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以下、すべて2011年3月15日の動きです。
 
600分頃 4号機 原子炉建屋屋根が爆発
600分−同10分頃 2号機 圧力抑制プール付近で爆発音が発生
 
2号機の原子炉建屋のパネルの一部が、1号機の水素爆発時に吹き飛ばされていたため、
ここから猛烈なプルームが大気中へ放出されることになる。
 
福島市の3月15日付の環境放射能のデータはこちら。
       ↓
「2011年3月 事故後の福島市の汚染と大気中のヨウ素濃度を考える 」
 
 
 
(時間不明) 原子力安全委員会屋内退避中の生活」についての助言 
(要旨)建物の機密性を高め、口及び鼻をタオル等で保護。建物内へのヨウ素の侵入をいかに防止するかが重要。機密性の高い建物に避難すると、屋外に滞在するときと比べ、甲状腺線量が20分の1から70分の1に、通常の建物に避難すると4分の1から10分の1に低減。
 
 
(時間不明) 原子力安全委員会  「粉ミルク準備状況の把握」についての助言
(要旨)今後、大量のヨウ素が環境中に放出された場合の対応の一つとして、母乳で授乳している場合は粉ミルクに変更する必要が生じてくる福島、宮城、茨城の各県における粉ミルクの備蓄状況を把握することが必要。
 
 
この前日、班目委員長、久木田委員長代理及びJAEA 職員は、官邸において、菅総理、枝野官房長官らに対し、既に避難指示が出ている福島第一原発から半径20km を超える範囲に対しては、避難区域を拡大するのではなく、30km までの屋内退避とすべきである旨の進言をしている。 (国会事故調報告書
 
 
*** 2013年9月16日加筆開始
この頃、プルームが南下して東京にまで到達していて、当たり前ですが、
米軍は対応を始めています。
 
952 米軍基地で基準値超え、キャンブ外出禁止令地元へ広まる(保安院)
 
また放射能が東京に到達している証拠として、次のものがあります。
 
(時間不明)東京都世田谷区の都の関連施設の敷地で315日に採取した大気1立方メートルの浮遊物質の中からストロンチウム900.01111ベクレル検出され、検査機関が621日都に報告。(朝日 11/3報道 
 
また、福島市での汚染を裏付けるものがあります。
 
18:16 福島OFCからNSC管理環境課宛のFAX (保安院
 (内容)緊急時モニタリング結果(福島県)
「別添(4ページ)のとおり、福島第一から57㎞離れた福島市内でI-131 (2053 Bq/kg),  Cs-137 (238Bq/kg)が検出されましたので、○○に今後の緊急時モニタリングのあり方、食物飲料水等摂取制限の考え方について、助言要請が来ると思いますので、早急に検討願います。」
 
20:27 福島OFCからNSC管理環境課宛のFAX (保安院
 (内容)摂取制限関係情報(I-131,  Cs-137
「別添のとおり、福島市内の降下物調査結果がきました。(18:30採取)
  I-131   103,000 Bq/kg  > 300 Bq/kg (343)
  Cs-137    1,525 Bq/kg  > 200 Bq/kg (7.6)
  ご検討お願いします。何れ、ERCから正式助言要請が予想されます。」
 
*** 加筆終了
 
 
<当時の各自治体の状況>
 
<川俣町に避難していた双葉町>
312日の10キロ圏外への退避指示により川俣町へ避難を始めており、また安定ヨウ素剤の配布と服用について312日午後138分に国の原子力災害現地対策本部長よりFAXにて「避難所への搬入準備の状況確認と薬剤師、医師の確保に努めよ」との指示があったが、312日は対応できず、23日後(ブログ主注:31415日)の川俣町にて配布、服用した。全体分が足らず、県が準備、調合し保健師が搬入した。 特に拒絶反応などはなかった。 (災害検討ワーキンググループの文書、以下「#災害検討WG」と記述
 
<田村市・三春町・小野町・郡山市へ避難していた大熊町民>
安定ヨウ素剤の配布・服用について、国、県から配布、服用の指示はなかった。 庁舎や病院に県が整備した安定ヨウ素剤を保管しており、田村市などへ避難 する際に、町内に保管してあった安定ヨウ素剤を持って避難したが、配布・服用しなかった。三春町、小野町に避難した40歳以下の住民の一部は服用した。(#災害検討WG
 
