きゆうの雅な古楽の庭園

他のことに熱中してて、休止状態です。

ドイツの音楽

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ドイツの17世紀、18世紀の音楽です。一部前古典派も含まれます。
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 ブクステフーデといえばオルガニストととして有名ですが、さすが一流の鍵盤奏者!オルガン作品ほど多くはないようですがチェンバロ作品も遺していてくれました。そんなわけで今日のCDは、グレン・ウィルソン演奏「ブクステフーデ・ハープシコード作品集」(NAXOS)です。

 私がこのCDの中で特に注目しているのが「トッカータ ト長調BuxWV.165」、「前奏曲 ト長調BuxWV.162」、「前奏曲とフーガ ト短調BuxWV.163」、「アリアと2つの変奏 イ短調BuxWV.249」、「ラ・カプリツィオーザ(創作アリアに基づく変奏曲)BuxWV.250」です。

 トッカータや前奏曲は、バッハがお手本にしたとおり多部分からなるトッカータとフーガで、迫力ある即興性が聴いていて面白いです。特に「前奏曲とフーガ ト短調BuxWV.163」は華麗なトッカータ、分かりやすいフーガ、そして目まぐるしく自在に動き回るトッカータで締めくくられる壮大な作品で聴き応え十分です。

 それから「アリアと2つの変奏」や「ラ・カプリツィオーザ」はヘンデルが真似していたとしてもおかしくない変奏形式です。特に「ラ・カプリツィオーザ」は32にも及ぶ超大規模な変奏曲でブクステフーデの変奏のアイディアがこれでもかとばかり盛り込まれています。中には下手な演奏者を真似した変奏もあってブクステフーデのユーモアが垣間見えます。

 ブクステフーデはバッハに多大な影響を与えたことがチェンバロ作品からも窺い知れます。そしてブクステフーデは単にバッハに影響を与えたばかりでなく、バッハにも対抗しうる深い音楽性と個性を持った大音楽家であることがはっきりといえると思います。

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 マティアス・ヴェックマン(1616頃〜1674)はシュッツやヤコブ・プレトリウスに師事しドレスデンやハンブルグで活躍した17世紀北ドイツの重要な音楽家です。フローベルガーと親交があり直接お互いに良い影響を与え合った間柄でした。作風にはフローベルガーの影響が感じられます。

 私が良く聴くCDがレオンハルト演奏「ヴェックマン/フローベルガー:チェンバロ作品集」(ソニー・クラシカル国内盤」、ノエル・スピース演奏「ヴェックマン:チェンバロ作品集」(SOCD輸入盤)の2枚です。

 この2枚のCDにはトッカータ、組曲、カンツォンが収録されています。ヴェックマンの主なチェンバロが作品がこの3種であることが窺い知れます。

 ヴェックマンのトッカータは、私個人の感想ではフレスコバルディやフローベルガーよりも大胆な運動性を持っていてさらに旋律的な美しさが印象に残ります。特にトッカータホ短調は激しい音の渦の中にきらびやかな美しさを持つ名曲だと思います。

 組曲は、アルマンド、ジーグ、クーラント、サラバンドという構成でフローベルガーの影響が見られます。フランス風の繊細な音楽性で聴いていて落ち着きます。組曲ロ短調には珍しく冒頭にプレリュードが付されていてフローベルガーよりもフランス的な印象をおぼえます。

 カンツォンはフレスコバルディやフローベルガーに通じる模倣対位法で書かれており、初期のフーガといえそうです。ヴェックマンのカンツォンは旋律的に親しみやすく聴き易い点が特徴だと思います。

 レオンハルトの演奏はいうまでもなくメリハリがあり気迫のこもった演奏を展開していきます。またフローベルガーとの聴き比べもできる好企画です。
 ノエル・スピース女史の演奏は、フランスのクラヴサン奏者らしく流麗で華麗な演奏が好印象です。

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 ヨハン・ヤーコブ・フローベルガー(1616〜1667)は17世紀ドイツ最大の鍵盤音楽家です。彼はウィーン宮廷のオルガニストを務めたり、イタリア、パリ、ロンドン、ブリュッセルなどを旅して様々な技法を身につけた国際的な音楽家でもありました。

 私が持っているフローベルガーのCDはグスタフ・レオンハルト演奏「フローベルガー:チェンバロ作品集」(ドイツ・ハルモニア・ムンディ輸入盤と、クリストフ・ルセ演奏「フローベルガー:組曲とトッカータ集」(ハルモニア・ムンディ・フランス輸入盤)の2枚です。

