魅惑の9800円君

その後、哲学者は「何か」を知るための旅に出ます

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高画素に潜む罠(CCD編)からの続きです。
http://blogs.yahoo.co.jp/kimta9bb/13026318.html

レンズの口径と解像度

まずは、レンズの口径のお話をします。
実は、ある波長の光に対するレンズの「解像度」には限界というものがあるんです。
これはレンズの口径だけで決まる「物理的な法則」によるもので、つまり、
   「ピント合わせには限界がある」
ってことなんです。

天体観測用の望遠鏡などは、ものすごい大きな口径のものを作りますよね?
あれは、より遠くの星を精密に観測するのに必要な「解像度」を上げるためなんです。
難しく考えないで「口径が大きいほど解像度が高い」ってことを、まず覚えてください。


実際の解像度ってどのくらいなの?

天体望遠鏡のカタログを見てみると、10センチの口径のもので分解能が約1秒(=1/1000度)くらいです。
分解能っていうのは、どのくらい離れた二つのものを二つとして識別できるかってことです。
遠くにあるものは小さく見えるので「実際に離れている距離」ではなく「見える角度」で表すんですね。

では、9800円君の場合で見てみましょう。
レンズの分解能は、口径が2倍になるとだいたい2倍になります。
ということは、口径が1センチにも満たない9800円君は、分解能が10秒ちょっとです。
そのぐらいの角度がないと、2つの点を2つと識別できないってことなんですね。

10秒ってことは、角度にして1度の範囲を100個くらいに分解できることになります。
すると、標準的な50度くらいの範囲を写す場合だと、約5000個程度まで分解できることになりますね。

つまり、9800円君くらいのレンズだと、画素数だけをどんどん上げていっても、レンズの方で15〜20メガくらいに画像を分解するのが限界ということになるんですね。

しかも、
   これはレンズの精度が「完全」な場合で、
   さらに物理限界まで「完全にピントを合わせた」場合の話なのです。
さらにこれって50度の範囲を写す場合の計算なので、写る範囲が狭くなる望遠だともっと低くなります。
9800円君の望遠は105ミリ相当なので、写る範囲(約23度)で計算すると、限界がちょうど400万画素くらいでした。

なんと、9800円君の画素数は、望遠側ではすでにレンズの限界まできてたのです!!


でも広角側はまだ余裕があるってことでしょ?

それがそうでもないんです。
   カメラには絞りという機能があります。
実はこの絞りって、レンズの中央部分の狭い範囲だけを使うことになるんですね。
つまり、小さなレンズにするのと同じことになるんです。
もちろんレンズの分解能も下がります。

オートで明るいものを撮る時には、絞りはかなり小さく絞られます。
そして通常、広角側で使う時は、より小さな絞りが選ばれるように設定がされているんです。
恐らくほとんどの撮影条件で、レンズの分解能は400万画素すら下回るんじゃないでしょうか。


さて、前回のCCD編では、高画素にはいろんな不利なことがあるって話をしましたよね?
あの時、
   「でもちゃんとピントが合えば高画素な方が高精細な画像にできるんでしょ?」
な〜んて思った人いませんか?
残念ながら、
   画素をどんなに細かくしても、レンズが作り出す画像がそんなに細かくできないんです!


ケータイのカメラってどうなの?

コンパクトデジカメでそうなら、ケータイのカメラはどうなるの????
あのレンズ、2〜3ミリくらいしかないですよね?
そうなんです、あのレンズだと50度の範囲の場合で、1500程度に分解するのが限界なんですよ。
ということは、計算しやすいように1500×1000で計算すると....。
あれ? 1.5メガくらいが限界????
(※実際はケータイのカメラの写る範囲はもう少し広角です)

おいらのケータイ君を見てみると....。
レンズ3ミリくらいしかないのに、3.2メガ!!!!
Σ(゚Д゚;≡;゚д゚)!!!

それでなくてもCCDが恐ろしく小さいケータイのカメラです。
画素が増えれば増えるほど「低画質」になるのは目に見えてます。
レンズの限界を超えた、無意味な「高画素」がそんなに欲しいですか?


なぜこんなことに

確かにメーカーさんの姿勢も問われます。
いくらユーザが欲しがって、しかも高く売れるからといってね〜。
何も知らないユーザを、なんか騙してるみたいじゃありませんか?
でも、何回もいいますが、
    メーカーは売ってナンボですから〜〜!!!
そうなんです、ユーザが本当に必要な物を見極める「知識」を持たない限り、
メーカーが変わるはずなんかないんです。

ユーザが「求める物」ではなく、ユーザが「本当に必要とする物」をメーカーが作るようになるために、
一人でも多くの人に知ってもらいたいお話です。

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