精緻な音楽! 驚異のアンサンブル!
ジョージ・セル/クリーブランド管弦楽団 ライブ・イン・東京1970
ウェーバー 歌劇「オベロン」序曲
モーツァルト 交響曲第40番
シベリウス 交響曲第2番
ベルリオーズ 「ファウストの劫罰」よりラコッツィ行進曲
1970年5月22日録音(東京文化会館)SONY:SICC 350〜1
クラシック音楽を聴き始めたのは1967年でした。今年の夏で丁度40年になるのですが、その中でも1970年は最も多くの強烈な音楽体験があった年でした。EXPO'70 CLASSICSには内外から13のオーケストラが参加しました。海外からのオーケストラの先陣を切ってやってきたのは、カラヤンとベルリン・フィル。そして連続してセルとクリーブランドが来日しました。
セルとブーレーズが大阪で2公演ずつ指揮をして、セルはその後に京都、翌日に名古屋で1公演、その翌日の5月22日の昼に名古屋から移動して、その日の夜と翌日に東京で2公演、札幌に行ってまた東京に戻るという超ハードスケジュールでした。
セルのライブ・イン東京はこの過密スケジュールの中で、リハーサル無しで本番に臨んだ文字通りの一発勝負の(修正の無いというよりも修正に使えるテイクの無い)ライブなのです。モーツァルトの40番は緻密で透明な音楽ですが、シベリウスでは透明で力強い響きに圧倒されます。特に終楽章の金管の演奏は聴く人の魂を揺すぶる最高の演奏です。完璧とはこの演奏のためにある言葉です。
評論家の吉田秀和氏が書いた5月15日の大阪公演の批評(朝日新聞)が当時大きな話題になりました。
私もこの文章に感動し、新聞の切抜きをドヴルザークの8番のLPの中に入れて保存しています。
「・・・合奏の優秀という点では、もうこれ以上望むべきものの余地は残っていないといってもよいほどで、一口にいって、管弦楽の合奏というよりも名人の独奏をきくような音の粒のそろい方であり、響きのとけあい方であり、バランスの正確さである。私たちはよく合奏の優秀さを示す基準として『一分のすきもないアインザッツ(声部の入り)』といった言い方をするが、この管弦楽団では、その入声だけでなく、声部の終わり方、消え方までが、完全にぴったり合っているのである。・・・」
この東京での演奏はテレビで何度も放送されて、見るたびに深く感動しました。しかし画像は残っていませんでした。数年前までクリーブランド管弦楽団の関係者がNHKと一緒になって探していたのですが、画像のマスター・テープは見つかりませんでした。テープが高価だった時代なので、放送が終わるとテープを消去して再利用していたらしいのです。幸いにも音声だけはマスター・テープが見つかって、このCDアルバムが完成したのです。
HMVのサイトにも様々なコメントが寄せられています。
http://www.hmv.co.jp/product/detail/1810539
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僕もこの盤は持ってます。セルの内に秘めた情熱が迸る様なシベ2ですよね。生で聴いたらどうなっていたことやらと思います。
2007/2/12(月) 午前 2:13 [ じん ]
セルはレコードで聞くとクールに聞こえますが、ライブでは全く違う気がします。クリーブランドオケはドホナーニ指揮で2度聞いたのですが、凄いアンサンブルとオープンスタイルで練習しているメンバーの多いことに驚きました。
2007/2/12(月) 午前 9:49 [ たあくに ]
JinさんもこのCDをもっておられるのですか!1970年5月の大阪の演奏会に行った人たちは、前日までのカラヤン/BPOのベートーヴェンのツィクルス(交響曲の全曲演奏)よりも凄かったと言っていました。
2007/2/12(月) 午前 11:17
ezobonさん、コメントありがとうございます。セルの録音がもっと良い状態で残されていれば違う印象があるかもしれませんね。セルはNHKで放送されたインタビューで、室内楽のような感覚で演奏することや作曲家毎に異なるアーティキュレーションを正確に演奏することを強調していました。演奏される立場から、セル/クリーブランドのお薦めの録音はありますか?
