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雛とりのママに、
人形の事を聞かれちゃった。
若かりし頃、花柳界で生きてきたママは、
飲んでいる時には、
家庭や子供を思い出させるのは、
ご法度だったそうで、
スピーク・イージーに来て、
そこらじゅうに置いてある、ぬいぐるみを見て、
「心理学的に意味があるの?」って。
私たちは、お客さんが持ってきてくれるがまま、
何の疑問も持たずに置いてあって、
時にはお客さんに抱っこしてもらったりして、
いい感じだった。
ああいうやわらかい物に触るのって、
心がやすらぐのよね。
そりやぁさ、
人間の、それも異性の肌の方がいいに決まっているけど。
ここではさ、
みんなにそのやわらかさを思い出してもらって、
生身の人間に目が行くように、
置いてあるの(ウソだけど)。
お店には、何故か独身男性が多くって、
みんな気がかりな男の子ばかり。
スピーク・イージーが終わったら、
本当に彼女を作って、
結婚してもらいたい人がたくさんいるんだ。
本当にみんな気が優しくて、
穏やかで、いい男性ばかりなのに。
なかなか出会うチャンスがないの。
金曜日、
単身赴任君が来てくれて、
前の赴任先の四国時代のように、
時間があったら、
もっともっとこの店に来たと思う。
って、言ってくれて、
体中に温かい血液が流れるような、
そんなうれしい気持ちになりました。
あなたも、もしかしたら、
この店が、好きでいてくれたんだね。
最後の夜。
想像するのがコワイけど、
スピーク・イージーらしく、
終わりたいな。
みんなのさなえちゃんと、
ずっとお店を支えてくれたまきちゃん、
途中嫌な思いをしたにも係らず、
変わらぬ笑顔で、いつも扉をあけてくれたよね。
今回、困って声をかけたら、
二つ返事で来てくれたチヅルちゃん。
「よっしゃ〜っ、まかせとき、
何でも言ってください」って、
今は、決まっている時間よりも、ずっと早く来て、
何も言わず、仕込からやってくれている。
苦手なタバコの煙の中で、
男性諸君に戸惑いながらも、
優しく、みんなに、
これからの道を導いてくれたけいさん。
キラキラのりちゃんは残念ながら2日が最後だけど、
「ママのためなら」って、
仕事が休みのたんびに上京してくれて、
私も、本当に、楽しかった。
この間、キューちゃんが、初めてノリチャンに会って、
あのキラキラにやられて、
目をつぶると、
まだあのキラキラスマイルが浮かんでしまうって。
そんな、やさしい、温かい人たちに囲まれて、
お客さんや、みんなに感謝をしながら、
温かい時間を過ごしたい。
お店を始めた時、
心の中はどん底、マックラ、
悲しみにあふれていて、
多くの人にメッセージを流さず始めたから、
とっても静かな店だった。
それでいいの。
スピーク・イージーは、
誰でも、自分を出せる場所。
自分が自分でいられる、
緊張しない、安らげる、そんな場所。
あと5回。
一日一日を大切に、
最後までやるからね。
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