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「今は亡き原子力安全委員会の速記録  その4」の続きで、第5回の分です。
 
とても長いので、重要と思われることを部分的に抜粋します。
 
*** 引用開始
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
 原子力安全委員会被ばく医療分科会 第5回ヨウ素剤検討会
日  時 平成13年12月4日(火)午後1時30分〜
**
2.放射性ヨウ素による健康への影響
  呼吸により鼻から吸入された放射性ヨウ素は呼吸気道に沈着し、気管支及び肺から体循環に迅速に移行する。また、口から吸入された放射性ヨウ素の一部は咽頭部にも沈着し、食道を経て消化管から吸入され、体循環に移行する。吸入された放射性ヨウ素の約10〜30%は、24時間以内に甲状腺に選択的に集積し、残りの大部分は主に腎臓より尿中に排泄される。また、甲状腺に集積した放射性ヨウ素は有機化され、一定期間、甲状腺内に留まる。成人の甲状腺でのヨウ素の生物学的半減期は約80日で、19歳以下の若年者では成人と比べて短い。この甲状腺に集積した放射性ヨウ素からの被ばくにより、甲状腺がんや甲状腺機能低下症が引き起こされることがある。乳幼児期から若年期にかけては甲状腺の発育増大が特に顕著であり、その甲状腺への放射線影響は成人に比べて大きい。
 2−1 甲状腺がん
 (1)広島、長崎の原爆被災者の長期にわたる疫学調査によると、被ばく後、長期間にわたり甲状腺がんの発生確率が増加することが認められている。放射性ヨウ素等の被ばくにより、甲状腺腺細胞中の遺伝情報を有するデオキシリボ核酸(DNA)が損傷を受け、その修復が不完全なために誤ったDNAの遺伝情報の発現結果として甲状腺がんが誘発される。この際、被ばくにより発症するほとんどの甲状腺がんは甲状腺腺細胞に由来する乳頭腺癌である。甲状腺がんは、病理学的には乳頭腺癌、濾胞腺癌、髄様癌、未分化癌の4つに大きく分けられるが、未分化癌以外は一般的には悪性度が高くないため、適切な治療が行われれば通常の余命を全うできる。
    広島、長崎の疫学的調査の結果によると、甲状腺外部被ばく後、生涯にわたる甲状腺がんの発生確率(生涯リスク)について、甲状腺の吸収線量が50rad(500mSv)以上の被ばく者グループ中では、
   ・発生確率は、20歳までは線量に依存して有意な増加が認められる
   ・40歳以上では、甲状腺がんの生涯リスクは消失し、放射線による影響とは
    考えられなくなるという結果が得られており、被ばく時の年齢により甲状
    腺がんの発生確率が異なることが判明している
 (2)広島、長崎の原爆被災者のデータに加え、6つの放射線治療後の甲状腺がん発生調査を総合的にまとめた大規模な疫学調査では、
   ・5歳未満での被ばくに比較して、10〜14歳での被ばくでは、その生涯
    リスクは5分の1に低下する。また、20歳以上では、1Gy以下の甲状腺
    被ばく後の甲状腺がんの発生確率は極めて低い
   ・若年時に被ばくした者の甲状腺がんの発生確率は、被ばく後15〜19
