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パーセルの「グラウンドの上の3声 ニ長調 Z.731」はパッヘルベルのカノンと並び称されていないのが不思議なくらい構造が似ていて旋律の美しい作品です。グラウンドと呼ばれる固執低音の上を2声部から3声部のカノンが展開されるパッヘルベルのカノンを髣髴とさせる楽しくて美しい作品です。ファンタジアやシャコンヌとされている場合もあります。興味のある方はこちらをご参照ください→http://www.youtube.com/watch?v=MaF6kMu3BZ0
何気なく買ってみたロンドン・バロック演奏「パーセル:室内楽曲集」(ハルモニア・ムンディ・フランス)の冒頭に収録されていて、この「グラウンドの上の3声 ニ長調 Z.731」のことを思い出しました。
それからこのCDには以下の楽曲が収録されています。
・4声のシャコンヌ ト短調(Z.730)はパーセルの室内楽曲中では比較的よく演奏される作品でパーセル特有の哀愁漂う旋律の変奏曲となっています。
・4声のパヴァーヌ ト短調(Z.752) 3声のパヴァーヌ 変ロ長調(Z.750) 3声のパヴァーヌ ト短調(Z.751) 3声のパヴァーヌ イ短調(Z.749) 3声のパヴァーヌ イ長調(Z.748)
パヴァーヌは2拍子のゆっくりとした舞曲でイギリス・ルネッサンスの伝統を引き継いだ作品といえます。長調曲では穏やかで優しい雰囲気の、短調曲は憂愁美を湛えたゆったりとした作風となっています。
・「4声のソナタ集」より、ソナタ第6番 ト短調(Z.807) 「3声のソナタ集」より ソナタ第7番 ホ短調(Z.796) ソナタ第12番 ホ短調(Z.801)
ソナタという名前の通りイタリア風の作品です。5つから、6つの部分から成っていてイタリア的な明朗な旋律が現れたり、陰りのある半音階的な旋律が現れたりとパーセル独特のソナタとなっています。
・4声の序曲 ニ短調(Z.771) 4声の序曲 ト長調(Z.336) 5声の序曲 ト短調(Z.772) 4声の序曲 ト短調(Z.772)
同時代のリュリの影響を受けたフランス風序曲で、本場フランスの華やかな作風と違って抑制の利いた気品溢れるパーセルらしい序曲となっています。
・4声の組曲 ト長調(Z.770)はパーセルには珍しい舞曲組曲で第1楽章序曲、第2楽章サラバンド、第3楽章ブーレー、第4楽章メヌエット、第5楽章ジグから成っています。パーセルの作品には珍しくメランコリックさが漂っていない華やかな作風がとても印象的です。
ロンドン・バロックはこの演奏でヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ&ヴィオラ・ダ・ガンバ、ハープシコードという編成で弦楽によるパーセルの室内楽曲を楽しませてくれます。またイギリス的な作品、イタリア的な作品、フランス的な作品をバランス良く選曲していてパーセルの色々な面を教えてくれる内容ともなっています。
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そうそう、あの「パッヘルベル〜」みたいな曲って、バロックにはたくさんあるんですよね。
ただあの曲は(幸か不幸か?)、ムード音楽みたいな現代楽器用合奏に編曲されたので、妙に有名になってしまったんだと思います。
(最初に編曲したのは誰なんですかね・・・?)
二匹目のドジョウを狙って、パーセルだのテレマンだの、どんどん編曲すればメジャーになるのに、とも思いますが、誰もやらないのは何故???(笑)
2009/6/24(水) 午後 3:26
REIKO様、こんにちは。知名度の点ではパッヘルベルのカノンが突出していますよね。似たような曲集めて一枚のCDにしても面白いかもしれませんね。本当に誰もやらないのが不思議です。パッヘルベルのカノンみたいな曲が好きな人にはそれなりに売れそうな気がするんですがね。
2009/6/24(水) 午後 4:17
四声のソナタを持っています。音楽仲間にパーセルがすきな人がいてね。聴いてみるととても深みがありいいのですが、演奏となると曲を理解するまでに時間がかかります。音と音が章節をはさんでぶつかって、一見不協和音みたく聞こえるけど、そこがまたいいのだそうで・・
明らかにパーセルは音楽が違いますね。イギリスという閉ざされたお国柄のせいでしょうか・・
2009/6/24(水) 午後 6:13
クラヴサン様、こんばんは。パーセルの音楽はバロックといっても本当に独特ですね。物憂げな音楽性にやみつきになってしまう人もいるでしょうね。イギリスのバロック音楽家はバード以来のルネッサンス期の音楽性からも離れない人が多いように感じます。
2009/6/24(水) 午後 7:23