野田首相はこの件に関して「強いリーダーシップ」を発揮しなければならなくなっているのですが、TPP交渉参加をめぐる国内議論はほぼ真っ二つに割れたままです。それより、菅前内閣当初からの案件であるTPP交渉参加に対する議論を「今更」指示することに違和感を覚えます。 私は現状でのTPP参加には反対です。 ・民主党政権の交渉力を信用していない。 ・国内における景気対策が「一つも」無い(円高抑止策・内需拡大策が存在していない) ・経団連・マスメディアの論調に疑問がある(外需拡大・農業問題) ・TPPの中核は日米関係に収束される問題に占められている。 ・TPP参加で「日本が豊かになる」保障がない。(農業のみならず、製造業における「日本人雇用」や社会保障制度の見直し、金融業自由化など、社会的リスクに対する答えが無い。) まとめると、関与組織に対する不信感、及び、政策的なリスク管理(予想されるTPP参加デメリット回避の議論)が語られないことが理由ですね。 「乗り遅れたら日本経済は立ち直れなくなる」という宗教じみた大衆扇動というのは「原発安全神話」のソレとまったく同じで、むしろ忌避すべき論でしかありません。乗り込んだ船が国民によっては泥舟になることをまったく推進者は語っていないのですから。 政府にはこのことを念頭に、「説得」を始めなければならない時期のはずなのですが、タイムスケジュールを軽視しているからか、一向に「説得」が始まる様子はないですね。こんな遅々とした対応を見せ付けられては、交渉参加自体に反対せざるを得ないじゃないですか。もうね、菅前首相の頃には大勢は決した問題だと認識しています。 大体民主党自体がまとまっていないでしょ。
この記事内にある「慎重に考える会」というのは、ほぼ100%民主党の議員が占めていまして、この記事自体が民主党の内部分裂を示しています。党内コンセンサスが存在していないといいますか、政府が推進を念頭に課題とするには、時期尚早。結局は野党の反対・国民の反対以前に、民主党内で議論するだけでも結論には至らない問題であることの証明でしかないと思います。
現にTPP交渉参加国同士ですら揉めており、続く絵すら描けていません(そりゃそうでしょ)。経済規模が殆ど等しい国同士のFTAですら、細部に問題が生じるわけで、TPPクラスの多国間協議になれば、国家間の関税障壁撤廃によって発生するリスクというのは予想可能であるからです。 どうしても自由化したいアメリカを除いて、参加国に条件無しでの協定参加など不可能なんですよ。
震災と円高で、国内産業が減退している日本としては、焦って結論を出す必要はどこにもありません。日本無しでのTPPというのは逆にTPP参加の魅力(うまみ)が、ほとんど無いものになりかねませんからね。少なくとも政権交代するくらいは時間の余裕があるんじゃないでしょうか。 あまり語られることもないので、TPPの戦略的な位置づけについて考えてみたのですが、経済における関税障壁の(部分的であれ)撤廃が仮に成功したなら、参加国におけるカネ・人・モノの移動が自由化します。これは発展を続ける中国経済に対する対抗策であると同時に、増強し続ける中国様の軍事的脅威に対抗する戦略的意味を持ちます。 推進国であるアメリカ視点で考えるなら、ほとんど限界を迎えた極東地域での軍事活動への民意を尊重した上で、それに変わるものとして、TPP参加国経済圏による出資で、米軍活動が保障されるシステム構築の最初の一歩としてTPPは捉えられているんじゃないかと考えているんですよね。 仮にそうであるなら、アメリカは、日本の協定参加を「自国の国益の為に」待つしかないわけです。政治的圧力もあるとは思うのですが(オバマ大統領の任期もあるので)、長期的なビジョンに立つことができるなら、TPP参加自体のメリットは認められるのですから、最初に掲げた反対理由の答えが出せる政権になら、TPP問題を委ねても良いとは考えています。 それにしても、政府・マスメディア・経団連など、推進派は露骨すぎるんですよ。 問題の社会に与える結果の大きさから言うなら、そんなに簡単に決められるものでもないのです。説明・説得不足は、TPP参加議論自体を駄目にしかねませんよ。是非再考を願いたいものですね。 ※関連記事※
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自家転載
2011/11/3(木) 午前 8:02