    年に最大となり、40年経過しても発生確率は残存する
   ・性別で見ると、女性は男性より甲状腺がんの発生確率は2倍近く高率である
    という結果が得られている。
 (3)チェルノブイリ事故の国際的疫学調査(集団の事故時年齢は15歳未満、その60%は5歳未満である。)において、甲状腺内部被ばくによる甲状腺がんの発生頻度については、小児において有意な増加が認められている
    また、ロシアで被ばくした者の甲状腺がんの発生確率は、18歳未満の者は成人の3倍である。
    これらの知見は、甲状腺がんは悪性度が高くなく、適切な治療が行われれば通常の余命を全うできるため、いずれの疫学調査も、死亡に基づく統計変数ではなく、罹患率に基づいて得られた解析である。特に5歳未満の幼児については、甲状腺がんの発生確率が大きいことに注意する必要がある。これは、幼児の甲状腺腺細胞の分裂が成人に比べて活発であり、放射線によるDNA損傷の修復エラーが増幅されやすいためと考えられる
    なお、チェルノブイリ事故に関しては、ヨウ素−131と甲状腺発がんリスクの事例が報告されてきたが、最近の別の研究では、甲状腺がんの発生にヨウ素−131以外の放射性ヨウ素が寄与している可能性が示唆されている
**
 (2)安定ヨウ素剤の服用時期については、放射性ヨウ素の体内摂取前または直後に服用することにより甲状腺への集積の90%以上を抑制することができる。また、既に放射性ヨウ素が摂取された後であっても、4時間以内の服用であれば約50%の抑制効果が期待できる。しかし、6時間以降であればその効果は激減すると考えられている。この放射性ヨウ素の甲状腺腺細胞への取り込みを低減させる効果は、安定ヨウ素剤服用後、1日は持続することが認められている。
**
          安定ヨウ素剤予防服用に当たって
 (1)服用決定に係る指標
    SPEEDIや緊急時モニタリングの結果と予想される放射性ヨウ素の放出期間を考慮して、放射性ヨウ素による小児甲状腺等価線量の予測線量が100mSvを超える恐れがある場合、安定ヨウ素剤の服用により回避される甲状腺の被ばく線量と安定ヨウ素剤の服用による副作用とのリスク・ベネフィットバランスを考慮しつつ、安定ヨウ素剤の服用の措置を講じる。
    なお、リスク・ベネフィットバランスよりヨウ素剤の服用により回避される甲状腺の被ばく線量が50mGyを超さない場合には、その服用は正当化されないことに留意する。
**
前川委員 8ページですが、これ、非常に重要な部分ですが、WHOが10分の1の10mGyとしたんですが、これについては10mGyにこだわらなかったということであります。最後の文章、「WHOが推奨する若年者に対するガイドラインを我が国で採用するに当たっては注意が必要である」ということではなくて、この検討会では、はっきりいえば、これを採用しなかったということですので、「採用するに当たっては慎重を要した」とか、そういうふうな言い回しの方が妥当ではないかと思います。
山下主査 おっしゃるとおりで、我々はこれを採用しなかったわけですから、これについては表現が不適切だと考えますので、事務局、考えて……
事務局(渡邉) わかりました。