<川内村に避難した富岡町 と 川内村>
(筆者注:富岡町は)しかしながら、翌15 11 時、福島第一原発から半径2030km圏内の屋内退避指示が出され、避難先である川内村のほぼ全域が屋内退避区域になったことから、川内村と協議した上、郡山市へ移転することを決め、3 16 日、郡山ビックパレットに移転した。  (国会事故調報告書
 
川内村は、3 12 5 44 分の福島第一原発から半径10km 圏内の避難指示を受け、対象となる富岡町から避難住民の受入れについて要請があり、村長が受入れを回答したことから、直ちに小中学校を中心に避難所の開設を行い、富岡町からの避難住民を受け入れた。同日18 25 分の福島第一原発から半径20km 圏内の避難指示を受け、村東部が避難区域となり、20km 圏外への避難を実施した。3 13 日以降、村民から原発の状況について問合せが殺到する一方、報道以外の情報の不足から村としても状況を把握できない中、前記dのとおり、富岡町長が保安院幹部から得た情報を住民に対して説明した。
3 15 11 時の福島第一原発から半径2030km の屋内退避指示を受け、川内村のほぼ全域が避難区域又は屋内退避区域に含まれることとなったことから、避難していた富岡町と協議の上、村全体として郡山市へ移転することを決め、316 日に郡山ビックパレットに移転した。 (国会事故調報告書
 
 
<富岡町民>
安定ヨウ素剤の配布・服用について、国、県からの配布、服用の指示はなかった。役場で保管管理していた安定ヨウ素剤を避難時に持ち出し、各避難所に配置した。配布を要望した住民には注意事項などを記載したパンフレットを付け、服用は自己判断を条件に配布した。(100人程度に配布) 三春町に避難した住民は、他市町村の住民と共に配布され、服用した。 (#災害検討WG
 
<南相馬市>
3 15 11 時の福島第一原発から半径2030km圏内の屋内退避指示を受け、原町地区も屋内退避圏内に入ったことから、避難を検討し、3 15 日以降、希望者に対して市外への避難誘導を実施した。南相馬市から市外に避難するには、大きく分けて、いわき方面に出るルート、仙台方面に出るルート及び飯舘・川俣方面に出るルートの三つがあるが、いわき方面に出るには福島第一原発直近を通らねばならず、仙台方面は地震・津波による被害が大きいと考えられたことから、市で調整して、多くの住民は飯舘・川俣方面に避難した。この避難経路は、結果的には、放射性物質が飛散した方向と重なることとなったが、SPEEDI 計算結果の公表がなかったこと等から、多くの南相馬市民はそれを知らないまま避難した。 (国会事故調報告書
 
南相馬市役所が避難区域に入っていないため、行政機能は移転せず。電話はほぼ不通状態であり、市庁舎の通信手段は衛星電話1台のみであった。312日午後625分に発出された20km避難指示は南相馬市内にも対象地域があるにもかかわらず、原子力災害対策本部の指示書に南相馬市の記載はなく、国、県からの指示はなかった。314日午後10時頃、駐留していた自衛隊が100km圏外への避難を呼び掛けながら撤退したことにより、市民に混乱が生じた県に確認したところ、屋内にとどまるようにとのことであったため、避難所に伝えるとともに防災行政 無線で呼び掛けた。県庁内部の意思疎通はできておらず、指示に従い避難誘導をしても避難先の 学校が聞いていないなどの対応も見受けられた。 (#災害検討WG
 
<いわき市に避難した楢葉町>
3 15 11 時の福島第一原発から半径2030km 圏内の屋内退避指示によって、いわき市の一部も屋内退避区域となり、その影響で物流が止まったこと(前記(2)c参照)、いわき市自体も津波による被災地であることなどの事情から、町が災害時相互支援協定を結んでいる会津美里町への移転を検討し、3 25 日以降、会津美里町への避難を実施した。 (国会事故調報告書
安定ヨウ素剤の配布・服用について、国、県からの配布、服用の指示はなかった。315日、町の判断で40歳未満の住民へ、服用については改めて指示することを伝え、ヨウ素剤を配布した。町から配布したものの、服用指示は出しておらず、回収していない。(#災害検討WG
 
