次世代総合研究所・政治経済局

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五)『独立行政法人監視オンブズマン』を全国的に組織し、オンブズマン組織の代表者を審議会の専門委員や事務局員に登用せよ

今後定年退職を迎える団塊の世代の方たちは政治や行政に関する関心が高い。これらの方々の中には独立行政法人の監視をボランティアで引き受けてくれる人も多いのではないだろうか。独立行政法人以外にも殆ど実態が明らかになっていない社団・財団といった公益法人は全国に二万数千法人もある。こうした官製法人全てにメスを入れるためには少数の事務局員による監視だけでは到底無理だ。全国で十万人規模の『国民オンブズマン制度』を創設し、事業・財務内容、収入源、役員・会員構成等の監査を日常的に行えるようにする。自分の払った税金の無駄遣いを自らチェックできるシステムなので裁判員制度以上に参加意欲が生まれること請け合いだ。仮に一団体につき四人体制で調査したとして謝礼を一人一万円払ったとしても、二万数千法人の調査のために僅か十億円済む。これで膨大な補助金の無駄を抉り出せれば実に安上がりである。

六)行政事件訴訟法の原告適格要件を緩和せよ
上記のごとく公益法人まで監視の対象に入れる場合には、「公益」の範囲を緩く解釈する必要があり、行政事件訴訟法の原告適格の要件を広範に認めたほうがよい。例えば独立行政法人を迂回した場合も含め、国からの補助金が投入されている公益法人であるならば国民全てに原告適格を認める等の法改正が必要である。行政事件訴訟が頻発し、次々と法人側が敗訴したり、経営陣が経営責任を追及されるようにならぬと全国二万数千もの公益法人の監視は実効性がない。下手をすると「行政改革のための巨大官僚組織誕生」というとんでもないブラックジョークが実現してしまう。公益法人は業界内の企業に対して協賛金や賛助金といった「みかじめ料」の拠出を半ば強制しており、こうした「隠れた税金」は回りまわって製品コストに上乗せされ、消費者が負担している。こうした状態は一刻も早く脱却する必要がある。

七)省庁による個別採用を廃止せよ

 公務員は全体への奉仕者であり、所属する省ではなく国家・国民に対して忠誠を誓うべきである。
しかしながら、そもそも官僚が監督下の特殊法人、独立行政法人の整理、統合にこれほどまでに激しく抵抗するのも彼らが「省益」「局益」しか考えられない頭の構造になっているからだ。国家公務員は一括採用とするとともに一省庁に三年以上とどまるべからずとすればおのずと特定の省庁に対する「歪んだ忠誠心」が薄れるから、こうした狂気じみた抵抗運動が起こることもなく、彼らも冷静に国益を考えないとも限らない。省庁一括採用はさまざまな文脈で提案されることが多いがここでも重要な解決法のうちのひとつだ。

八)行政改革を専門分野にするジャーナリストの輩出を

 現在のところ、特殊法人、独立行政法人問題を専門としているジャーナリストは実に少ない。先述の石橋氏のほかには「ホージンのススメ-特殊法人職員の優雅で怠惰な生活日誌」(朝日新聞社)の著者である若林亜紀氏位のものだ。(この両名はともに特殊法人出身者)つまみ食い的に語れる評論家的な人物がたまにいても悲しいかな、数冊の本を読みかじっただけでは如何せん説得力に乏しい。元キャリア官僚なども含め、行政改革につき生きた言葉で語れる論者の層の厚さが必要だ。

 安倍前首相が、元内閣内政審議室長ながら民間人歴十年の的場順三氏を官房副長官にしたことは官僚組織の逆鱗に触れ、以後、重要な情報が官邸に伝わらず安倍内閣が退陣に追い込まれるひとつの原因となったといわれる。

福田内閣では、その轍を踏まぬためか町村官房長官の鶴の一声で政府の公務員制度改革に関する懇談会の最終報告書のとりまとめ時期が当初の十一月から年明けまで二カ月先送りされたり、参院予算委員会で福田首相が国家公務員のキャリア制度廃止を柱とした公務員制度改革の流れに後ろ向きな発言を再三にわたって行うなど、霞が関に対する配慮が顕著だ。
更に、国土交通省が十一月十三日に与党に示した素案では道路特定財源の一般財源化の余地が一切認められていないなど、福田内閣では改革路線そのものについても逆走し始めた観が強い。こうしてみると小泉、安倍両内閣で進められてきた政策のうち行政改革は最初に頓挫する可能性が高いだろう。

 しかし、二十一世紀の日本にとって行政改革はたかだか後ろ向きの改革に過ぎない。小泉元首相の言葉を借りればまさに「この程度の改革」ができないようではこの国の将来はお先真っ暗といえよう。


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