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今日は、鍵盤音楽の旅をちょっと休んで、私の大好きな音楽家、ヴィルヘルム・フリーデマン・バッハの顔について好き勝手に述べていきたいと思います。
一番上の絵はあまり写実的とはいえませんが、フリーデマンの若かりし頃のものです。聡明そうで少し生意気そうな印象をおぼえます。それから頑固で根暗そうにも見えます。フリーデマンは母親のマリア・バルバラを10歳の時に亡くしていますので少し影のある感じもするのでしょうか?わずか10歳にして母親と死別、一年もたたないうちに父親は歳若いアンナ・マグダレーナと再婚をし(なんとフリーデマンとは9つしか違わないのです!!)、物心つきはじめた頃のフリーデマンにとっていかばかりの心境であったか想像を絶するものがあります。
二番目の肖像は、ヴァイチュ筆、フリーデマン40歳位の頃のものだそうです。微笑を湛えた穏やかな表情で少し得意気な感じもします。でも目が笑っていません!この虚空を見つめるような眼差しはいったいなんなのでしょうか?この頃に父大バッハを亡くしていますがフリーデマンは結婚もしています。家庭生活に満足しながらも父親の影に思いを馳せていたのでしょうか?ちなみに次弟のカール・フィリップ・エマーヌエルは「兄は兄弟の誰よりも父に良く似ていた」というようなことを語っています。彼にとって親は父だけと思っていたのかも知れません。とにかくフリーデマンが父大バッハにかなり依存していたことが窺われます。
三番目の肖像画は、フリーデマンの晩年のもので、凛々しい顔つきではありますが、いかにも老いさらばえてしまったという感じがします。フリーデマンは胸部疾患がもとで全身衰弱のため亡くなったそうです。あとに残されたものはそれほど多くはない作品と妻と娘一人だけでした。兄弟の中でも最も悲愴な人生を送った老音楽家の少し痛々しいような姿です。
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