2007/2/12(月) 午前 11:23
そうですね。まだ、それほどセルを聞き込んでいるわけではないですが、ドヴォルザークの8番の聞き比べとか面白いですね。70年のものが演奏はいいと思いますが、それだけでなくバランスをセル流に徹底しているところなどが興味深いですね。
2007/2/12(月) 午後 0:05 [ たあくに ]
ezobonさん、ありがとうございます! 確かに8番は良い演奏が多いので聞き比べるのは面白そうですね。
2007/2/12(月) 午後 4:48
名演なのでしょうね〜吉田秀和氏の文章は最近、本で読んだ記憶が・・・吉田氏の文章自体が珠玉なのよね〜♡何冊か吉田氏の全集を購入したのにまだ「つん読」状態です〜><
2007/2/14(水) 午後 10:57
たぬこさん、今晩は! このライブは凄すぎます。金管はバリバリ吹いているのに音程はずれないし。東京公演をテレビで見たのですが、シベリウスの第2楽章が終わった時にオケがチューニングを始めたのです。曲の途中でチューニングを聴いたのはこの時が初めてでした。このオケはやはり違いますね。
2007/2/14(水) 午後 11:06
吉田秀和の全集には、シューマンが書いた「音楽と音楽家」の翻訳は入っていますか?ベルリオーズやリストのこと、シューベルトの交響曲ハ長調の発見のことや、ブラームスを紹介した「新しき道」が含まれている面白い文章です。
2007/2/14(水) 午後 11:11
私が買ったのは「音楽展望」の記事のまとめた巻です。残念ながら「音楽と音楽家」の翻訳は入ってなかったと。。。(ただまだきちんと読破していないのでどうこう書けません><ごめんなさい)吉田秀和さんの全集は買いそろえたいという物欲がわいてしまって困ります。(すぐに読めないのに買うのもね^^;それに一冊の単価が高いし@@)
2007/2/16(金) 午前 2:09
シューマンの「音楽と音楽家」の吉田秀和の翻訳は岩波文庫で、価格は星が2つ(★★)と表示されています。1974年では100円か200円くらいだっだのでしょうか。高い本ではありませんでした。全集の内の数冊とは実に魅力的ですね。
2007/2/16(金) 午後 6:27
この演奏は素晴らしいですね!今でも時々取り出しては聴いています。 セルの演奏が単純に機能的なものだけを目指していたのではないことが良く分かりますね!!
2007/4/10(火) 午前 6:52 [ maskball2002 ]
maskballさんもセルのライブを愛聴されているのですね!セル/クリーブランドの最良の姿を聴くことができる素晴らしいCDですね。オーケストラが全力で鳴り響くシベリウスの終楽章を聴くだけでも感激します。
2007/4/10(火) 午後 9:27
セルの録音、意外に知られていない名演として、EMIに晩年に残した、ギレリスとのベートーヴェンのピアノ協奏曲全集をあげます。レオン・フライシャーとの古い録音も素晴らしいのですが、解釈がさらに深化しているのがすごいです。もう少しセルが長生きしていたら、どんなベートーヴェンの交響曲全集が出来上がったのだろうか、と思ってしまいます。
2008/2/11(月) 午後 8:51
西方見聞録さん、コメントとTBありがとうございます。
ギレリスとのベートーヴェンの協奏曲は素晴らしい演奏ですね。私も愛聴しています。ホールの響きをたっぷりと取り入れたEMIの録音がもっと明瞭であれば、話題の演奏になったように思えます。
ただ、TBされた記事に書いておられるように、この時期の録音はLPで聴くと印象が異なるので、状態の良い輸入盤のLPでもう一度聴いてみたいですね。
1970年の来日公演の凄さを思い出すと、セルがもっと長生きしてもっと多くの録音を残してほしかったです。
2008/2/11(月) 午後 9:46
こんにちは!
セルの東京ライブを聴きました。感激しております。
TBさせてくださいね。
2008/3/5(水) 午後 1:03
peiさん、コメントとTBありがとうございます。
セル/クリーヴランドの東京ライブは完璧なアンサンブルに感動しますね。この演奏が無修正の一発のライブで収録されたことに驚きます。
2008/3/5(水) 午後 9:13
初めまして!映像は1995年頃、米 経由で日本に数本販売されてます。マニア仲間がテープ内容見たそうです。俺は正規販売されるだろうと思い手出さなかった(大失敗!未だに出て来ないわ。俺が知った時たしか\200,000したから出さねーわな)
2008/7/27(日) 午後 6:33 [ kot*bu*i*507 ]
kot*bu*i*507さん、セル/クリーヴランドの東京ライブの映像が販売されていたのですか!
シベリウスの2番では、第2楽章の後でオーケストラがチューニングを始めたり、もう一度全部の演奏を画像で見ると感激するかもしれません。しかし、SONYから発売されたCDを聴いた後では、20万円も払ってまで画像を見ようとは思いませんね(笑)。
2008/8/17(日) 午後 2:03
貴重な実況録画を「リストラ」してしまうとは、
音楽と言うものを全く知らない「お役人」が支配しているんですかねえ・・・N○Kは。
私もこの演奏をTVで拝聴し、電撃に打たれる如く感動してしまいました。
2008/11/23(日) 午前 8:23 [ 名無しの権兵衛 ]