神様のボート

ボンチ、かわいいかわいい☆

本だな

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20年ほども前のことです・・・
高島屋のギャラリーで開かれた、中島潔 『源氏物語の女』展
大好きな中島さんが、大好きな源氏の女君を描く・・・!!
 
とてもとても長い時間をかけて、何周も何周も見てまわりました。
画はすべて軸装という試みでしたので、
実物のとなりに、画のメインとなる部分をアップにしたパネルが
添えられていました。
 
なにしろ、モデルの女性一人ひとりに思い入れもあるので、
一枚一枚の画を、はっきりと憶えています。
中でも朧月夜、夕顔、玉鬘、紫上が気に入って、
絵葉書を買って帰りました・・・
図録を買わなかったところを見ると、まだ子どもで、
貧乏だったようです・・・笑
 
ぜひもう一度観たい!と思い続けて来たものですが、
ふと思い立って・・・中古で画集を手に入れることができました!
 
 
表紙は、藤壺(若紫巻)です。
横顔に掛かる豊かで端正な髪の流れに対して、
袖に落ちた髪のたおやかな乱れ・・・
古典の世界では「袖」は恋の想いを象徴します。
この動きのある柔らかさが、中島さんならでは!
迷いや憂いを押し隠し、閉じ込めたような秀麗な目元に対し、
やや開き気味にした口元からは密かな想いがこぼれるようです・・・
のち、円熟の頃の紫上(胡蝶巻)の横顔が、
これに似た面差しに描かれているのが心憎い限りです。
 
妻として、女として、母として・・・
いずれの道も、自由には生きられなかった藤壺・・・
という見方もあるかもしれませんが、
私は、三様の愛と苦しみを真っ向から受け止め、
見事に生き抜いたひと・・・そう思っています。
だからこそ、永遠の、理想のひとなのだと・・・
 
 
 
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裏表紙は、葵上です。
金背景の画を前後で揃えて、画集そのものの装丁に
まとまりを持たせたものかと思います・・・
 
人形のように端麗な顔立ち、小さく結ばれた口許、
拒むように、あるいは戸惑うように伏せられた切れ長の目・・・
一糸の乱れもない黒髪・・・
声かけることをためらってしまうような表情です。
御簾の線を薄く描きいれることにより、
心に隔てを置こうとした葵上の内面を描き出しています。
 
決して冷たいだけには描かれなかった葵上に、
やはり、中島さんの優しいまなざしを感じます・・・
どこかあどけなさの残る頬からあごにかけてのふくよかな線、
戸惑いを隠しきれない寂しげな伏せた目に、
愛に恵まれず、素直な自分を知らなかった葵上の寂しさが
漂っているようです・・・
 
 
 

閉じる コメント(24)

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たくさんコメントしたいことがありますが、来週まで超多忙なので、まずは、TBをさせていただきますね。

2012/7/4(水) 午後 6:55 Shiryumr

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わんこさま
「若紫巻」は藤壺が里下がりの折源氏と2度目の契りを結んでしまう巻・・・
「若紫巻」と示されていること以外に何の説明もないのだけれど、
物思いにふける横顔と袖に掛かる髪が、藤壺の苦悩を存分に物語って、
心憎いばかりの演出です・・・!
藤壺女御は桐壺更衣の形代、紫上は藤壺の形代、浮舟は大君の形代・・・
源氏物語に出会ったのは少学4年のとき・・・当時はまるでわからなかったけど、
大人になって「紫」の意味を知ったとき、「紫の君」とはなんと残酷な名であろうかと、
胸を絞られるような思いがしたものです・・・!
『源氏物語』を『紫の物語』と愛称することがある・・・
それはヒロインを指して「紫上の物語」の意味と一般に解釈されるようですが、
私は、違うと思っている・・・この連綿と繰り返される「紫(ゆかり)」の宿命・・・
「紫の物語」とは、人びとがあくがれて止まぬ、そして悲劇を紡ぐ「縁」の物語・・・
私は、そう、思っているの・・・