 これらのCDでは主にトッカータと組曲が主に、そして「フェルディナンド3世に捧げる哀悼曲」が共に収録されています。

 フローベルガーのトッカータは師フレスコバルディの豪快さを受け継ぎながらもより旋律的で、艶やかな印象を受けます。

 組曲はシャンボニエールやリュート音楽家と親交があったことから多大な影響を受けていたことが窺えます。基本的に彼の組曲は、繊細で荘重なアルマンド、派手なジーグ、シャンボニエール風の快活なクーラント、しっとりと美しいサラバンドといった印象の舞曲で構成されています。またこの「アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ」という組曲の構成はフローベルガーが確立した組曲の構成要素です。
とはいっても組曲の本場フランスでは比較的自由に舞曲が選択されて多楽章の組曲が作られていましたし、イギリスも楽章数は少ないもののほぼフランスと同様、イタリアではソナタ形式が発展していました。したがって私の個人的な意見では必ずしもフローベルガーが確立した組曲形式は世界では一般的なものでなく、ドイツ文化圏で一般的な組曲形式だったのではないかと思います。

 「フェルディナンド3世に捧げる哀悼曲」は哀悼曲という題名からは想像がつかないくらい激情的な部分を持つ作品です。

 フローベルガーの作品はイタリアやフランスの様式に大きな影響を受けながらもどこかドイツ的な厳格さと緻密さを感じる作風となっています。

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 良く考えてみればフリーデマンの本業はオルガニスト。ということで今回は彼のオルガン作品についてです。たまたま中古店で見つけてラッキーと思って買ったのが今回のヴォルフガング・バウムグラツ演奏「W.F.バッハ:オルガン作品集」(CHRISTOPHRUS輸入盤)です。

 このCDには有名な「8つのフーガ」を含めて16曲のフーガとオルガン・コラールが7曲収録されています。面白いことに大バッハのフーガがプレリュードやトッカータの後に演奏されるのと違い、フリーデマンのフーガは、フーガのみです。フリーデマンの晩年に作曲された「8つのフーガ」は大バッハと比べると随分自由な雰囲気を持っていて気難しいところがありません。でもフリーデマン節とでもいうべき、時折現れる陰鬱ながらも美しいメロディがどの曲にもはっきりと現れていてフリーデマンの個性が良く出ています。

 その他ののフーガは作曲年代は分かりませんが、いかにも大バッハ譲りの風格を備えた壮大な作品です。しかし大バッハのフーガほど峻厳なものではなく幾分かくつろいだ雰囲気を持っています。半音階的な進行と気分の変化が見られ、大バッハの作風を受け継ぎながらもフリーデマン独自の世界を持っています。それにしてもフーガがほとんど廃れてしまった時代にフーガを作っていたのですから時代に取り残された音楽家と世間の目に写っても仕方なかったかもしれません。しかし後年にモーツァルトがバッハの音楽に出会って大バッハは勿論のこと、フリーデマンやカール・フィリップ・エマーヌエルのフーガを学んで対位法的要素を作品に取り入れていくわけですから一筋縄ではいかないところが歴史の面白さです。

 オルガン・コラールについては題名が読めないため、何のコラールを表現したものか分かりませんが簡潔な小品ばかりとなっています。全体的に日本語解説付きのCDでもあればもっと良く分かるのですが、今のところ存在の確認ができていないところが残念です。

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 私はフリーデマン・バッハの鍵盤作品の中でも最もハジけてしまっているのがクラヴィーアのための幻想曲だと思います。フリーデマンの時代にはファンタジー(ファンタジア)は対位法的な楽曲から作曲者の感情表現のための楽曲に変化していました。

 私が持っているのはユゲット・ドレフュス「W.F.バッハ:クラヴィーアのための幻想曲集」(DENON国内盤)です。このCDには9曲の幻想曲が収録されていますが、私が注目するのは「幻想曲ホ短調Fk.21」と「幻想曲ハ短調Fk.15」という共に演奏時間8分強、13分強の大作で比較的フリーデマンの晩年に作曲された作品です。それから「幻想曲ハ短調Fk.16」、「幻想曲ニ短調Fk.19」、「幻想曲イ短調Fk.23」はそれぞれ演奏時間が5分強、5分強、3分強ですが非常に表現に富んだ作品です。

 フリーデマンの幻想曲は基本的に多部分から成り、雰囲気がころころと変わるので、思いついたメロディを繋ぎ合わせたたけじゃないか、といわれることもあります。私も最初聴いた時は「その時の気分で作曲したんじゃないか?」と思いましたが良く聴いてみると、それなりに計算されているように感じます。

 暗い雰囲気ではじまったかと思うと、いきなり派手な楽想になり、次は穏やかで明るいメロディが出てきたかと思うと沈うつな楽想が出てきて急に停止した後、突然激しい表現になったりと、全く展開が読めない曲ばかりです。そして聴いていて分かるのですが、部分間で、暗い、明るい、派手、穏やか、などと対比がなされています。それから曲の終わりに近い部分ではフリーデマンが鍵盤の達人であったことを思わせる非常に技巧的なパッセージが現れます。明るく元気な楽想や怒っているような激しい楽想、リラックスしているような楽想など、感情が表出する部分ではなんともタイミングが上手く感じられます。

 ベテラン、ドレフュスの巧みな演奏に負うところも大きいかもしれませんが、とにかく意表を付く展開なので最初の1曲だけ聴こうと思っていてもついつい全部聴いてしまいます。またどの曲もフリーデマン特有の儚げな美しさがあって、決して飽きさせない楽曲ばかりとなっています。


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