありません。 なので、わずかな視線や表情の変化で感情を想像するしかなかったのですが……。

チアチーがスパイになったのは、抗日運動家のリーダー、クァンへの恋心が発端と思いますが、それと舞台で目覚めた演ずることの面白さ。…が、それだけで体や命を差し出すことができるのだろうか?という疑問…。
この思いは最後まであり、そのためチアチーの気持ちが掴めず、その後ずっと考えることになりました。

また、日本の傀儡政府に協力する特務機関のリーダー、イーも、いつの間にか周りに入り込んでいたチアチーの正体を知っているのか知らないのか…、彼の思惑についても最後まで考えることになりました。

ラストまで観て、結末に一応納得はしたのですが、再度最初からチアチーとイーの気持ちを考え直すと、微妙に納得できない部分が…。
そんな時、実際に起きたスパイ事件について書かれた記事にめぐり合うことができ、夢中で読んだのですが、凄く興味深いものでした。(下のMEMOにリンク)
西洋史については、洋画を沢山見るようになってから、いろいろ知識を得ることができたのですが、東洋史については、これまで興味が無くてさっぱり…。 日本人でありながら、日本が関わった近隣諸国で起きたことも知らないって、ほんと困った人です私(恥)

本作は、あくまでアイリーン・チャンの短編『色、戒』を元にしたフィクションなのですが、チアチーもイーも実際の人物に重ねることで、やっと理解できたような気がします。
が、映画は映画で、ヒールを演じても色っぽいトニーの魅力に酔えた作品だったので良かったですね^^。


以下、ネタバレを含む、私的な解釈なので反転で…

私的な結論としては、イーを演じたトニー・レオンが魅力的すぎたってことで…(笑) (そのため、色々な意味でドキドキして観れたので映画としては良かったと思います。)
イーのモデルになったと思われる人物は、小柄であざとく好色な人物で、とても女性が惚れるタイプじゃないと思います。 トニーも体重を10キロ程も落としたそうですし、劇中にレイプまがいのシーンが出てきたことからも、その人物を意識した役作りをしたと思うのですが、暗殺計画を知ったときの、なりふり構わない逃げっぷりを見てもやはり嫌いになれなかったし、というより十分魅力的だったし、映画ではチアチーもイーに対する愛情があったのだと……。 映画の原題にもある”戒”、中国語で指輪を”戒指”と言うそうですが、指輪が重要な意味を持つとなると、映画ではイーとチアチーの間にロマンスがあったと思ってよいのかな…。
一方、チアチーのモデルと思われる女スパイの本心としては、心は恋人にあり、”祖国の平和ためには、この体は豚にだってくれてやる”という心境だったと聞いて、映画を観ているときには分からなかった、スパイになるための強い意志と、恋人への強い想いを感じたのでした。 なので、映画の中でカプセルで服毒自殺をせず、仲間と銃殺刑を受けたのもわかった気がしたし、最後にクァンとみつめあったときの心情を想像すると、今更ながらこみ上げてくるものがあります……。
−−−−− ここまで −−−−−


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