2012/7/4(水) 午後 7:07 こぎG

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さて中休み、わんこさま♪
わんこさまのコメントの間に、コメくださってる鈴の助ママさんのとこ、
行ってみて〜♪鈴の助くんと夢の助くん、めちゃめちゃめちゃめちゃカワイイこぎちゃん、
2匹いるの〜〜〜♪いっつも、いっぱい笑わせてくれるよ(^-^)

2012/7/4(水) 午後 7:33 こぎG

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いいなあ〜。すてきだなあ〜・・こういうさびしそうな表情には魅力を感じてしまいます。

2012/7/4(水) 午後 10:36 あかひれおやじ

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わんこさま
私、お能の「葵上」は観たことがないんです…とても、観てみたい……!
源氏と葵の二人は、あまりに幼すぎた……
深窓の姫君として育てられた葵はひたすら、「皇太子妃」としての期待と教育だけを受け、
他の生き方、愛し方を知る術を持たなかった…
源氏は引き裂かれた藤壷のことを慕うあまり、葵と藤壷を引き比べ、葵の物足りない部分しか
見ることができなかった…
しかも源氏は、同じ過ちを、女三宮のときにもまた、繰り返している…と、私は思うのです……
様々な女君に出会い、それぞれの個性を愛した…かのように見える源氏ですが、実は、
どの女性にも、なにがしか理想のひとの面影を見出だすことに、喜びを感じていた…?
藤壷の血縁と期待する心があり貰い受けた女三宮には、理想のひとの面影はかけらもなかった…!
源氏が、葵の、女三宮の、それぞれの個性に向きあっていたなら…
もっと別の愛の形が、あったのではないかと…そもそもまず「理想ありき」で見られたんじゃ、
女の側はたまったもんじゃない!笑
……しかしそれを悟るには、源氏も幼く、また不幸でした……

2012/7/5(木) 午前 4:10 こぎG

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葵上は決して、冷たく高慢な女性なのではなく、仰るように、線の細い、
姿ばかりか心までも、お人形のように育てられて、生きた愛を受けず孤独で、とても儚いひとであったと…
懐妊の体験は、どんな女にも生きた血を通わせます…!
源氏と葵の遅すぎた通い合いは、本当に悲しく、この後流石の源氏も葵の喪があけるまで、
悔恨の涙に暮れることになるのですよね……
(だけど、いくら泣いても大人にならない源氏の君!!怒)
(そしていつの世も、女はそういう男に弱い…笑)

2012/7/5(木) 午前 4:19 こぎG

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鈴ママさま
ご覧いただきありがとうございます☆
私も、いつかもう一度原画を観たいと本当に思います…!
軸装なので、画自体はそれほど大きくないのです…
軸というのは、かけられた部屋の空間全体の中での存在感、バランスが問われるもののようで…
細部まで丁寧なタッチで描く中島さんの画は、軸装向きではないという評価もあるようで…
もちろん、構図には成功しているものも多く認められているのですが…
この2点は画の全体像が画集内部にも収められておらず、ご覧いただくことができませんでした…
だけど確かに、こうやって大きく見るのが、中島さんの画には合っているかな……♪
このシリーズ、少し続きます…またご覧になってくださいね!

2012/7/5(木) 午前 4:30 こぎG

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シルさま
TBたくさん、ありがとうございます☆
魚の襖絵は……本当に恐ろしいほどの生命力で……!
中島画伯のまさに円熟を感じました!!
私は、あんまり怖いのは………なので、この源氏シリーズくらい淡々としているのが好きなんですが笑
お言葉、楽しみにしております♪
ご多忙とのこと、お身体労ってくださいね…(^-^)

2012/7/5(木) 午前 4:35 こぎG

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あかひれさま
ありがとうございます〜☆
日本画の女性というのは、ある意味能面のように無表情というか…
だからこそ静けさの中の僅かな呟きが、画の人物の表情として溢れ出しますよね……
「静中の動」ですね……
ほんの僅かな筆の揺らぎが、淋しげな表情を静かに、存分に、伝えてくれます……

2012/7/5(木) 午前 4:41 こぎG

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ナイショさま
ゆかりご飯、私も好き〜♪
「紫の君」という呼称は、いうなれば「そっくりさん♪」と呼ばれるのと
同じこと・・・!女として、ユルセマセン!!!