<いわき市>
3 15 11 時の福島第一原発から半径2030km の屋内退避指示後は、いわき市のほとんどは屋内退避区域に当たらないものの、市全域で物流が止まるようになり、自主避難する住民が増えていった(以下省略)。(国会事故調報告書
 
<田村市>
その後、3 15 11 時の福島第一原発から半径2030km の屋内退避指示の際は、30km 圏内で一番人口の多い都路地区は既に避難済みであったが、その他の地区に対して、防災行政無線で屋内退避を呼びかけた。
(国会事故調報告書
 
<飯館村>
飯舘村は、3 15 11 時の福島第一原発から半径2030km 圏内の屋内退避指示を受け、村南東部の一部地区が対象となるため、屋内退避指示を出した。その後の3 21 日の水道水の摂取制限(後記5(1)f参照)以降、乳幼児のいる家庭を中心に、住民の自主避難が増加した。摂取制限の解除後、住民が村内に戻り始めたが、飯舘村全域が計画的避難区域になるとの政府の意向が伝えられ、村では住民を集めた説明会を実施し、説得に当たった。住民からは、なぜ今頃になって避難しなくてはならないのかとの厳しい声が上がったが、4 22 日、村全域が計画的避難区域に指定された。(国会事故調報告書
 
<三春町>

なお、福島第一原発周辺の幾つかの市町村は、3 15 日頃から、独自の判断で、住民に安定ヨウ素剤の配布を行っていた。例えば、三春町は、3 15 日、配布のみならず、服用の指示もした。三春町は、14 日深夜、女川原子力発電所の線量が上昇していること、翌15 日の天気予報が東風の雨で、住民の被ばくが予想されたことから、安定ヨウ素剤の配布・服用指示を決定し、同日13 時、防災無線等で町民に周知を行い、町の薬剤師の立ち会いの下、対象者の約95%に対し、安定ヨウ素剤の配布を行った。なお、三春町が国・県の指示なく安定ヨウ素剤の配布・服用指示をしていることを知った福島県保健福祉部地域医療課の職員は、同日夕方、三春町に対し、国からの指示がないことを理由に配布中止と回収の指示を出したが、三春町は、これに従わなかった。(国会事故調報告書

 
 
 
以下、すべて2011年3月14日の動きです。
 
430分 原子力安全委員会 「ERC医療班状況報告⑯の内容について」の助言
  4ページ、下から3行目、「13,000cpmを超えた者が30数名。その後除染。除染後再計測して低い数値だったため診療せず避難所へ戻る。13,000cpmは独自の基準3/14以降は100,000cpmまで上げて対応(県立医科大の判断)」との記述があります。GMサーベイメータによる13,000cpmはおよそ表面積汚染密度40Bq/cm²にあたるものと思われますが、この数値がすべて内部被ばくのヨウ素によるものとすると、安定ヨウ素剤投与の基準値となる等価線量約100mSvに相当します。よって、スクリーニングにおける基準値は、100,000cpmまで上げず、現行のまま13,000cpmに据え置いた方が良いと考えられます

 
 
国会事故調の報告書より
安全委員会は、14 日未明、ERC 医療班からの報告によって、福島県のスクリーニングレベル引上げの意向を知り、検討を行った結果、1 3,000cpm が全て内部被ばくのヨウ素によるものとすると、安定ヨウ素剤投与の基準値となる等価線量100mSv に相当するとして、同日4 30 分、ERC に対し、「スクリーニングの基準値は、10 cpm に上げず、現行のまま1 3,000cpm に据え置いた方がよい。」との助言を行ったが、福島県は、なお10 cpmを基準とする運用を続けた。
 
 

11:01 3号機 原子炉建屋が水素爆発
 
17:51(配信時間)産経新聞3/14の報道
   水素爆発が起きたことを受け、薬品メーカーの日医工(富山市)は、14日に
   福島県に甲状腺がんなどを予防するための医療用医薬品「ヨウ化カリウム」
   約25万人分を発送したと発表した。同社はこれとは別に、約80万人分のヨウ
   化カリウムの在庫を確保しているおり、今後も当局と協議しながら被災地を
   中心に計画的な供給を行う方針。また、さらなる緊急事態に備え、増産体制に
   も入ったという。
 
