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消えゆく銭湯

 京都府宮津市の銭湯、「小川湯」が今月末で閉店することになった。利用者の減少、原油高に設備の故障が重なり、経営が成り立たなくなったという。周辺の自宅に風呂のない住民たちは困惑している。

 京都府内の一般公衆浴場(以下、銭湯)は、昭和38年には595件あったが、平成14年には290件、平成17年には259件と減少を続けている。利用者もここ2年で約1割減少した。銭湯の減少の理由としては、風呂のある世帯の増加と入浴料の値上げによって利用者が減少し、営業の不振から転廃業が進んだことが挙げられる。

 銭湯の減少を受け、1982年施行された公衆浴場の確保のための特別措置に関する法律において、「国及び地方公共団体は、(中略)住民の公衆浴場の利用の確保に努めなければならない」と定められた。それに基づき府内の市町村は、銭湯の水道料金の割引や固定資産税の減免など、経営の安定策を講じてはいるものの、後継者不足もあり、減少は止まらない。

 さらなる市町村の補助が求められるところだが、今回の宮津市や府内で最も多くの銭湯を抱える京都市は、財政難を理由に事業者に努力してもらうしかないというスタンスだ。しかし、何のための行政か。

 風呂の無い高齢者などが多く利用している銭湯は、生活の基盤であり、廃業により多くの「銭湯難民」が出ている。そのような状況を防ぐための法律があるのに、財政難を理由に廃業させては、何のための行政か分からない。

 京都市内で廃業したある銭湯の周辺では、ボランティアが高齢者を別の銭湯へ車で送迎をしているという。しかし、数に限りがあり、もしもの事故にも不安を抱く。近くの銭湯が廃業したため何日も風呂に入っておらず、家で湯を沸かし体を拭いているという老人もいた。

 銭湯の役割は体をきれいに保つことだけではない。銭湯の利用者の多くは高齢者だが、一人暮らしの高齢者が多い中、地域の交流の場になっている。加えて、毎日の安否確認になっているという指摘もある。そのような地域における銭湯の複合的な役割をもう一度見直すべきではないだろうか。【平川】

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