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先週末から全米で公開され、3月の週末興収の記録を更新するなど大ヒットの『300(スリーハンドレッド)』ですが、イラン国内ではこの映画でのイラン人の先祖であるペルシア軍の描き方に対する反感が募っているようで、「反イランのハリウッド映画」として社会的な問題に発展しかねない状況にあるとのこと。 『300(スリーハンドレッド)』は、紀元前5世紀のペルシア戦争で、アケメネス朝ペルシアの王、クセルクセス1世率いるペルシアの大軍を、スパルタ王レオニダス率いるわずか300人の重装歩兵が迎え撃ち、一旦はペルシア軍が退却を決意するまで追い詰めながら、ギリシャ側の裏切り者の密告で背後を突かれ玉砕した「テルモピュライの戦い」を描いた作品。 アメリカ国内では、特にターゲットのフランク・ミラーの原作『300』読者の年代などは、ペルシアがイランと同一ということさえ知らなで映画を鑑賞している人も多数いるということで、イラン側が憤慨していることについて戸惑う部分もあるようですが、イラン人の中ではアケメネス王朝は歴史の中の重要なページで、世界の最も初期に記録された人権宣言を書き、奴隷制度には反対でペルセポリスが奴隷ではなく有給スタッフによって構築され、ペルセポリスを訪れたどんなイランの子供もビロードのローブの宮廷服を着ていたとして、映画で描かれている野蛮人はペルシア人ではないのだとか…。 (リンク先の『テルモピュライの戦い』のダヴィッド画を見る限りでは映画と同じ?と思ってしまいますが^^;) 娯楽作品として、出演俳優や、コミックを原作にしたストーリー、映像など、単純にこの映画を楽しみにしていた私ですが、映画の社会的な影響力に今更ながら驚いてしまった記事でした。 ■AFP BB News:映画「スリーハンドレッド」 祖先の描写に怒りを抱くイラン人 の記事をそのまま 【テヘラン/イラン 14日 AFP】ギリシャ軍とペルシア軍の残忍な戦争をテーマにし、米国で大ヒットを飛ばす映画「スリーハンドレット(300)」が、血に飢えた野蛮人として祖先を描かれたイランの人々の怒りを買っている。
■これは米国からの「心理的な戦争」 メディア、役人とブロガーは団結し、この映画を核問題で緊張する関係の中で米国により仕掛けられたイランに対する別の「心理的な戦争」だと非難している。 「ハリウッドはイラン人に対して宣戦布告を行った」改革派の日刊紙、Ayandeh-Noは見出しに、300人の兵士を率いたスパルタ王レオニダス(Leonidas)とペルシア軍が繰り広げた血なまぐさい死闘、テルモピュライ(Thermopylae)の戦いを扱ったこの映画についてこう書いている。 「この映画では、今“悪の枢軸”とされているイランが、長い間悪の源であったと人々に伝えようとしていて、現代のイラン人の祖先は醜く暴力的で無能な野蛮人に描かれている」同紙はフロントページで怒りを表にしている。 マハムード・アフマディネジャド(Mahmoud Ahmadinejad)大統領の文化アドバイザーの一人は、同映画を「イランに対する米国からの心理的な戦争」だとした。 「米国の文化担当役人はイランの歴史的過去を略奪することで精神的な満足を得られると思ったのです」半国営のファルス(FARS)通信のJavad Shamaghdariさんは語った。 3人の議員は文書で外務省に、この「反イランのハリウッド映画」の製作と上映に対して抗議した。 ■米国、ギリシャでは大ヒット 「スリーハンドレッド」はすでに米国と、当然ながら、ギリシャで良好な興行収入を記録している。 同映画がイランで公開される可能性は極めて低いが、米国の最新映画は、世界的に公開されるとほぼ同時に違法DVDで路上に出回ることはよくある。 インターネットに精通したイラン人たちはすでにオンラインで嘆願書に署名を求め、この映画に対しグーグル爆弾(Google Bomb)を仕掛け始めている。 強大なペルシア帝国を打ち破ったアレキサンダー王についての2004年の映画「アレキサンダー(Alexander)」公開の際、また、2005年に骨董品の展示会についての批評で英国の新聞が古代ペルシアを「悪の帝国」と書いた際にもイラン人が憤慨したことがあった。 |

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