きゆうの雅な古楽の庭園

他のことに熱中してて、休止状態です。

ネーデルラントの音楽

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現在のオランダ、ベルギー、ルクセンブルグを合わせた地域の音楽です。
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 1年ほど前から先輩の誘いで福祉関係のNPO法人でお手伝い、つまりボランティアに時々参加させてもらっているのですが、最近認めてもらえるようになってきたのかどうか出番も増えてきて少しですがお給料ももらえるようになってきました。正直精神的にとても疲れる仕事なのでこのところ休むことを優先にしてブログに費やす時間も減ってきました。

 今回は以前ご紹介した「器楽曲 名曲・名演 クラヴィーア編」で紹介し切れなかったスウェーリンクの作品を中心に取り上げていきたいと思います。

 実は最近になってNAXOSからスウェーリンクのチェンバロ作品集がリリースされたのを思い出して早速手に入れました。それが写真のグレン・ウィルソン演奏「スウェーリンク:ハープシコード作品集」(NAXOS)です。このCDにはスウェーリンクの次の作品が収録されています。


・前奏曲
・「戦いの神マルス」による変奏曲
・ドリア旋法による半音階的ファンタジア
・フィリッピのパヴァーヌ(ピーター・フィリップス作曲、スウェーリンク編曲)
・「わが青春の日は既に過ぎたり」による変奏曲
・ドリア旋法によるトッカータ
・「いと高きところにいます神にのみ栄光あれ」による変奏曲
・イオニア旋法によるエコー・ファンタジア
・「もしも運命の女神に愛されるなら」による変奏曲
・パッサメッツォ・モデルノ
・涙のパヴァーヌ(ラクリメ)、(ダウランド作曲、スウェーリンク編曲)

 なんといってもこの中で私のお気に入りは「半音階的ファンタジア」「エコー・ファンタジア」「トッカータ」「わが青春の日は既に過ぎたり」と「もしも運命の女神に愛されるなら」による変奏曲です。

 ファンタジアは100年も後のバッハにも通じるものがあり16世紀の音楽とは思えないような音楽性に驚かされます。トッカータは遠く南はイタリアのフレスコバルディを髣髴とさせるものがあります。変奏曲はイギリスのヴァージナル音楽に強い影響を受けたと見られ、特に「もしも運命の女神に愛されるなら」の主題はイギリスのバードやトムキンズらによっても変奏曲に用いられた哀愁漂う美しい旋律です。

 さらに「フィリッピのパヴァーヌ」やダウランドの「涙のパヴァーヌ」の編曲作品の存在からもイギリスのヴァージナル音楽からの影響をうかがい知ることができます。その一方で「トッカータ」や「パッサメッツォ・モデルノ」などイタリア流の作品も強い印象を受ける作品でスウェーリンクの鍵盤音楽の豊かな国際性には感心させられてしまいます。

 グレン・ウィルソンは私がNAXOSレーベルでよく聴く機会が多い演奏家で、確かな腕前を持った素晴らしい演奏を聴かせてくれます。


 ここから先はスウェーリンク以外に追加したくなった作品です。

 ○フローベルガー
「アルマンド”私が盗まれたもの”に基ずく追悼曲 ト短調」「フェルディナント3世の悲しい死に寄せる追悼曲 ヘ短調」

 レオンハルト


 ○D.スカルラッティ
「ファンダンゴ ニ短調」

 ラファエル・プヤーナ


 ○トーマス・アーン
「8つのハープシコード・ソナタ」より「ソナタ 第1番 ヘ長調」「ソナタ 第3番 ト長調」「ソナタ 第6番 ト短調」

 ホグウッド


 「クラヴィーア編」はもう出し尽くした感があります。「器楽曲 名曲・名演 オルガン編」については友人がまだCDを貸しておいて欲しいというのでまだ先の話になりそうです。 

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 イギリスでヴァージナル楽派が隆盛を極めている頃、オランダでは「ドイツ・オルガニスト製造者」と呼ばれた巨匠ヤン・ピーテルスソーン・スウェーリンクが大活躍していました。

 私がここで採り上げるCDはまずアンネケ・アウッテンボッシュ演奏「スウェーリンク:鍵盤作品集」(GLOBE輸入盤)とロベルト・ウーリー演奏「スウェーリンク:オルガン作品集」(CHANDOS輸入盤)の2枚です。国内盤のCDを持っていないので曲名などが分からないのですがその素晴らしい音楽性とイギリス・ヴァージナル楽派との密接な関係から紹介せずにはいられません。

 アウッテンボッシュ盤ではチェンバロ、ヴァージナル、オルガンを使い分けて演奏されていて、スウェーリンクの作品の雰囲気を楽しむには調度良い録音となっています。収録されている作品は、主に変奏曲や舞曲(パヴァーヌなど)、トッカータやファンタジアなどです。特にパヴァーヌはヴァージナルで演奏されていてイギリスのものと非常によく似た印象をおぼえます。また「More palatino」という変奏曲では、フレスコバルディの「バレットという名のアリア」やギボンズの「イタリアン・グランド」と同じ旋律を用いているところが興味深いです。

 ウーリー盤はタイトル通り全部オルガンで演奏されています。私は今までウーリーはハープシコード奏者だとばかり思っていたのですが、教会オルガンも弾くことがあるんですね。驚きです。ウーリー盤はファンタジアやトッカータを主に収録しています。タイトル付きの作品もあるのですが読めないのが残念です。ファンタジアはイギリスのヴァージナル作品とは趣を異にしていて、バッハのフーガを想起させる音楽性となっています。またイギリスで作曲されなかったトッカータはオランダからは遠い南のイタリアのトッカータと雰囲気が似ています。

 スウェーリンクの鍵盤作品の中で、ファンタジアは後のドイツのフーガの原点ともいうべき重厚な作風でスウェーリンク独自の特徴を持った音楽といえると思います。トッカータはイタリア音楽を学んだ成果ともいうべきで、後のブクステフーデやバッハの作品よりはフレスコヴァルディに近い作風です。変奏曲やタイトル付きの小品などは、明らかにジョン・ブルやピーター・フィリップスとの親交を示すかのようにイギリスのヴァージナル音楽にとても似た印象をおぼえます。

 実は私はまだスウェーリンクの作品を研究中で結論を出すにはまだ早いと思いますが、オランダから出ることの少なかったスウェーリンクの音楽性は、フランドル、イギリス、イタリアの要素が混在した当時としてはとても国際的な音楽だったといえると思います。直接ドイツ人の弟子を大勢もっていたことからも、後のドイツの鍵盤音楽家達に与えた影響は多大で、結果的にバッハに結びつくこととなります。

 スウェーリンクはまた機会があれば採り上げていきたい、実に奥の深い音楽家です。 

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