きゆうの雅な古楽の庭園

他のことに熱中してて、休止状態です。

イギリスの音楽

[ リスト | 詳細 ]

イギリスの16世紀、17世紀、18世紀の音楽です。
記事検索
検索

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ | 次のページ ]

イメージ 1

イメージ 2

 イギリスのヴァージナル音楽集の中でバードの「ネヴェル夫人の音楽帳」並んで重要視されているのが、「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」というヴァージナル音楽集です。フランシス・トレギアンという人が編纂した音楽集でバード、ブル、といった大音楽家や、フィリップスやファーナビーなどトレギアン自身にとって身近な音楽家の作品まで収録されている大音楽帳です。

 私が持っているCDはクリストファー・ホグウッド演奏「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック(選集)」(オワゾリール国内盤2枚組み)、トン・コープマン演奏「フィッツウィリアム・ヴァージナル・ブック」(CAPRICCO輸入盤)です。
 ホグウッド盤はチェンバー・オルガン、ハープシコード、スピネット、ヴァージナル、と楽器を使い分け、当時の鍵盤楽器の音色を偲ばせてくれるホグウッドらしいサーヴィスの利いた好企画です。また選曲の点でもバード(1543〜1623)、ファーナビー(1563〜1640)の二人をを中心にブル(1562〜1628)、フィリップス(1560〜1628)、ウィルアム・イングロッド(1554〜1621)、マーティン・ピーアソン(1571〜1651)、ジョン・マンディ(1555〜1630)、エドワード・ジョンソン(16世紀)、ウィリアム・ティスドール(16世紀)などマイナー音楽家まで取り上げた、ホグウッドのマニアックな一面を覗かせる往時のヴァージナル音楽界を一望できる好企画です。
 
 私はホグウッド盤ではファーナビーの「ファンタジア」、「陰鬱なパヴァーヌ」、「タワーヒル」、「マスク」、「玩具」、「ファーナビーの夢」、「彼の安らぎ」、「ファーナビーの自惚れ」、「彼のユーモア」やバードの「ジョンが来て私にキスを」、「女王のアルマンド」、「ヴォルタ(135)」、「アルマンド」、「ウルジーズ・ガイルド」、「カリーノ・カストゥラメ」、「ヴォルタ(159)」などを主に好んで、ジョン・ブル「インノミネ」、「ファンタジア」、イングロッド「木々は緑」、ピーアソン「アルマンド」、「桜草」、「落ち葉」、などをたまに聴いています。
 
 このホグウッド盤は、選曲によって楽器を代え、音響効果を変えるという、ホグウッドのサービスまでついています。ファーナビーやバードの作品はヴァージナルを使って演奏される場合が多いのでヴァージナルの響きをたっぷり楽しませてくれます。ヴァージナルの音色はミニハープシコードといった感じでちょっと軽い感じの音色です。曲によって時に音量不足かな?と思う時もありますが、でもそこが返ってリュートのようなセンチメンタリズムをかもし出していて、趣のある音色が好きな楽器です。
 ホグウッドはファンタジアやイン・ノミネは意識してチェンバー・オルガンを用いているような気がします。特にジョン・ブルの「イン・ノミネ(37)」、「ファンタジア(108)」では、どすっときます。この2つの曲は不思議な音形の固執低音の上に対位法的な旋律が展開されていく点がチェンバー・オルガンによってくっきり描き出されます。またファーナビーのファンタジアではその明るい音色が曲調にとてもマッチしています。ファーナビーのファンタジアは旋律の追いかけっこが、気付くと楽想が飛翔してしていまっているという他の音楽家達と比べると飛び出してしまっている珍しい形式が特徴です。
 それからイングロッドの「木々は緑」や、ピーンアソンの「桜草」、「落ち葉」などといった超マイナーな曲はどことなく夕焼けを見ながら聴くのに似合いそうな感傷的な雰囲気の名品です。
 