**
鈴木委員 幾つか論点があるんですが、1つは、小児と大人を別な回避線量レベルで2つの防護対策をとるということが実際は非常に難しい。それで総括的、ジェネリック・インターベーションレベル、なるべく1本にしたいというのがありました。それが一つの根拠です。
 それから、10mSvからリスクがほんとに増えているのかどうかという科学的な議論がもう一つあります。これでいきますと、こう言っては何なんですが、チェルノブイリの甲状腺の線量推定はかなりあいまいなところがありまして、それほど信頼がおけないというのがあります。それを根拠にして出していくのはどうかというのが一つの考え方でした。
 同じような考え方でアメリカが50mSvを採用したとき、10mSvをとらなかったんですね。WHOの勧告を採用しなかったのもほぼ同じ考え方に基づいています。なるべくリスクとして信頼性のあるものを根拠にして、リスク・ベネフィットバランスの計算を行ったという形になっているかと思います。偶然アメリカと日本の計算が同じになっている部分があるんですが、エレーナ・ロンさんというNIHの疫学者が出したデータを中心に計算していくと、どうしても50mSvになってしまう、そういうような話かと思います。
**
宮川委員 確かにおっしゃるとおりでございます。10ページの図1、論理的にはこのとおりですが、いろんなことからコンクリート建家なども準備されておりませんし、どこで安定ヨウ素剤を配布するのかといったことも具体的に何も決まってない、青森県はそうであります。そして、そもそもヨウ素剤をいざ事故発生時には飲んでいただくという住民に対する説明会あるいはコンセンサスなども得られていない。それこそ6時間以内に飲まなければ大して効果がないと言われているものを、いざ事故が起きたとき、6時間以内に住民を集めて説明して、説得させて飲ませられるかというと、まずほとんど不可能であります。ですから、そこの部分は科学的というより、むしろ行政的な問題でありますので、ここで扱っていいのかどうか、また別な問題じゃないかなという気もするんですが、私とすれば一緒にやってくれればありがたいんですが、ここでディスカッションしても出てくる結論でないような気も逆にいたしております。
*** 引用終了
 
