きゆうの雅な古楽の庭園

他のことに熱中してて、休止状態です。

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フランスの宗教音楽のジャンルの一つにグラン・モテというものがあります。大モテットという意味で、独唱、レシ(レティタティーヴォ)、二重〜四重唱、合唱、管弦楽オーケストラから成る、華やかでスペクタクルな音楽です。イギリスのアンセムや、ドイツのカンタータなども同じように独唱や重唱を取り入れた大編成の宗教声楽曲ですが、ルイ14世の宮廷にふさわしくグラン・モテはより一層華やかな雰囲気を持っています。

 グラン・モテは、リュリ、ドラランド、シャルパンティエ、カンプラ、ラモー、モンドンヴィルなど当時のフランスを代表する多くの音楽家によって作曲されましたが、色々聴いてみて私が一番印象深く感じるのがドラランドの作品です。

 ミシェル=リシャール・ドラランド(ド・ラランドとも、Michel-Richard Delalande 1657〜1726) は、パリの高級洋服商の第15子として生まれました。少年時代には聖歌隊に所属し、サン=ジェルマン・ロクセロワ教会のオルガニストであるシャプロンに音楽を学びました。ある貴族の娘のクラヴサン教師になったことにより宮廷と関係を持つようになったドラランドは、国王ルイ14世に気に入られ、宮廷礼拝堂の4つの楽長職を独占するなどリュリ亡き後の宮廷音楽界の最高実力者となりました。また、年若かったフランソワ・クープランが勤めを果たせるようになるまでサン=ジェルヴェのオルガニストを務めたこともありました。

 ドラランドはバレエ音楽や管弦楽作品なども作曲しましたが、グラン・モテを数多く作曲し、この楽曲の発展に大きな役割を果たしました。彼のグラン・モテは、表情豊かで美しい旋律と色彩感のある管弦楽法、自然な和声、明快なリズムが特徴的です。今回は、そのドラランドの代表作ともいえるグラン・モテ「深き淵より」をご紹介したいと思います。
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写真のCDは、今回参考にした、ヒギンボトム指揮、オックスフォード・ニュー・カレッジ合唱団、キングス・コンソート「ドラランド:深き淵より」(エラート)です。この「深き淵より」は以下の楽曲から成っています。

1.前奏曲〜バリトン独唱と合唱
2.四重唱
3.テノール独唱
4.三重唱
5.ソプラノ独唱、オーボエ付きで
6.合唱
7.カウンター・テノール独唱、フルート付き
8.合唱

この音楽は深い淵の底から神に対する懺悔を歌ったもので、華やかな雰囲気のものが多いドラランドのグラン・モテの中では、悲しみを湛えた荘厳な作風で際立っています。冒頭の沈んだバリトンと合唱、美しい第3曲の三重唱、崇高で壮麗な第6曲と終曲の合唱などが印象的なとても美しい作品です。

このヒギンボトムによる「深き淵より」は、落ち着いた音色の古楽器と透明感のある声楽の競演による、清明感のある美しい演奏となっています。

参考例 冒頭から途中まで http://www.youtube.com/watch?v=mW5ilV-LNmQ&feature=PlayList&p=C5EB1311E56975E5&playnext_from=PL&index=35
合唱「主よ、永遠の安息を彼ら与え〜」 http://www.youtube.com/watch?v=Pov-jZ6k4Vo&feature=related


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