旅庵日記

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古仏巡礼

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川越にて

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 川越の中院から喜多院に向けて歩いている途中。



 民家の一角になぜか集められている色んな種類の石像・石塔群。



 どうしたのでしょうか?



 曇り空のせいもあったのですが、何か寂しげでした。
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 以前紹介した伊満福寺の仁王像や日向国分寺の仁王像と較べると、幾分か小振りです。

 都城の竜泉寺という寺院にありましたが、現在は都之城跡に建つ都城歴史資料館の一角に安置されています。正徳4年(1714)、都城島津家の家老である北郷資昌が寄進したものです。宮崎ではけっこう古手にあたるのではないでしょうか。
 廃仏毀釈のせいか、破損の具合が痛々しいです。

 ちなみに竜泉寺(りゅうせんじ)は、都之城の北側に位置し、中世期、都之城3代の北郷久秀や15代北郷時久の嫡男相久の菩提寺となりました。
 現在は、寺域の大半が公園になっているようです。
 前回、日向国分寺の五智如来を見ましたが、その他にも仏像は残っています。

 それが、こちらの仁王像。

 五智如来の覆屋の前に安置されています。


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 仁王像そのものに銘は残っていないのですが、傍らの石灯籠に刻まれた銘によると、享保13年頃(1728)に寄進されたという事です。仏師は「平下快善」とありますが、研究者によると、これは先の「平賀快然」と推定されています。


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 こちらは阿像。伊満福寺と同じく、やっぱり棒立ちです。まあ、これだけの大きさですから、躍動感を付けたら、一発で倒壊しちゃうでしょうね。


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 こちらは吽像。体は棒立ちなんですが、顔の表情はきっちりと作り込んでます。

伊満福寺の仁王像

 こっちに来て気付いた事。

 何か知らないが、寺跡に仁王像があるんですが、これが必ず石像。奈良で見るような木像って見ないんですよね。

 しかも、何なのか、本来は厳しい表情のはずの仁王像が、みんなどっかユーモラスでちょっと滑稽な感じ。

 これは石で表情を表現する限界によるものでしょうか。

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 これは、宮崎市内の新興住宅地の一角にある伊満福寺(いまふくじ)の石製仁王像。

 伊満福寺は中世から近世にかけて繁栄した日向七堂伽藍の1つ(あとの6つってどこなんでしょうか?)。でも、明治期の廃仏毀釈でボロボロになりました。今は檀家の方が寺域をきれいに整備されています。

 この仁王像の作者は平賀快然で、元文3年(1738)に作られたもの。平賀快然は、飫肥藩清武郷今江村(今の宮崎市今江地区)出身の仏師。元禄から宝暦年間に主に彫刻活動を行っています。

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 こちらは阿像。よく見ると、顔や服の皺はけっこう細かい造形なのに、何故か下半身は棒立ち(というより石柱のような感じ)。たぶんこれでないと重量的に保たないんでしょうね。

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 阿像の表情。りりしくて厳しい表情だけど、どこかユーモラス。これが石像の持つ暖かさなのかもしれません。

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 こちらが吽像。造りは阿像と同じで、どこか棒立ち。

 しかし、何で木像じゃなくて石像が多いのでしょうか?

 不思議な話です。

日向国分寺五智如来

 国分寺と言えば、奈良時代、1つの国に1つの国分寺・国分尼寺が設置された事で知られています。

 当然、日向国にも国分寺があったわけですが、当時(古代)の日向国の中心地は、今の宮崎平野ではなく、西都市近辺と考えられています。

 現在、国衙跡の調査等の発掘調査なども行われていますが、如何せん住宅地のため、まだ全貌を解明するには到ってないようです。

 西都市中心部の南にあるのが、この日向国分寺。現在は塔の礎石や仁王像・石碑が残るのみで、明確が寺院が残っているわけではありません。

 ただ、ここのスゴいのは、江戸時代に木喰上人により作られた「五智如来」なるものが残っている事。
 館内の説明板によると、木喰上人がこの地にやって来たのは天明8年(1788)4月、上人70歳の頃。そのまま地元住民に請われて国分寺住職となり、寛政9年(1797)まで滞在しました。
 この五智如来が作られたのは、その最中の寛政4年(1792)8月、クスノキの大木を利用して作られたという事です。

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 驚くのはその大きさ。明治期の廃仏毀釈の折りは、付近の民家に匿われていたとの事。その後現在地に地元住民により作られた覆屋に入りました。現在は市による覆屋の中に安置されています。


 向かって左から、

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 これは、宝生如来。



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 これは、薬師如来。



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 これが主尊の大日如来。



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 これは、阿弥陀如来。



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 一番右端は釈迦如来。

 これだけの大きな仏像を、間近に拝むのは、いつ以来だろう。京都国立博物館か、奈良の長谷寺か。それとも東大寺法華堂か。

 迫力は奈良の寺院とは異なりますが、地方ならではの、大きさの迫力がありながらもどこか愛嬌を感じさせるような、いい仏像です。

 でも、私が来た時は参拝者は0人(平日でしたからね)。宮崎にはまだこんなすばらしい文化が残っている事にビックリしました。

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