 
国会事故調の報告書より
福島第一・第二周辺の6町は、合計136000錠を備蓄していた。
また、県は、旅行者等の滞在者用として大熊町の環境医学研究所に6 8,000錠の安定ヨウ素剤を備蓄していたほか、ERC 等を通じて安定ヨウ素剤の確保を要請し、ヨウ素剤大手メーカーや茨城県から、約136 万錠を入手した。県は、3 14 日、原発から約50km 圏内の全ての自治体に安定ヨウ素剤を配布することを検討し、対象地域の40 歳未満の住民一人当たり2 錠を各市町村に配布することを決定した。浜通りと中通り地区を対象に、3 20 日までに、錠剤だけで約100 万錠の安定ヨウ素剤を各市町村に配布した。

 
以上、2011年3月14日の動きでした。
 
 
 
以下、すべて2011年3月13日の政府と福島県の動きです。
 
政府の緊急災害対策本部は、「安定ヨウ素剤を服用した方がいいさせる」という原子力安全委員会の
助言を、受けていないとかファックスは届かなかったと言い訳しているものの、前日に1号機が水素爆発を
起こして、避難中の人たちの中に実際被曝した方々が出ている状況で、政府や福島県の原子力関係の
担当者たちが、安定ヨウ素剤について関心を持たないはずがありません。
 
その中での次の政府と福島県の行動は、本当に不可解です。ただはっきり言えることは、
政府と福島県それぞれによって、安定ヨウ素剤を服用する機会を奪われた、ということです。
 
 
3月13日未明
原子力安全委員会が政府の緊急災害対策本部に電話で助言。安全委の助言組織メンバーの鈴木元・国際医療福祉大クリニック院長は体表面汚染が1万cpm(体の表面にくっついた放射性物質から1分間に出る放射線の数を測った数値)以上の住民は服用した方がいいというコメントを2、3回送った」(朝日新聞 10/26報道)
 
9:30  原災法に基づき、福島県知事・大熊町長・双葉町長・富岡町長・浪江町長に
   対し、放射能除染スクリーニングの内容について指示(保安院)
    この指示は、原子力安全委員会が加筆した安定ヨウ素剤の投与を含まない
   内容で、福島県と関係自治体に出されている。(9/29 参議院予算委員会)

 
  原子力安全委員会の助言が反映された「指示(案)」の文章>
  ヒトの放射能スクリーニングの実施にあたっては、現時点で主たる線量を与える
  核種が、ヨウ素131、セシウム137であると考えられることに鑑み、当面γ線サー
  ベイメータにより10,000cpmを基準として除染及び安定ヨウ素剤の服用を実施
  することヨウ素剤の服用について小児に対しては防災マニュアルを参照の上、
  ヨードシロップを服用させること。また、40歳以上のヒトについては本人が希望
  する場合に限って安定ヨウ素剤を服用させること。
 
 
<事故前のスクリーニングレベル>   国会事故調報告書より
福島県は、住民のスクリーニングレベル(全身除染の基準)について、(中略)平成16 年度に県独自に策定した「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」において、スクリーニングレベルを40Bq/㎠と定めていた。福島県では、当初、この値を1 3,000cpm(回/分)に相当するものとして、1 3,000cpm を全身除染の基準値としていた
 
 
<事故後のスクリーニングレベルの引上げ> 国会事故調報告書より
オフサイトセンターの現地対策本部は、(中略)3 13 午前ERC に対し、40Bq/㎠又は6,000cpmという基準値について意見照会した。ERC は、安全委員会にコメントを要請し、安全委員会は、6,000cpm 1 cpmに修正すべきことに加え、1 cpm を超えた者には安定ヨウ素剤を投与すべきことを記したコメントをERC に送付した。しかし、このコメントは、ERC から現地対策本部には伝わらず、若干の字句の修正を除き、現地対策本部意見のままでよいとするコメントが伝えられることとなった
 