源氏がそんなにも藤壺を恋い慕ったのは、
母を知らぬ悲しさゆえでもありました・・・
「母にそっくりだ」と聴かされて、母子のように、姉弟のように暮らした思い出・・・
「ゆかり」の運命に源氏を巻き込んでいったのは・・・元を正せば、
桐壺帝だったということになります。
そしてその桐壺帝もまた、源氏と同じく(本来順序が逆ですが笑)、
藤壺と源氏の間に生まれた不義の子を、それと知りつつ抱かされる運命に
見舞われています・・・(知っていた、とは明確にされていませんが)

2012/7/5(木) 午前 11:22 こぎG

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男女の、夫婦の情の通い合いの形が、現代よりもはるかに限られた平安時代の、
それも宮中での物語・・・
たとえば私の書いた中で、源氏がそれぞれの女性の「個性」とどれほど向き合う
時間や方法、なにより価値観の自由に恵まれたかどうか、測りようもないのですが、
現代の男女の、恋愛の、個人のあり方や価値観を持ちこんでも、
十分鑑賞に耐えうる・・・!
そこが、やはり名作の名作たる所以・・・ですね!

2012/7/5(木) 午前 11:22 こぎG

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こんばんは。
いろいろと素敵なコメントが記されているようですので、私は、別の視点から、中島さんのことに触れておきたいと思います。

まずは、中島潔さんと、さだまさしさんとの出会いからです。
このお二人の出会いはたいへん素敵な出会いでした。

まだ中島さんのお名前が有名になる前、ギャラリーなどに絵を飾ってもらおうと持ちこんでも断られる日々が続いていた頃のことです。
当時、解散したグレープから一人立ちされてソロ歌手となられた、さださんの「雨宿り」という歌がヒットしていました。
実は、この歌、喫茶店に飾られていた中島さんの作品「雨宿り」を見てインスピレーションを受けてつくられたものだったのです。
ある日、喫茶店から中島さんに「飾られている絵を、さださんが買いたいと言われているが、売れるか。」という連絡が入ったそうです。
これが、中島さんとさださんとの初めての出会いでした。
そして、中島さんにとって、初めて売れた絵でもあったのです。

2012/7/5(木) 午後 8:57 Shiryumr

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以後、お二人の交友が続きます。

あるとき、高熱にもかかわらず、ステージで体調のわるさなど全然感じさせずに見事に歌いきったさださんに、中島さんが「よく歌えましたね」と言うと、

さださんは、「いつも、その日限りのつもりですから」と言われたそうです。

この言葉を聞いて、中島さんも“人生が今日で終ってもいいという気持ちで、体ごと絵に思いをぶつける。絵を描いて体を壊すのなら本望だ”と思われたようです。

こういうお話を知って、お二人の芸術に接すると、またそこからは、芸術にかける気迫や信念のようなものを感じますね。

中島さんが、一連の源氏物語の作品を描き始められるまでにたいへん悩まれたこと、それを克服するために、故郷に戻り、自然の中で過ごされたこと。

そういう背景を知ると、さらに、これらの作品の深みを感じることができるように思えます。

それは、また次のコメントで…

2012/7/5(木) 午後 9:01 Shiryumr

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シルさま
ご多忙とおっしゃっておられたのに・・・ありがとうございます☆
そして、中島さんと、さださん・・・!!涙
大好きで大好きで、大好きなお二人が、芸によって結ばれたご親友であったとは!!
・・・お二方とも、九州の方ですね・・・

「いつも、その日限りのつもりですから」というさだまさしさんの言葉・・・
あぁ、まさにその通りに聴こえます!(:_;)
決して天才的なメロディメーカーなのではなく、心と命を削って描きだされるかのような
繊細で魂のこもった音楽・・・
決して歌手として恵まれた人でもなく、命の限られた細い声帯を振り絞って
届けてくれる詩と愛・・・!

