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台湾老兵の挽歌 

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 許昭栄さんから奥さんとお母さんの三人で撮った写真の貼った年賀状を
もらったのは2年前のことです。
今年の春節と4月にと2度お会いしましたがまだまだこれからも台湾老兵
のためにがんばると仰っていたのに、昨日(5月20日)この記念碑の前で
焼身自殺してしまったのです。  合掌!
 今となってはただご冥福をお祈りするのみです。                   

(追悼記事)下記の文章は許さんが、2004年11月10日高雄市旗津で挙行された台湾無名戦士慰霊祭の案内状として書かれたもので、文章中にある「国府」とは中国国民党政府を指す。

            台湾老兵の挽歌 

  憶えば、終戦最早60周年。日本は敗戦したとは雖も、廃墟から今の経済大国に立ち直った。台湾も過去の植民意識を拭き去り、現在の自由民主政権を獲得した。だが、我々「元日本軍、元国府軍台湾老兵」に言わせれば、この60年間、実に堪えがたきを堪え、忍びがたきを忍び、悪夢の中を彷徨って来たような想いでした。

我達はかって日本国民として生まれ、日本の「教育勅語」通りに生い育ち、戦時中は天皇陛下のため、そして国家のためにと地と汗を流して国民の義務を尽くし、20万遺贈の青少年が動員され、その中、約4万人が戦病死や行方不明となった儘。

正直に申しまして、「終戦」は我々元日本軍人軍属台湾青少年にとっては、福も幸ももたらさず、反って、辛い境地に追い詰められ、その悲痛物語は到底筆舌の及ぶ所ではございません。

特に心に耐え難いことは、日華事変や太平洋戦争を戦わされ、戦没した「台湾兵」は
靖国神社に神として奉祀されているが、戦禍を逃れて生き残った台湾塀の一部は、中国大陸や海南島に於いて国府軍に強制収編され、復員できずに国府の兵士として中共軍のゲリラと戦わざるを得なかった。しかもその中には元野戦病院の軍医や看護婦までが混ざっていた。この史実を知っている日本国官民は幾許いるだろうか。

 一方、復員して帰郷した元日本軍人軍属台湾青少年達は、接収に来た国府軍将兵の白目を喰わされ、その悲憤を晴らすが故に、一部の「勇士」は二二八事件に巻き込まれ、虐殺されたのである。
 
 殊に多くの海外復員者は、戦後、家庭生活の重荷の分担、或いは「北京語」を勉強する意欲に燃え、もしくは失業に悩まされ、遂に国府軍の誘致に騙され、或る者は私の如く、かって日本海軍の術科教練を受けた者は、戦後日本から接収した「賠償艦」の修復や操作上の要員として、脅迫・拉致され、中国の上海や青島へと強制連行されました。

 私の長年に亘る追及捜査によって、役1万5千人の台湾青少年が、戦後国府の陸海空軍に網羅され、その中少なくとも、1万人を上回る台湾兵が否応なしに中国大陸へ送り込まされ、中共軍と戦わされた。その大半が元日本軍人軍属出身者である、と判った。

 そして、殆どが中国の東北(旧満州)の錦州・塔山、華北の魚台・済寧及び徐州会戦などの激戦地に無名戦士として散華したのである。その悲惨な歴史を過去の国民政府も、現在の台湾政府も認めてくれないと言うのが、嘆かわしくて仕様がない!

 今年の3月末、当協会に寄こした台湾国防部の答弁に依れば、軍当局は当時「国共内戦」に参加した台湾老兵の総人数は2千人足らず、と言い張っている。
 即ち、A 1949年、国府の大陸撤退に伴って早期帰還した者:381人。
    B 捕虜されて中国に残留し、戒厳令排除後に帰還した者:626人。
    C 中国残留中、物故した者:697人。 総計:1704人。
ところが、戦傷者の数は、報告されていない! 皮肉なことである。戦没者を認めない国家は、世界中、恐らく「中華民国政府」だけであろう!