 
<独断でスクリーニング基準を引き上げた福島県>  国会事故調報告書より 
3 13 日に緊急被ばく医療派遣チームとして福島県を訪れた放射線医学の専門家ら(筆者注:福井大学、広島大学及び放医研から派遣を受けた)は、スクリーニングを担当する福島県地域医療課から、スクリーニング方法に関するアドバイスを求められた。同専門家らは、検討の結果、断水が続いていて除染に必要な水が不足していたこと、夜間の気温は氷点下であり、特に病人等を屋外で除染するのは危険であったこと、少ない職員で迅速に対応する必要があったことなどから、通常の方法でスクリーニング及び全身除染を実施することは困難と判断し、「福島バージョン」のスクリーニング及び全身除染の検討を行い、福島県地域医療課に提言した。その提言の一つとして、スクリーニングレベルを、IAEA の「放射線緊急事態の初期対応者へのマニュアル」が一般住民の体表面汚染に対するスクリーニングレベルとして定めていた1μSv/h(体表面から10cm 離れた場所での線量率)に相当する8310 cpmに引き上げるとの提言を行った。福島県は、前記の現地対策本部長の指示があるにもかかわらず、この提言を受け入れ、14 日以降、全身除染のスクリーニングレベルを10 cpm とすることを決定した。なお、福島県立医科大学では、3 12 日から、病院を訪れる患者に対して独自にスクリーニングを行っていたが、やはり水の不足等の理由から10cpmをスクリーニングレベルとする運用を既に行っており、この点も、福島県がスクリーニングレベルを10 cpm に上げる際に考慮された。

 
 
<福島県保健福祉部 発表>  福島県HPより
 
スクリーニング(検査)の基準  
1)内容 全身除染を行う場合のスクリーニングレベルを100,000cpmとする。なお、13,000cpm以上、100,000cpm未満の数値が検出された場合には、部分的な拭き取り除染を行うものとする。適用日は、平成23314からとする。
2)理由 平成23313日、文部科学省から本県に派遣された被ばく医療の専門家(広島大学谷川教授、福井大学寺沢教授等)及び放射線医学総合研究所研究員の意見、さらに、福島県立医科大学の取り扱いを踏まえ、設定するもの。
 
 
 
以上、すべて2011年3月13日の政府と福島県の動きでした。
福島県が採用した100,000cpmという数字は、驚くべき数字です。
    ↓
<保安院の文書(ERCスタッフ宛のFAX 201131511:05送信)>
100,000cpmの汚染を全身に受けた場合、最大被ばくを算出するに、甲状腺感受性が高く接種率の高い1歳児換算で甲状腺等価線量は769mSvと推測される。
 
 
 
<私の感想>
当時の政府内に被曝の専門家は大勢いたはずで、専門家であれば、福島県が
採用した100,000cpmが、1歳児換算で769msvで、安定ヨウ素剤服用の100mSvを
はるかに上回っていることを知っていたのに、なぜ声をあげなかったのでしょうか。
 
それに福島県立医大は、13日の段階でスクリーニングについて県にアドバイス
しているのに、なぜ安定ヨウ素剤の服用については、アドバイスしなかったのか
本当に不思議でなりません。その後、福島県立医大は所属する医師や看護師には
安定ヨウ素剤を服用させておいて、その段階でも県に住民にも安定ヨウ素剤を
服用させるべきとアドバイスすることができたのに、それをしなかったのは
納得できません。
 
福島県については、折角送られていたSPEEDI予測図を削除したり、県知事の
判断でも安定ヨウ素剤を飲ませることができたのに、それをしなかったなど
本当に不可解なことが多すぎます。
 
 
私の考えは、2011年の時点で原発事故自体は、どうにもならなかったが、人を遠くへ
逃がすこともできたし、安定ヨウ素剤も飲ませることができたのに、菅内閣も福島県も
住民を見殺しにした、です。
 
もともと、日本の防災基準で、原子力災害が起きたときの避難基準が、アメリカのスリー
マイル島原発事故が起きた直後に決められたもので、その後チェルノブイリ原発事故が
起きたのにもかかわらず、避難基準を見直さずに、安定ヨウ素剤の服用基準を決めた
だけで終わってしまったため、S55年のド古い基準が福島原発事故に適用されてしまった
ことが、すべての原因だと思っています。
 
