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製作:1984年 イギリス 原題:CAL 監督:パット・オコナー 出演:ジョン・リンチ(キャル)、ヘレン・ミレン(マーセラ)、ドナルド・マッキャン 宗教抗争の盛んな1980年代の北アイルランド。アルスターの小さな町で、プロテスタントの迫害を受けながら父と共にひっそり働くカトリックの青年キャル。彼はやがてIRAに参加、ある男の暗殺に付き添う。そんな折、図書館で働くおなじ境遇を持つ女性マーセラに出合い、いつしか二人は愛し合うようになる。が、ある日、彼女の夫がかつて自分が殺した男と知り……。 allcinemaより やはり、カンヌ映画祭特集で観た映画。1984年、ヘレン・ミレンが女優賞を受賞しているそうです。 『ひと月の夏』、『サークル・オブ・フレンズ』、『スウィート・ノベンバー』と、好きな作品の多いパット・オコナー監督の長編デビュー作品ということで、タイトル的には知っていたのですが、やっと観ることができました。 なんですが、これがまた、”北アイルランド紛争”や、”IRA”が背景としてあり、単純に楽しむとはいかない映画で……正直参った;;; 映画の舞台となった1980年代は、北アイルランドにおいて、プロテスタントとカトリックの対立が非常に激しかった頃とか。 カトリック系住民が95%以上を占める南のアイルランド共和国と違い、イギリス領の北アイルランドでは、イギリスからの移民も多いことから、プロテスタントが多数を占める支配者階級。 カトリック教徒は、嫌がらせを受けたりリンチに遭ったりし、職業も限定されていた。(ちなみに、キャルの父親らは屠殺場で働き、キャルも農場の下働などにやっとありつける状態) そして、キャルは消極的ながらカトリック系の反英武装組織アイルランド共和軍(IRA)のメンバーでもあった。 そんなキャルが憧れる女性マーセラは、キャルと同じカトリック教徒なのだが、夫はプロテスタント。 キャルは、マーセラの夫がIRAの襲撃により殺されたこと、そしてその襲撃は自分が運転手として協力した時に起こったものだと知る。 ……と、北アイルランドにおいて、カトリック教徒がどのように迫害されていたか、それに対してIRAがどのようなテロを行っていたかを描いた作品でした。 キャルとマーセラのロマンスは、彼らカトリック教徒の生きにくさを表現するための道具のような印象なんですが、宗教戦争に巻き込まれてしまった二人を通して、内面から痛みを知ることが出来ました。 また、パット・オコナー監督作品というと、情緒豊かなしっとりした作品という印象があるのですが、本作も宗教戦争が題材なので、暴力的なシーンも入っていましたが、監督らしい作品と思いました。 ※プロテスタントとカトリック 16世紀になるとイギリスは、ローマ教皇の支配下を抜け、プロテスタント(イギリス国教会)を国教にした。アイルランドの人々は、その後もカトリックを信仰していたが、イギリス政府はアイルランドにもプロテスタント信仰を強要したため、人々の抵抗が激しくなった。 |

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