 コープマン盤はホグウッド盤とは違ってハープシコード一本で演奏されます。ホグウッド盤と競合してしまっている作品を除いて特に目立つのが、ジョバンニ・ピッキ「トッカータ」、ジョン・ブル「ウト、レ、ミ、ファ、ソ、ラ」、モーリー「ファンシー」、ファーナビー「みんな元気を出せ」などです。コープマンはこのCDでの演奏は、豪快でまさに自由自在といった印象ですが、ちょっとあっさりした感じもする時があります。

 私はファーナビーの「ファーナビーの夢」、「玩具」、「みんな元気を出せ」などの小品が特に好きで、改めて機会をもうける必要がありそうです。それからバードの「ジョンが来て私にキスを」も「女王のアルマンド」もバードを語る上で欠かせない重要な作品です。

イメージ 1

 バードと並ぶヴァージナル音楽の巨匠、ジョン・ブルのまとまった鍵盤作品集の録音は意外と少なく、私はピエール・アンタイ演奏「ドクター、ブルズ、グッドナイト」(ASTREE輸入盤)を持っているだけです。

 今のところ私は、ブルの作品の中でイン・ノミネやファンタジアなどの対位法的な作品や、「王の狩り」、「ブル博士、お休みなさい」、などの変奏曲を主に好んで聴いています。

 ジョン・ブルの鍵盤作品はバードのそれと比べるとエネルギッシュで豪快な印象があります。特に変奏曲は明快で親しみやすいメロディが、鍵盤の名人だったブルらしく派手で華やかに展開していきます。対位法的作品はバードのものと比べるとより緻密で厳しいところが、とことんこだわる性格の持ち主だったのかな?と想像させれくれます。

 まだ鍵盤音楽しか聴いていないので片手落ちなのですが、バードの音楽が田園の風景を思い起こさせるとしたらブルの音楽では都会の風景を思い起こさせる、という風にブルの音楽は全体的にバードのそれと比べると垢抜けた印象を受けます。
 またピエール・アンタイの演奏は、フランスの演奏家が良く陥りがちなフランス風な演奏になってしまわずに情熱的で闊達なところが好印象です。

バード鍵盤作品

イメージ 1

イメージ 2

 私がイギリスのヴァージナル音楽家の中で最も好きなのがウィリアム・バード(1540頃〜1623)です。生没年を見るとバードは日本の戦国時代〜江戸時代初期を生きた人なんですね。私は日本の戦国史も好きなので、ついそういう風に考えてしまいます。

 さて、私が良く聴いているCDがアンドレアス・シュタイアー演奏「ウィリアム・バード:ヴァージナル音楽」(テルデック輸入盤、国内解説付き)とクリストファー・ホグウッド演奏「バード:マイ・レディ・ネヴェルス・ブック」(オワゾリール輸入盤3枚組み)です。

 シュタイアー盤はバードの代表的なヴァージナル作品を収録したもので、シュタイアーの切れ味の鋭い情熱的な演奏が印象的です。このCDには「セリンジャーのラウンド」、「ヒュー・アシュトンのグラウンド」、「ネヴェル夫人のグラウンド」、「女王のアルメイン」、「ネヴェル夫人のこの道を通るものは(グラウンド)」、「荒涼とした森(The Woods so Wild)」、「ジョン・キスしてちょうだい」、「鐘(グラウンド)」などバードの主要な変奏曲が収められています。固執低音の上に和声的な主題が展開されていくグラウンドはイギリスで好まれた変奏形式の曲です。このグラウンドと、より旋律的に変奏されていく「変奏曲」とで聴き比べるのも変奏曲大好きな私としての好きな聴き方です。私は特に「ウォルシンガム」や「鐘」、「ジョン、キスしてちょうだい」などを良く聴いています。

 ホグウッド盤は「バード:マイ・レディ・ネヴェルス・ブック」の全曲が「ヴァージナル」、「イタリアン・ハープシコード」、「フレミッシュ・ハープシコード」、「チェンバー・オルガン」とに使い分けられて収められています。全体的にいかにもホグウッドらしい落ち着きのある真面目な演奏が好ましい印象です。

