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歸國

  終戦記念スペシャルドラマの「歸國」を今日観ました。南の海で戦死した英霊達が65年ぶりに現代の日本に帰ってきて、今の日本の現状をどう見るかという内容です。
  不謹慎ですが、本当に感動しました。当時は徴兵制でしたから志半ば、思い残す事も、未練もたくさんあったのに無理矢理戦場に駆り出され、戦死した日本兵達の無念と悲しさが痛いほど伝わってきました。つくづく戦争ほどこの世で悲しくて残酷なものは無いんだという事を実感しました。
  観てない人にはネタバレになってしまいますが、途中で靖国神社の事も出てきます。戦死した英霊達のその指導者も祭ってある為に政治家が参拝に来るといつもニュースになりますし、今年の民主党の様に全く参拝しない事もあります。それに対して2人の英霊が憤りを表すシーンがあります。自分たちは国の為に死んだのに、現代の日本の指導者達は自分たちの供養もしれくれないのかと、憤ります。私は、やはり国の為に死んだ兵士達を祭っているのだから、参拝する事に何も問題は無いと思いますし、参拝するべきだと思います。日本人は第二次世界大戦の事を話すときは、ほぼいつも原爆、中国人、韓国人の大虐殺、日韓併合など、いかに日本人がひどい事をしたか、またはいかに罪の無い民間人が殺されたかという所に話を持っていきがちで、戦死した兵士達の事は触れない事が多いと思います。確かに日本人は酷い事をしました。けど、その兵士達の中には戦場に来たくて来たわけではなく、無理矢理連れてこられた人達もいたという事をもっと話すべきだと思います。そうする事で戦争が彼らとその周りの人達に何をしたかという事をもっと理解すべきです。
  また、最後の方で指揮官が駅のホームで現代の日本の現状について自分の意見を言うシーンがあります。そこでその人は今の日本人は豊かさと便利さをはき違えている、昔は貧しくても物が無くても幸せに生きていた、と言います。さらにその人は、「貧幸」という言葉を使います。読んで字のごとく、貧しくても幸せという意味です。自分たちはそうやって暮らしていた、しかし現代の日本人達はそれを忘れてしまったとその指揮官は言います。その通りかもしれないと私は思います。古き良き時代という言葉がある様に、物あふれていない昔の方が人々の心は豊かだったのかもしれません。たとえ貧しくても人々が支え合って生きていたのに、現代は皆極力他人には無関心で生きていこうとしますし、それで生きていけます。どちらがいいのかは、当事者達にしか分からないのでしょうね。
  そして私が一番感動し、泣いてしまったシーンは、その指揮官が自分たち英霊は遠い南の海の上から日本の方を見て、そこで暮らしている自分たちの子孫が平和で幸せに暮らし、そして時々は自分たちの事を思い出してほしいというシーンです。彼らは夢半ばで無理矢理戦死させられた様なものなのに、それでも自分たちの事を想っていてくれているという事に感動してしまいました。私は正直言って今の日本なんて戦死した兵達にはとても胸を張ってみせる事はできません。幸せそうに何も知らないで毎日を生きている自分たちの姿を見せて、あなた達はこんな私たちの為に戦死したなんて言えません。申し訳ない気持ちでいっぱいになってしまうからです。それでも、こんな自分たちの平和を願ってくれるという言葉に感動しました。
  長々と書きましたが、このドラマを観て思った事は、彼ら英霊の無念の遺志を後世に伝えていく事が我々の義務であり責任であるという事です。夢半ば、志半ばで死んでしまった彼らの無念さを伝える事が戦争という残酷で無慈悲なものを起こさない様にしれくれるのではないかと思います。そして、一年に一回でもいいですから、彼らの事を思い出し、忘れない事も重要だと思います。しかし、私は彼らに感謝の念を捧げる事はできません。死んでくれてありがとうなんて言えませんし、彼らにしてみれば死にたくて死んだわけではないでしょう。だから私は約束をします。彼らの事は絶対に忘れないし、彼らの無念さを背負って後世に伝えていくと。
  最後に、遅ればせながら英霊達に黙祷を捧げます。


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