 
 
また、前回の続きです。
文字数の関係で、また途中14時25分以降の部分が切れていました。
慎重にコピペしたつもりですが、万一間違いがあった場合はご容赦下さい。
また地名も文科省の発表した資料や、福島県の地図を照らし合わせて
書き加えましたが、こちらも間違いがあった場合は、ご容赦下さい。
 
 
前回はこちら
   ↓
 
 
14:25  双葉町鴻草  浪江入口     15.7  μSv/h (②) 
14:27  浪江町高瀬             2.3 μSv/h (②) 6号沿
 
<南相馬市>
相馬浪江線(34)と原町浪江線(49)の交差点14:34  11.9 16:57 16.6 μSv/h(②)南相馬市原町区馬場
14:48 相馬浪江線と川俣原町線(県12)の交差点(原町区) 4.93 μSv/h (①) 
14:53 相馬浪江線と大芦鹿島線(県267)の交差点(鹿島区) 6.92 μSv/h (①) 北32-37km  267から12号へ出ると鹿島区橲原  飯館の八木沢と南相馬の境  34号線から49号線へ
15:03 鹿島日下石線 車川橋(鹿島区) 6.03μSv/h(保安院
15:08-18北北西20km  太田橋(南相馬市原町区) 
  ダスト  I-131  84   Cs-137      I-132  38    Te-132  1.9  (Bq/m3)
15:10 6号線 横手交差点(鹿島区) 5.34μSv/h(保安院
15:22 浪江鹿島線 原町と鹿島の境界 5.41μSv/h(保安院
 
2030キロ圏内>
15:47 馬場 9.35 μSv/h(①)横川ダム付近の馬場温泉 49号 南相馬市原町区馬場 北北西2123km
15:51 滝          19.8  μSv/h (①)「滝」バス停 馬場温泉近く 49号沿
15:55 滝最寄りのトンネル入り口 30  μSv/h(①)横川ダム 赤根沢トンネル 49号線
16:12 山津見神社付近   17.1 μSv/h(①) 49号沿
16:16 原浪トンネル手前  17.2 μSv/h(②) 南相馬市小高区金谷 県道49号線から国道114号へ
     南相馬(原町区片倉 北北西26-27km)の横川ダムから国道49沿い 南相馬と浪江の境へ
 
20キロ圏内>
16:20 北西20km 浪江町 昼曽根 7.78 μSv/h (②) 国道114号沿
16:2216:32 北西20km 昼曽根 
ダスト I-131  100  Cs-137  ND  I-132  260  Te-132  1.1   Bq/m3
16:41北西19km 浪江町川房大垣 大柿橋      27.3 μSv/h (②)国道114号沿
16:43北西19km 浪江町川房 沢中トンネル入り口 18.7 μSv/h (②)国道114号沿
16:43千人沢トンネル入り口         18.7 μSv/h (②)国道114号沿
16:45北西16km 浪江町室原字仲沢  30 μSv/h (②)国道114号沿
16:46北西16km 浪江町室原 堤守橋 16.9  μSv/h (②)国道114号沿
16:50第一弁慶橋     30 μSv/h (②)国道114号沿  浪江町室原(北西16km)  
17:03浪江町加倉     30 μSv/h (②)国道114号沿 (常磐線浪江駅近く)
17:04浪江町権現堂 常磐線線路上の橋 30 μSv/h (②)
 
17:00 北西5.6km    双葉町上羽鳥 41.9 μSv/h  F
西南西4.9km 大熊町大野  (県原子力センター)(保安院
17:00 5.08μSv/h(=5078nGy/h)  17:30 5.36μSv/h(=5357nGy/h)
18:00 0.62μSv/h(=619nGy/h)
18:0010  西南西4.9km 福島県原子力センター前
ダスト I-131  60  Cs-137  ND  I-132  24  Te-132  5.0   Bq/m3
 
