常陸国中世史備忘録(常陸大掾氏と常陸府中)

常陸大掾氏や常陸平氏を中心に取り上げています。文献屋なので論文を書く資料として、特に面白くも無い古文書や史料を掲載していきます。

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茨城県立歴史館は、寄贈を受けた古文書一式の中に、「安得虎子」の原本をはじめ、「常陸誌料」の自筆本、「鹿島長暦」の原本などが含まれていることが分かった。

今回の「安得虎子」などの資料は、今春にデジタル写真帳で公開される予定とのこと。


(写真:茨城新聞社HPより)

「安得虎子」は、現在の茨城県を含む常陸国を中心とした東国中世期の古文書を幅広く模写した写本で、これまでは、東京大学史料編纂所が所蔵する写本の1巻、3巻、5巻、6巻、10巻、11巻、計6冊のみが確認されていた。

原本が伝わらず、『安得虎子』のみに収録された古文書も少なくないことから、東国中世史のさらなる研究進展に期待が寄せられる。

『安得虎子』の作者は長年不明とされていたが、宮内庁書陵部図書調査官・小森正明氏により、常陸国潮来村(現在の茨城県潮来市)の、江戸後期の考証学者・宮本茶村であるとの論文が発表されていた。



l今回、茨城県東海村在住の尾崎家が茨城県立歴史館にこれらの古文書一式を寄贈した。
尾崎家は宮本茶村の玄孫の嫁ぎ先に当たり、今回の寄贈した古文書の中に、新出の宮本茶村の肖像画や宮本茶村の息子充ての手紙など含まれており、1985年に小森正明氏が宮本茶村であるとした論文が改めて実証された形となった。

潮来市在住の宮本茶村の子孫宅には、『安得虎子』をはじめ模写本類の原本は残されておらず、今回の発見により、東国各地の古文書を模写採集した経緯、茶村自身の考察の過程を知るだけでなく、

発見された『安得虎子』の原本は、
現存写本の1巻、3巻、5巻、6巻、10巻、11巻の6冊の原本のほかに、
新たに、2巻、4巻、7巻、12巻、13巻、14巻、15巻の原本が確認された。
なお、15巻はページ数が少ないことから最終巻の可能性が高いとのこと。
残念ながら、8巻、9巻は含まれていなかった。


「安得虎子」に採集された古文書の中には、既に原本が失われ、かつ他に伝来していない古文書も含まれれていることから、以前から、日本史研究者からよく使われている史料であり、茨城県のみならず、関東地方の中世期の新出古文書の発見が期待される。

既に、今回の『安得虎子』の新出原本発見により、

・鹿島神宮社家・吉川家文書
・今川義元判物写

など、新出史料の可能性のある内容もあるとのこと。

今回の「安得虎子」などの資料は、今春にデジタル写真帳で公開される予定とのこと。

安得虎子関連情報:





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