中島さんが源氏作品を描くにあたり、とても苦悩されたと言うお話は、
画集に寄せられた画伯自身の辞に触れられていました・・・
故郷に戻り、自然の中で過ごされた・・・そうだったのですね・・・

2012/7/6(金) 午前 10:00 こぎG

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なにか、たまらない想いです・・・!
思い定めた出会いに、命を削って燃え尽くしたい・・・!
ずっとそう願ってきたと、思うのに・・・
思い定めることも、燃え尽きることもできぬ、才能も勇気も持たぬ、
凡人の戯言を笑ってください・・・苦笑

また次のコメント・・・楽しみにしております☆
どうぞご無理をなさいませんように・・・(でも、楽しみです笑)

2012/7/6(金) 午前 10:00 こぎG

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こんばんは。

梅雨もまもなく終り。いよいよ暑い夏が来ますね。

「風の画家」と言われる中島画伯の絵から、爽やかな夏の風や季節感を感じたいものですね。

中島画伯が描いた源氏物語について書き足したいと思います。

彼は、源氏物語の世界を描くに際して、大きな壁にぶつかったと言われています。
もともと源氏物語は、御簾の中にひきこもって十二単に身を包んで生活する“静”の世界。
ましてや源氏物語の一行どころか、紫式部がどのような人かもよく知らない、というところから出発されたそうです。

遥か昔のヴェールに包まれた源氏物語の世界をどう描いたらいいのか考えると、胃が痛く、息苦しくなって気も狂いそうなくらいだったと言われています。

2012/7/16(月) 午前 0:31 Shiryumr

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画伯は、源氏物語研究家の青山フユさんを訪ねて原文を拝聴、源氏物語のあるがままの世界に身を浸し、また、郷里の佐賀に戻って、朝夕の景色、四季の花々など自然の中でインスピレーションを得られたそうです。
彼の絵からは、時のうつろい、もののあはれ、といった源氏物語独特の世界が感じられますが、それは、原文の世界、自然の世界に身を置くことによって初めて捉えることができたものだったのです。

「どんな小さな生き物でも、生を受け、その生命を輝かせながら生きている。たとえそれがなくなっても、その輝きは失せるものではなく、まわりに残して、また次に残して行く。そんな輝く生命を描きたい」という画伯の言葉がたいへん印象に残ります。

その言葉どおり、画伯は、私たちが源氏物語を読んで感じる、千年経ってもなおいっそう輝く、ひとりひとりの登場人物のイメージを見事に捉え、描ききっていると思います。

繊細に描かれた表情、人物の命を表現するような植物の配置、鮮やかな色彩の対比など、本当に素敵な作品ばかりですね。

2012/7/16(月) 午前 0:33 Shiryumr

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シルさま
・・・その後、源氏物語五十四帖すべての絵が入った図録を、これまた激安で買えたんです・・・
青山フユさんのお話など、そこに書いてありました・・・!
源氏物語はやはり、なんといっても原文の味わいが一番!だと
私も思っています・・・
さて、このブログの源氏シリーズ・・・どうしましょうか笑

2012/7/18(水) 午後 6:30 こぎG

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夕顔の巻は、今、勉強中ですので、そのうちコメントを書かせていただきますね。次の記事を楽しみにしています。

2012/7/18(水) 午後 6:41 Shiryumr

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お勉強中とは畏れ入ってしまいます・・・
ワタクシの不勉強がバレてしまうではありませんか!笑
それでは再開させていただくことにして・・・このあと、若紫、花の宴、と
続く予定です・・・♪

2012/7/18(水) 午後 7:25 こぎG

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