21:00  女川原子力発電所 モニタリングポスト 8.7μSv/h  (保安院

 
原典:
①経産省 20110603019-2.pdf  ②福島県 post-20120921.pdf 
D 福島県 7houbu0311-0331.pdf
F 福島県 201103_hdose_all_tm.pdf
 
 
 
以下、すべて2011年3月13日に行われた放射能の測定結果です。
慎重にコピペないしタイプしたつもりですが、万一間違いがあった場合は
ご容赦下さい。
 
 
北北西2.8㎞ 双葉町郡山 0:00 5.41 μSv/h  (E) 1:00  14.5 μSv/h (②)
北北西3.9km  双葉町新山 0:00  359 μSv/h F)以後10:00まで300μSv/h代が続く
北西5.6km  双葉町上羽鳥 0:00 80.5 μSv/h F 1:00 73.6 μSv/h  F
北北西8.4km 浪江町浪江  1:00  38.4 μSv/h F)以後12:00まで30μSv/h代が続く
 
6:00 双葉(北・北西)   30 μSv/h(①)
6:40 浪江(北西)       10 μSv/h(①)
7:10小高(南相馬市小高区)  6  μSv/h(①)
7:23 北約24km 南相馬市  3.59  μSv/h  (D)   <20km圏外
7:30 MP-8(南方面)    5.6μSv/h
7:30 原町(南相馬市原町区)  4  μSv/h(①)
8:00  北北西2.8km 双葉町郡山 18.9 μSv/h (F
8:00-10 大気中ダスト・ヨウ素測定結果(福島県・原子力センター前)(保安院
   I-131  5.8   I-132  ND    Cs-137  ND    Te-132  1.7   Bq/m3(注)ND:未検出
西南西4.9km 大熊町大野大野局(大熊町、県原子力センター敷地内)
8:00 北西5.6km    双葉町上羽鳥 51.9 μSv/h  F
 
8:00 3号機 炉心露出  (保安院 6/6発表の炉心の状況の評価より)
8:10  2号機 格納容器ベント弁(MO弁)を25%開
8:20 北北西2.8㎞ 双葉町郡山 53.3 μSv/h  (E)
8:35  3号機 格納容器弁ベント弁(MO弁)を15%開(D/Wベント)
 
8:50 北北西20km県道浪江鹿島線太田川太田橋(南相馬市原町区)    6.99 μSv/h(①)
9:00 頃 3号機 燃料損傷開始 5/24の東京電力の解析
 
9:00 8.2km  浪江町幾世橋 13.4 μSv/hF
  北北西2.8km 双葉町郡山  70.3 μSv/h(②)
  北西5.6km  双葉町上羽鳥 50.6 μSv/hF
   南南西1.6km 大熊町夫沢 12.9 μSv/hF
9:01 県道浪江鹿島線小高区サンフーズ(南相馬市小高区) 5.25 μSv/h(①)
 
9:08頃 3号機 逃がし安全弁による原子炉圧力の急速減圧を実施。
9:16 6号線 行津交差点(南相馬市小高区) 5.89μSv/h(保安院
9:20  3号機 ベント開放
 
9:22  北 6号線知命寺交差点(浪江町幾世橋)9.59 μSv/h (②) 国道6号線と国道114号線の交差点
 
1000分頃 3号機 水素発生  (保安院 6/6発表の炉心の状況の評価より)
 
10:00  8.2km     浪江町幾世橋 10.5 μSv/hF
    北北西2.8km 双葉町郡山 11.8  μSv/hF
10:00 北西5.6km   双葉町上羽鳥 49.2 μSv/hF
10:00  西北西4.1km 双葉町山田   25.7 μSv/h(②)
10:00  南南西1.6km 大熊町夫沢  9.2  μSv/hF
10:00-10 大気中ダスト・ヨウ素測定結果(福島県・原子力センター前)(保安院
   I-131  1.5   I-132  ND    Cs-137  ND    Te-132  ND   Bq/m3
 