「国共内戦」に於ける台湾兵の犠牲がどれ程悲惨であるかは、第二次世界大戦時の戦没率と比べてみれば判ると思う。
日本厚生省の報告によれば
    戦争に動員された台湾青少年の総人数:207、163人
    戦病死なさった台湾出身者の総人数 : 33、304人
    戦没率              :16%
台湾国防部の報告に依れば、中国内戦(1946〜48)に参加した台湾兵は2千人足らずとぬかしているが、現に南京在住の元国府軍整編第七十師団の師団長陳頣鼎氏(元国府軍陸軍中将)の証言に依ると、第七十師団の台湾兵だけでも凡そ八千人、と私のインタブーに応答してくれた記録が、その真相を物語っている。
 17年間踏査した結果、私は少なくても1万人を上回る台湾塀が中国内戦に連行されている、と判断して憚りない。この原則で国府軍台湾兵の戦没率を試算して見ましょう。
 即ち、A 中国大陸に連行された台湾兵の総数を1万人と設定。
    B 台湾国防部の査定総人数      :1704人
    C 現在に至って生死不明人数     :8296人
     D 「戦没」と認めざるを得ない比率   :83%
 即ち、10人にのうち、8、3人が戦病死又は行方不明のまま遺棄されている。

では、何故そんな大きな人数の食い違いが生じたのか。それは当時の国府軍には「兵役制度」が成り立っていないからである。兵員の欠如は、通常部隊各自現地で募集、又は拉致して補充していた。しかも終戦早々、国府は当時未だ台湾に徴収制度を施行しておらず、戸籍制度も未だ確立されていない。従って、志願者を除き、誘拐・脅迫或いは拉致された者は殆ど登録されていなかった。だから、国防部でさえ、一体どれ程の台湾青少年が中国内戦に連行され、どれ位戦病死したか知る筈がない。しかも当時台湾兵の所属した部隊は、とうの昔に殲滅されて影も形も残っていない!

 私は一九八七年から、カナダへの政治亡命を契機に、元日本軍、元国府軍台湾老兵の戦後史を追及してきました。ところが国府側からの妨害が連発し、逆流行舟の如く、難航の波々を乗り越え、やっと1998年8月、高雄市政府から高雄港附近の旗津「海岸公園」予定地約一ヘクタール(長さ160m×幅80m)の敷地を無償で譲り渡されました。
それも一口で言わば、我々平均70歳を越した老兵たちが7月の真夏に、高雄文化センターの門前に集まり、身を照り灼くような暑さにめげず、一週間ハンストしを決行し、8人の老弱者を救急車で病院に運び込んだ汗と血と涙の結晶でございます。
 1992年、「ブラックリスト」を外され、久しぶりに帰台した私は、中国大陸に散華した戦友の霊を慰める念頭に心を奪われ、元来計画していた貿易事業を白紙に戻し、戦後「第一代国府軍台湾老兵の血涙史」の探求に身と心を投じたのである。そしてせめて「記念碑」だけでも建ててやろう、と言う悲願を胸に抱き、みんなのお陰で、今日まで苦闘し続けて来ました。今後も気を落さず、最後の意と一息まで頑張る所存でございます。

 幾ら横暴悪徳な政府でも、賢明な官僚があり、幾ら冷酷無常な社会でも、熱心な人士がいるに違いない。願わくば、1人でも多くのその人達に台湾老兵の血涙史を理解していただき、正義の謳歌を以って数知れず「無名戦士」を「安息」に導き、慈愛の花輪で以って、無名戦士の「栄誉」を讃え、そして哀悼の「石碑」を建てて、彼らの尊い教訓を後世の人々に語り継ぎ、多少なりとも世界平和と人類和合の促進に役立てれば、無残な死を遂げた無名戦士とはいえ、遺憾もなければ遺恨もなく、反ってあの世で微笑むであろう。


(付記)高雄にある旗津は自転車道路が完備していて海を見ながら、潮風に
吹かれてのサイクリングのついでにぜひこの平和記念公園に立ち寄って
見てください。





          

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ホームページに注目ブログとして、
紹介されていたのでクリックしてみました。

と〜ってもカワイイ、ステキなブログですね。

2008/5/22(木) 午前 2:14 [ 由香 ]

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先日このブログを発見して、すっかりfanになり、この前ぜーんぶ読み終わりました、すっかり日課になりました。まだまだ日の浅いfanです。これからも楽しみにしています。

2008/5/22(木) 午前 9:03 [ ゆいか ]

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おはようございます。
ニュースでは目にしておりましたが こんな背景があろうかとは知りませんでした。
残念でありますね。
合掌、南無阿弥陀仏

2008/6/1(日) 午前 6:28 にっぽに屋にっぽん

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( ´ー`)y─┛チァーパーボェー
記事を書きましたのでTBさせていただきます。
中国内戦に動員された台湾人兵士に対して 中華民国政府は何もしていないということですね。靖国を云々いう資格がありません。

2008/6/22(日) 午後 5:58 にっぽに屋にっぽん

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読めば読むほど、涙が不意に出ました。

2009/1/11(日) 午後 8:52 [ たさん ]

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