 私はこのシュタイアー盤とホグウッド盤の2枚で聴き比べをして良く楽しんでいます。シュタイアー盤とホグウッド盤で競合している曲の中で好きな曲は、「ファンタジア」、「セリンジャーのラウンド」、「ウォルシンガム」、「ヒュー・アシュトンのグラウンド」、「荒涼とした森」、などです。「ファンタジア」は意外にもシュタイアー盤よりも快速で爽快なホグウッド盤が好みです。「セリンジャーのラウンド」はヴァージナルを使用したホグウッドよりも力強い演奏のシュタイアー盤が好みです。「ウォルシンガム」は力強く情熱的なシュタイアー盤も、「フレミッシュ・ハープシコード」を使用している、ホグウッドの真面目で丁寧な演奏も甲乙つけがたく好みです。「ヒュー・アシュトンのグラウンド」は、じっくり聴くにはその真面目さが丁度良いホグウッド盤が好みです。「荒涼とした森」はシャープで力強いシュタイアーの演奏も、「ヴァージナル」を使用して快速に進むホグウッドの演奏もどちらも好みです。
 シュタイアー盤とホグウッド盤で競合していない曲の中で好きな曲は、ヴァージナルの軽妙な音色を巧みに使った「戦い」(ホグウッド盤)、チェンバー・オルガンを使用して幽玄の世界に導いてくれる「第4パヴァーヌとガリアルド」(ホグウッド盤)、やはり「チェンバー・オルガン」を使用してバード独特の明るい曲調の中にもメランコリックな美を発揮させた「ウト、レ、ミ、ファ、ソラ(ファンタジア)」(ホグウッド盤)、演奏時間8分にも及ぶ壮大な和声的変奏曲「第2グラウンド」、明るくて楽しい「ムッシュのアルメイン」(ホグウッド盤)、結構激しい「ガイアルドとジーグ」(ホグウッド盤)、低音で鐘をイメージさせる音形が延々と続きながらも華やかに変奏されていく「鐘」(シュタイアー盤)、明るいメロディが快活な変奏曲「ジョン、キスしてちょうだい」などです。
 バードは他に「パヴァーヌとガイアルド」や「ヴォランタリー」も多く作っていますが、あまりよく聴き込んでいないため、また機会があったら採り上げたいと思います。

 バードのヴァージナル作品は、シュタイアーが自分のCDのライナーの中で「彼はメランコリーと明るさを合わせ持つことができる」と述べているように、落ち着いていて、哀愁を帯びているのに、明るいという音楽性がとても不思議で独特な印象を与える心に沁みる作品だと思います。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

 バロック時代よりも先のイギリスのエリザベス王朝からジェイムズ1世時代のヴァージナル音楽はバロック音楽に多大な影響を与えた点で語るに欠かせない音楽です。当時のイギリスでは鍵盤楽器全般をヴァージナルと呼んでいたそうなのでエリザベス王朝時代の鍵盤音楽といった方が分かりやすいかもしれませんね。

 そんなヴァージナル音楽を楽しむのに丁度良いのがレオンハルトがハープシコードで演奏する「エリザベス王朝のヴァージナル音楽」(フィリップス国内盤)と「ヴァージナル音楽の巨匠達」(ドイツ・ハルモニア・ムンディ国内盤」です。

  ヴァージナル音楽の3大巨匠、バード、ブル、ギボンズは勿論のことファーナビーやトマス・トムキンズ、ピーター・フィリップスの作品も収録されていてヴァージナル音楽の全体的な雰囲気が楽しめます。
  