11:00 北西5.6km    双葉町上羽鳥 47.7 μSv/h  F
11:00  2号機 圧力抑制室ベント弁(AO弁)大弁の電磁弁を開操作実施。
    半径20km以上30km圏内の住民に対して屋内退避指示。 
        
11:42 相馬浪江線と原町浪江線の交差点(原町区) 12.7μSv/h(保安院
11:50 相馬浪江線 大穴川橋(小高区) 8.2μSv/h(保安院
11:55 相馬浪江線大富エンジニアリング前 30 μSv/h(②)県34号沿北北西19km南相馬市小高区大富
 
20km圏外>
11:58 相浪線大いちょう(南相馬市小高区)19.3 μSv/h (②)県道34号沿 11:55時点から西へ2
12:10 原町浪江線横川ダム登り口① 30 μSv/h(②)県34号沿 南相馬市原町区馬場 北北西2123km
12:13 横川ダム登り口②(ダムに近い)30 μSv/h (②)県道34号沿
 
12:00 北西5.6km  双葉町上羽鳥 46.4 μSv/h  F
12:50  女川原子力発電所 モニタリングポスト 21μSv/h10条通報  (保安院
    福島第一から100㎞   16:00   9.1 μSv/h  (#2) 
 
13:52 第一原発の周辺で1.5575 mSv/h ( 1557.5μSv/h )観測
14:00 北西5.6km  双葉町上羽鳥 42.2 μSv/h  F
14:12  北北西3.9km双葉町新山  30 μSv/h (②)
14:15  双葉町新山高万迫      30 μSv/h (②)6号沿い 双葉町新山 北西3.5km
14:16  双葉町新山牛踏    18.2  μSv/h (②)288号と6号の交差点の辺り 双葉高校近く
14:18  双葉町新山  双葉厚生病院前 30 μSv/h (②) 6号沿
14:19 双葉町長塚寺内前        30 μSv/h (②) 北北西4.1km
14:22  双葉町中田         30 μSv/h (②) 
14:25  双葉町鴻草
「今は亡き原子力安全委員会の速記録  その3」の続きで、第4回の分です。
 
とても長いので、重要と思われることを部分的に抜粋します。
 
*** 引用開始
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
  原子力安全委員会 被ばく医療分科会 ヨウ素剤検討会第4回会合 議事次第
 1.日 時:平成13年11月13日(火)13時30分〜16時30分
**
 それから、線量効果低減係数として、ヨウ素132外部被ばく、それから132、133、135の場合には1を使って、ヨウ素132、131についてはその1/3を使うという提案がされております。これは、放射性物質が1崩壊したときの放出されるβ線エネルギー、γ線エネルギーがありますが、β線エネルギーの違いをここでは加味しているのではないかと思われます。つまり、ヨウ素125とか131に対して132、133、135の出すβ線エネルギーの方が大体2〜3倍高いということになります。ただし、これらのヨウ素については、生物的半減期、物理的半減期がございまして、これを加味しますと、132とか133、135というのは、物理的半減期が非常に短いので、同じ1Bqを吸入しても甲状腺に与える影響としては低いということになっていますが、ここでは甲状腺内で1核種が1Bq崩壊したときのエネルギーを考えているのかなと考えております。
**
事務局(池内)  ちょっとつけ加えさせていただきますと、下にもちょっと書かせていただいておりますが、予測線量と申しますのは放射性ヨウ素の放出期間中ということで、原子力施設で事故が起こった場合に、ヨウ素の放出が何時間続くかも予測するわけでございまして、ここに時間の概念が入っておりまして、何時間放出するかとか、1日かもわかりませんが、放出する時間の概念を考えながら、コンクリート建家に退避して、さらに避難ができるかできないか、その間の時間を考慮しながらヨウ素剤を服用するかどうかを決めるということになると考えております。
山下主査  理論的にはそうですね。ただ、この図で一目瞭然になるような改善図というのが必要かと思いますけれども、それは事務局の方でご検討いただけますか。
事務局(池内)  はい。それとあと、前川先生がおっしゃった、この図でございますと一たん100mSv未満の地域は、風向きが変わったら100mSv以上になる可能性がございますので、その辺も配慮させていただいて、図をもう少し改良したいと思います。
**
松原安全委員  ちょっと済みませんが、甲状腺の蓄積の場合は、子供の場合は大人と違ってホルモン代謝の関係があって、非常に濃縮率が大人の甲状腺と子供の甲状腺とでは違うんじゃないかと思うんです。それはサイロキシンの生物学的な役割を考えればそうだし、個人的には私も昔ちょっと実験をやったことがあるものですから、ちょっとそれは別としまして、生物学的に考えて、成長期にある子供は非常に濃縮率が高いと思うんです。効率よくアップテークして濃縮して、しかも早く排泄しないで残留するのではないかと思うんですが、そういうデータをICRPは採用しているわけではないんでしょうか。
山口委員  ICRPとしては、動物実験であるとか、ヒトのデータであるとか、そういうものを取り入れているということで、こういうPubl.56を出していると思うんですが。
松原安全委員  Publ.50ですか。
山口委員  Publ.56に出ております。したがいまして、日本人の場合はどうなのかというのは私もちょっとよくわかりませんでしたので。
**
 服用の指示ですけれども、私ども県段階では知事から各市町村の長の方に指示を行うという形で防災計画上策定しておりますけれども、まず一番初め、最初の服用に関する指示者といたしましては、原子力災害対策本部長から原子力災害現地本部長の指示があり、そして現地本部長の指示を受けて私ども県の災害対策本部長が各市、町の災害対策本部長の方に指示をするという形の体系ということで考えており、防災計画上も記載しているという現状でございます
**
 