では、事故当初、菅内閣がどのように対応したのか、時系列でみていきたいと思います。
 
<事故発生前の安定ヨウ素剤の備蓄状況> −政府事故調の報告書より
・広野町、楢葉町、富岡町、大熊町、双葉町、浪江町の6
「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」に基づき、EPZ(防災計画を重点的に充実させるべき地域の範囲で10km 圏内の地域)の服用対象(40 歳未満)人口の3 回分に相当する合計13 6,000 錠の安定ヨウ素剤を事前に備蓄
・いわき市、郡山市(EPZ外)…独自に安定ヨウ素剤を備蓄
・福島県…旅行者等の滞在者用として大熊町の環境医学研究所に6 8,000錠の安定ヨウ素剤を備蓄

 
 
2011年3月12日
008 大熊町、双葉町 安定ヨウ素剤準備完了 (保安院)
 
1:42 (保安院が)安全委員会と会議(F1格納容器ベントをすることは同意。それにあたり、避難区域を見直さないことについても了解。若年層の安定ヨウ素剤の投与→投与する段階には至っていない。投与する段階に至ったとしても、服用より遠方への避難を優先するべし。) (保安院)
 
(早朝の首相視察により午前3時のベントが延期)
 
544 半径10km圏内の住民に避難指示
 
643分 官房副長官より 緊急被曝医療をすすめよとの指示 (保安院)
 
1228 福1  1号機 ベントは進まないのか、進まなかったらどうするのか。最悪どういう状態になるのか。ここまでか。次の会議までに示してくれ。風向、モニタリングの状況を連絡してくれ。 (保安院)
 
1315 現地対策本部 県及び関係町(大熊町、双葉町、富岡町、浪江町)の首長に対し、「ヨウ素剤投与が決定された場合に備え避難所への安定ヨウ素剤の搬入準備の状況を確認するとともに、薬剤師や医師の確保に努めること」との指示文書を発出。(国会事故調
 
1536 1号機 原子炉建屋 水素爆発
1825 政府 半径20km圏内住民に対する退避を指示 
1847 内閣府で物資輸送を工面、よう素剤の輸送と官邸○○から連絡。(保安院)
1858 よう素剤輸送の現地保健所の担当者の名前を内閣府に連絡。(保安院)

 
2125 自衛隊より以下連絡。よう素剤の運搬について22:30勝田自衛隊施設発→23:10福島空港着の予定、受け取りの者を質問(確認中)。水戸〜勝田までの搬送ルートも確認依頼。(保安院)
 
22:25 被ばく情報(県より)。避難中の方90人のうち3人をサーベイしたところ10万カウント/の人がいた。広域に被曝の可能性があるが対象者は広すぎて把握不可。フタバ町から南相馬市に避難中のうち3人が被ばく(10万、4万、3万←「除染が必要なレベルの被ばく」との報道があり)→対応:サーベイ等を集約して行える場所が必要、可能性のある方への周知が必要。除染等ができるメンバーが必要。(保安院

 
<事故前のスクリーニングレベル> −政府事故調の報告書より
福島県は、住民のスクリーニングレベル(全身除染の基準)について、平成13 6 月に安全委員会が作成した「緊急被ばく医療のあり方について」を基に平成16 年度に県独自に策定した「福島県緊急被ばく医療活動マニュアル」において、スクリーニングレベルを40Bq/㎠と定めていた。福島県では、当初、この値を1 3,000cpm(回/分)に相当するものとして、1 3,000cpm を全身除染の基準値としていた

