日本が元気になる道筋

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 今回の参院選挙で自民党は惨敗したが、安部首相は辞任せず続投を選んだ。日本人の常識からは辞任が

当然であり、政局の混迷が予感されている。

安部首相は、「美しい国」、憲法改正、戦後レジーム(体制)からの脱却を掲げて、「保守的」でタカ

派の政治家と見られているが、その続投は保守ー新しいナショナリズムの中身を問うこととなった。

昨年春に自民党武部幹事長は、民主党議員の偽メール質問が、国会の品位を傷つけたとして事実関係の

究明を求めた。他方で武部氏や竹中平蔵氏は、衆院選でホリエモンを支援した不明を認め、また小泉総理

主導の「刺客」選挙は、今も是非が問われ日本の政治史に刻まれている。この「刺客」選挙やホリエモン

への支持も、国会の品位を傷つけたと言わざるを得ない。

品位と同じく、その頃は藤原正彦の『国家の品格』がベストセラーになり、武士道に由来する日本独自

の価値観が求められていた。構造改革による社会的閉塞感の下で、国民は市場主義ー競争原理に替わるも

のを求め、武士道的な「恥の文化」を想い起こしたのである。

市場主義−競争原理は、企業を株主のものとするアメリカ的な価値観である。他方で、日本型と呼ばれ

る企業経営の社会規範は明確だろうか。事件の度に、テレビで謝罪する経営者の姿は日常のものとなって

いる。そして国民の多くは企業で働き、職場では愛社精神だけが醸成されてきた。だが「武士の商法」が

言われるように、武士道は企業の価値観にはなり得ない。

武士の起源は開発地主である。中世まで武士は農業に携わり、自衛のため武装した。また所領安堵のた

め朝廷や幕府・近隣大名と絆を結んでいる。「花は桜木、人は武士」と言われ、武士道は日本社会の主導

的な価値観であった。戦国武士は、自ら主君を選ぶ自由・自負を有し、「車連判」や国人一揆が歴史に刻

まれている。

だが太閤検地で兵農が分離し、幕藩体制の下で武士が寄生化すると、武士道は「葉隠れ」のような忠誠

心だけに収斂する。忠義は誠実(正直)・名誉(名・面目・外聞・恥)・切腹に繋がり、また武士道には

激しやすく尊大になりやすい側面が形成された。

そして中世の貫高制と呼ばれる市場経済は、近世には米本位の石高制と鎖国で歪められ屈折したものと

なった。武士道を支える空虚な朱子学は、知行合一の陽明学に替わり、商家の家訓や大阪の心学が生まれ

ている。また維新の原動力となった薩摩・土佐には在地の武士と琉球貿易、長州には奇兵隊に加わった戦

国以来の領民があった。国の枠組みは、その土台となる経済と、それを担う社会、さらに経済と社会を規

定する価値観で構成されているのである。

維新以来の日本は、多くが旧武士である国家官僚が、富国強兵の工業化を主導してきた。新渡戸稲造

は、武士道が明治日本の舵取りを担った主導階層の拠り所となったが、それは新時代の日本に受け継がれ

ても、今後の社会全体を貫く価値観にはなり得ないと述べている。

私は「国のかたちと歴史の屈折」(http://paradigm.s-kirino.com/)で、近世の石高制と鎖国、維新

の地租改正と廃藩置県、敗戦の日米主軸の貿易立国と三割自治の中央集権継承が、日本の枠組みを如何に

歪めたかを提起した。こうした武士道の中身が、中央集権国家を主導する政治家や官僚の価値観と関わ

り、政治姿勢を始め戦争責任や歴史認識にも繋がっているのではないだろうか。

グローバル化は、国際競争力優先の市場主義−競争原理を価値観としている。これに即応する国家も、

内外に市場を開放するため、規制緩和を軸に「構造改革」を行ってきた。「美しい国、日本」、「憲法改

正」、「戦後レジームからの脱却」などの保守回帰は、こうしたグローバル化対応の隠れ蓑でしかない。

安部首相の続投は、新しいナショナリズムの内実を明らかにしたと言える。

だが国家は、国際競争力優先で、内外市場の開放だけを使命とするものではない。農林水産業・地場産

業を始め、連関した産業構造・国内市場を包含する国民経済と、国民の仕事と暮らしを核に、家族や地域

コミュニティー・企業が構成する日本社会を、保全する役割を担っているのが国家ではないだろうか。

参院選の与党大敗は、国民の生活を破壊した構造改革に起因し、国家主導の中央集権体制は見直しを求

められている。国民の多くは、農・工・商業の職場で働き、家族と地域の中で生活を営んで、それに相応

した価値観を有している。この枠組みを踏まえて、日本独自の経済・社会・価値観を進展させ、再構築し

て行くことが課題なのである。

閉じる コメント(2)

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まさにその通りだと思います。役立たずの役人国家をいつまでも続けるべきではないと思います。

2009/3/14(土) 午後 3:34 [ crop47 ]

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こんにちは始めまして。
ブログを始めたばかりです。
私のブログにも遊びに来てください。

2009/8/10(月) 午後 8:16 [ 悲歌慷慨 ]



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