*** 引用終了
「今は亡き原子力安全委員会の速記録  その2」の続きで、第3回の分です。
 
とても長いので、重要と思われることを部分的に抜粋します。
 
*** 引用開始
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
原子力安全委員会 原子力施設等防災専門部会
被ばく医療分科会ヨウ素剤検討会 第3回会合
平成13年10月12日(金)
13時30分〜16時30分
**
また、3番目に書きましたように、今までのがんのリスク、すなわち放射線によって、外部被ばくですけれども、外部被ばくで甲状腺が起こるという場合には疫学データが幾つか収録されています。95年のロンらの論文が一つの大きなよりどころになっていますけれども、その結果、アンダーラインで書いていますように、5歳未満の被ばくに比し10歳から14歳被ばくではそのリスクは5分の1に軽減され、20歳以上での1Gy(100rad)以下の甲状腺被ばくでのがん発生リスクは低いというふうに結論されています。この論文の一つの特徴は、性別の差は余りありませんが、若年者、すなわち5歳未満の放射線感受性の高さが世界の疫学データで信頼足るデータのスタディーから報告されているという点であります。
4番目に、これは我々も積極的に関与していますけれども、チェルノブイリのデータではがんが増えたということは間違いない。がんが増えたものが内部被ばくであるかどうかはまだ検討の余地がありますけれども、唯一明確なことは、事故当時の年齢がほとんど15歳未満である、しかもその60%は5歳未満であるということが確認されているという事実であります。ですから、この年齢における放射線感受性というのは、3番で他施設間での検討でも証明されていますし、チェルノブイリのデータでも証明されているということであります。
**
(2)の「線量依存的な発がんリスクは明確ではない」といっているのは、チェルノブイリのような内部被ばくによった場合のというふうに断っておかないと少し混乱が生ずるような気がしますが、いかがでしょうか。
もう一つ、チェルノブイリで考えないといけないのは、単に外ばくと内部被ばくの合併があるという議論だけではなくて、I−131のような半減期が8日のもののほかに、もっと短半減期のヨウ素が多数出ていて、その甲状腺被ばくの寄与が実際は評価されていないという点が一番大きいのではないかと私は思っています。外部被ばくの場合も、線量率を下げていく、要するに、同じ線量ですけれども、ゆっくり何回かに分けて被ばくさせると、実際には傷ついたDNAが修復されながら次の被ばくを受けるということなので、発がんのリスクが下がります。それに対して短時間に幾つもDNAに傷がついた場合、それが欠損とか、部分欠質とか、あるいは転座というような形で発がんに寄与してくるということがわかっておりますので、内部被ばくをいう場合に、I−131の診断投与の方で出ていないことが必ずしも内部被ばくによる発がんを否定する根拠にはならない、ということを一言だけつけ加えさせていただきます
**
山下主査 鈴木先生、適切なコメントをありがとうございました。私もまさに2番の点は、その上に書きましたように、「放射性ヨードに起因すると考えられる甲状腺発がんのリスクを考えるに」ということで一応限定させていただいております。おっしゃるとおり、外部被ばくで線量依存的な評価は長崎、広島、さらにはロンさんのコホートの7つのスタディーでも証明されているということで、ここで明確にさせていただきたいと思います。
それから、今おっしゃいましたように、ヨード−131以外の放射線でのリスク評価をどのようにとらえるかは、非常に複雑な問題で、また困難でありますし、実際にテリリウム132とか、その他長短半減期のヨウ素類がどうなったかということについては、類測の域を出ませんが、いずれにせよ線量が高ければがんが出るという一つの前提からいくと、それが子供の場合と成人の場合では当然異なってくる
**
山口委員 それでは、「日本人におけるヨウ素摂取及び代謝状況について」まとめたものを説明します。
1枚目のところにありますのはICRPの提唱している代謝モデルで、我々が持っているコードもICRPのコンパートメントモデルに基づく線量計算モデルになっています。
ICRPがどういうモデルを提唱しているかというのを書いているのが1ページ目ですけれども、まずヨウ素については、元素状ヨウ素、ヨウ化メチル、粒子状エアロゾルというふうに分けていますが、吸入摂取した場合、呼吸器の方へ沈着したヨウ素が非常に速い速度で血液中に移行します。これは吸収のタイプFというクラスに分類されていますヨウ化メチルの場合にはもっと速くて、吸収のタイプVに分類されています。ただ、線量係数からいいますと、元素状ヨウ素が一番厳しい線量係数になっています。つまり、単位量のヨウ素を摂取した場合の被ばく線量は元素状ヨウ素が一番厳しいので、安全評価指針の中でも元素状ヨウ素に基づいた線量係数が採用されております。
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鈴木委員 これの後、WHOとIAEAの緊急被ばく医療の方の会議がありまして、平間先生と私、参加してきたんですが、そこでここの一番先にも書いてありますWHOのレパチュリさん、スケビッツさん、一番下のIAEAのツライさん、この人たちと話しました。結局、WHOの10mGyというものは、ある程度おろした形になっていまして、こういう言い方です。それぞれの国がセブラルテンmGyというような介入レベルを放射線弱者である小児、妊婦に関して考えてほしい。これは文面には出てこないんですが、具体的に彼らが裏で話し合っているのはそのような話のようです。
ほんとの意味でのサイエンティフィックなベースが余りはっきりしていないということで明確な形になっていないのかもしれませんが、小児に関しては少し低い介入レベルというものを考えるべきではないか、そういうようなベースはIAEAの人たちも合意しているようでございます
山下主査 私もこの点で一つコメントさせていただきますけれども、98年にガイドラインを策定する際に専門家としていろいろ意見を述べさせていただきましたが、基本的には10mSvに対する理論的な、科学的な根拠が非常に薄いということと、きょうも介入レベルでヨウ素剤の対象の年齢をどうするかという問題を少し提案しましたけれども、10mGy、すなわち1radでほんとにそういう介入が必要かどうかということは、今回は参加していませんが、アメリカあるいはその他の国々の方々のご意見等も踏まえまして、まだ疑問視されているというところがありますので、我々が支持できる段階では100mGy、あるいは先ほど申しましたけれども、50とか幾らか、そういうレベルでの論議をより尊重して、この検討会では100mGyを介入レベルにしたいというふうに思います
*** 引用終了
 
 
 

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