 
以上、2011年3月12日分終わり。
 
3月12日は安定ヨウ素剤を服用させる体制を整えようとしていたのだが、どういう訳か
3月13日以降、政府と福島県は、それぞれ、おかしな行動をとり始めることになる。
 
次回につづく
 
 
「今は亡き原子力安全委員会の速記録  その4」の続きで、第5回の分です。
 
とても長いので、重要と思われることを部分的に抜粋します。
 
*** 引用開始
(注:この速記録の発言内容については、発言者のチェックを受けたものではありません)
 原子力安全委員会被ばく医療分科会 第5回ヨウ素剤検討会
日  時 平成13年12月4日(火)午後1時30分〜
**
2.放射性ヨウ素による健康への影響
  呼吸により鼻から吸入された放射性ヨウ素は呼吸気道に沈着し、気管支及び肺から体循環に迅速に移行する。また、口から吸入された放射性ヨウ素の一部は咽頭部にも沈着し、食道を経て消化管から吸入され、体循環に移行する。吸入された放射性ヨウ素の約10〜30%は、24時間以内に甲状腺に選択的に集積し、残りの大部分は主に腎臓より尿中に排泄される。また、甲状腺に集積した放射性ヨウ素は有機化され、一定期間、甲状腺内に留まる。成人の甲状腺でのヨウ素の生物学的半減期は約80日で、19歳以下の若年者では成人と比べて短い。この甲状腺に集積した放射性ヨウ素からの被ばくにより、甲状腺がんや甲状腺機能低下症が引き起こされることがある。乳幼児期から若年期にかけては甲状腺の発育増大が特に顕著であり、その甲状腺への放射線影響は成人に比べて大きい。
 2−1 甲状腺がん
 (1)広島、長崎の原爆被災者の長期にわたる疫学調査によると、被ばく後、長期間にわたり甲状腺がんの発生確率が増加することが認められている。放射性ヨウ素等の被ばくにより、甲状腺腺細胞中の遺伝情報を有するデオキシリボ核酸(DNA)が損傷を受け、その修復が不完全なために誤ったDNAの遺伝情報の発現結果として甲状腺がんが誘発される。この際、被ばくにより発症するほとんどの甲状腺がんは甲状腺腺細胞に由来する乳頭腺癌である。甲状腺がんは、病理学的には乳頭腺癌、濾胞腺癌、髄様癌、未分化癌の4つに大きく分けられるが、未分化癌以外は一般的には悪性度が高くないため、適切な治療が行われれば通常の余命を全うできる。
    広島、長崎の疫学的調査の結果によると、甲状腺外部被ばく後、生涯にわたる甲状腺がんの発生確率(生涯リスク)について、甲状腺の吸収線量が50rad(500mSv)以上の被ばく者グループ中では、
   ・発生確率は、20歳までは線量に依存して有意な増加が認められる
   ・40歳以上では、甲状腺がんの生涯リスクは消失し、放射線による影響とは
    考えられなくなるという結果が得られており、被ばく時の年齢により甲状
    腺がんの発生確率が異なることが判明している
 (2)広島、長崎の原爆被災者のデータに加え、6つの放射線治療後の甲状腺がん発生調査を総合的にまとめた大規模な疫学調査では、
   ・5歳未満での被ばくに比較して、10〜14歳での被ばくでは、その生涯
    リスクは5分の1に低下する。また、20歳以上では、1Gy以下の甲状腺
    被ばく後の甲状腺がんの発生確率は極めて低い
   ・若年時に被ばくした者の甲状腺がんの発生確率は、被ばく後15〜19
    年に最大となり、40年経過しても発生確率は残存する
   ・性別で見ると、女性は男性より甲状腺がんの発生確率は2倍近く高率である
    という結果が得られている。
 (3)チェルノブイリ事故の国際的疫学調査(集団の事故時年齢は15歳未満、その60%は5歳未満である。)において、甲状腺内部被ばくによる甲状腺がんの発生頻度については、小児において有意な増加が認められている
    また、ロシアで被ばくした者の甲状腺がんの発生確率は、18歳未満の者は成人の3倍である。
    これらの知見は、甲状腺がんは悪性度が高くなく、適切な治療が行われれば通常の余命を全うできるため、いずれの疫学調査も、死亡に基づく統計変数ではなく、罹患率に基づいて得られた解析である。特に5歳未満の幼児については、甲状腺がんの発生確率が大きいことに注意する必要がある。これは、幼児の甲状腺腺細胞の分裂が成人に比べて活発であり、放射線によるDNA損傷の修復エラーが増幅されやすいためと考えられる
    なお、チェルノブイリ事故に関しては、ヨウ素−131と甲状腺発がんリスクの事例が報告されてきたが、最近の別の研究では、甲状腺がんの発生にヨウ素−131以外の放射性ヨウ素が寄与している可能性が示唆されている
**
 (2)安定ヨウ素剤の服用時期については、放射性ヨウ素の体内摂取前または直後に服用することにより甲状腺への集積の90%以上を抑制することができる。また、既に放射性ヨウ素が摂取された後であっても、4時間以内の服用であれば約50%の抑制効果が期待できる。しかし、6時間以降であればその効果は激減すると考えられている。この放射性ヨウ素の甲状腺腺細胞への取り込みを低減させる効果は、安定ヨウ素剤服用後、1日は持続することが認められている。
**
          安定ヨウ素剤予防服用に当たって
 (1)服用決定に係る指標
    SPEEDIや緊急時モニタリングの結果と予想される放射性ヨウ素の放出期間を考慮して、放射性ヨウ素による小児甲状腺等価線量の予測線量が100mSvを超える恐れがある場合、安定ヨウ素剤の服用により回避される甲状腺の被ばく線量と安定ヨウ素剤の服用による副作用とのリスク・ベネフィットバランスを考慮しつつ、安定ヨウ素剤の服用の措置を講じる。
    なお、リスク・ベネフィットバランスよりヨウ素剤の服用により回避される甲状腺の被ばく線量が50mGyを超さない場合には、その服用は正当化されないことに留意する。
**
前川委員 8ページですが、これ、非常に重要な部分ですが、WHOが10分の1の10mGyとしたんですが、これについては10mGyにこだわらなかったということであります。最後の文章、「WHOが推奨する若年者に対するガイドラインを我が国で採用するに当たっては注意が必要である」ということではなくて、この検討会では、はっきりいえば、これを採用しなかったということですので、「採用するに当たっては慎重を要した」とか、そういうふうな言い回しの方が妥当ではないかと思います。
山下主査 おっしゃるとおりで、我々はこれを採用しなかったわけですから、これについては表現が不適切だと考えますので、事務局、考えて……
事務局(渡邉) わかりました。

