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私はこの樹が好きで3度くらい訪れたことがある。蔓とうまく馴染んでいてお互いに成長する特異な樹木である。ある場所も樹種もここでは必要がない。すっかり枝を下ろされその形態は哀れさを誘う。このように大きく育つにはそれ相当の年数と保つ努力が樹の内部に潜んでいる。最近こうした大木や古木が次から次へ切られたり、枝落としされている。中には残すことが惨めな樹も続出している。石垣にしがみ付き、家の隙間にへばり付き育った木々は、邪魔のものは取り除く現代気風にマッチして、必要がなくなってきているのだろうか。新たなことに興味を示し、古きことを振り返らない新たな日本人の気風はこうした風景にも無関心なのかも知れない。残念でこの樹から離れるときには振り向くことができなかった。今度訪れるときまでこの樹は存在しているのでろうか。
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