 イギリスのヴァージナル音楽に共通のことですが少しメランコリックなメロディは聴いていてとても落ち着きます。特にバードの音楽はとても技巧的でありながら端正で落ち着きがある作品が多いところが気に入っています。「ネヴィル夫人のグラウンド」や「ウォルシンガム変奏曲」、「ファンタジア」などが聴きどころ満載です。また、ジョン・ブルはバードと比べると派手で華々しい作風です。明るくて楽しげな旋律が変奏されていく「国王の狩り」、「ニ調のファンタジア」などヴィルトゥオーゾ的な技が光る音楽家です。ギボンズは生年がフレスコバルディと同じ1583年でバードやブルと比べると垢抜けた印象をおぼえます。この2つのCDには「ファンタジア」と「パヴァーン」しか録音されていませんがその充実した音楽には目を見張るものがあります。

 ファーナビーは指物師ながら音楽家でもあるという一風変わった経歴の持ち主で、ヴァージナル音楽家の中でも飛びぬけて個性的です。楽想が飛翔する「ファンタジア」や「トイ」などの小品がなんといっても彼の音楽の中でも秀逸です。この2つのCDには収録されていませんが「ジャイルズ・ファーナビーの夢」という小品が大好きです。トマス・トムキンズはバードの弟子でヴァージナル楽派の最後を飾る音楽家です。この2つのCDでは変奏曲「バラフォスタスの夢」と「3声のパヴァンとガリヤード」しか収録されていませんがどちらもなかなか聴かせてくれます。ピーター・フィリップスも一風変わった音楽家で、カトリックだったためイギリス国教会を拒否して、アントワープやブリュッセルに亡命して活躍しました。彼の作風はイタリア的で他の音楽家とは一線を画しているものがあります。ただし私自身はフィリップスの音楽はあまり好みではありません。

 さて、イギリスのヴァージナル音楽がどのような影響をバロックに与えたかというと、まずはその変奏技法が大陸に亡命したジョン・ブルなどからオランダのスウェーリンクに影響を与え、スウェーリンクから北ドイツ・オルガン楽派に受け継がれコラール・パルティータなどの変奏曲に活かされることになります。また荘重なテンポのパヴァーン(パヴァーヌ)と対照的にテンポが速くて快活なガリヤード(ガリヤルド)は2曲で一組を成し、後年の組曲のもとになったとされています。また対位法的なファンタジアは後年のフーガにも相当の影響を与えたと思います。

 個別の音楽家のCDも持っていますのでまた改めて音楽家を絞って採り上げていきたいと思います。

イメージ 1

 久しぶりに宇都宮の実家に帰っていたのでブログも休んでいました。実家では父親のプレーヤーでレコードを聴きまくってきました。レコードを買っても自分のアパートにプレーヤーが無いので月に1度くらいのペースで実家に帰ってレコードを聴いています。CDと違って中音域が厚いので音色に暖かみがあってレコードで聴くのも好きです。最近買ったプレストン&ピノックのヘンデル「戴冠式アンセム」やラファエル・プヤーナの「クープラン・クラヴサン曲集」などを聴いていました。
 
 今は、自分のアパートに帰ってきて、ちょっと疲れてしまったのでパーセル「嘆きの歌」カークビー/ルーリー、マッキントッシュ、ホグウッド(オワゾリール西独盤国内解説付)を聴きながら休んでいます。

 CDタイトルの「嘆きの歌」は「妖精の女王」の中の一曲で、パーセル特有の憂愁に満ちた美しい旋律の歌をカークビーの透明感のある歌声がより一層ひきたてています。また「狂気のべス」という歌曲は、悲しみや嬉しさや喜びが一曲の中に表現されていてとてもドラマチックな歌曲です。
 その他にも「バラの花より甘く」、「優しい空気の精たちよ」(妖精の女王より)、「夕べの賛歌」などが哀愁を帯びながらも暖かく優しい音楽で疲れを癒してくれるようです。特に「夕べの賛歌」は落ち着いた曲調の優しさの溢れる旋律でとても心が落ち着きます。まさに一日の終わりを感謝しているかのような暖かくて美しい曲です。

全4ページ

[1] [2] [3] [4]

[ 前のページ | 次のページ ]


.
きゆう
きゆう
男性 / AB型
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

よしもとブログランキング

もっと見る

プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事