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鈴木委員 幾つか論点があるんですが、1つは、小児と大人を別な回避線量レベルで2つの防護対策をとるということが実際は非常に難しい。それで総括的、ジェネリック・インターベーションレベル、なるべく1本にしたいというのがありました。それが一つの根拠です。
 それから、10mSvからリスクがほんとに増えているのかどうかという科学的な議論がもう一つあります。これでいきますと、こう言っては何なんですが、チェルノブイリの甲状腺の線量推定はかなりあいまいなところがありまして、それほど信頼がおけないというのがあります。それを根拠にして出していくのはどうかというのが一つの考え方でした。
 同じような考え方でアメリカが50mSvを採用したとき、10mSvをとらなかったんですね。WHOの勧告を採用しなかったのもほぼ同じ考え方に基づいています。なるべくリスクとして信頼性のあるものを根拠にして、リスク・ベネフィットバランスの計算を行ったという形になっているかと思います。偶然アメリカと日本の計算が同じになっている部分があるんですが、エレーナ・ロンさんというNIHの疫学者が出したデータを中心に計算していくと、どうしても50mSvになってしまう、そういうような話かと思います。
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宮川委員 確かにおっしゃるとおりでございます。10ページの図1、論理的にはこのとおりですが、いろんなことからコンクリート建家なども準備されておりませんし、どこで安定ヨウ素剤を配布するのかといったことも具体的に何も決まってない、青森県はそうであります。そして、そもそもヨウ素剤をいざ事故発生時には飲んでいただくという住民に対する説明会あるいはコンセンサスなども得られていない。それこそ6時間以内に飲まなければ大して効果がないと言われているものを、いざ事故が起きたとき、6時間以内に住民を集めて説明して、説得させて飲ませられるかというと、まずほとんど不可能であります。ですから、そこの部分は科学的というより、むしろ行政的な問題でありますので、ここで扱っていいのかどうか、また別な問題じゃないかなという気もするんですが、私とすれば一緒にやってくれればありがたいんですが、ここでディスカッションしても出てくる結論でないような気も逆にいたしております。
*** 引用終了
 
 
 

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