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以前、ゴールデン・メロドラムからクナッパーツブッシュのCDが発売されたときに、ニーベルング
の指輪はどれが私的に好みかということを考えて、約2ヶ月くらい指輪ばかりの聴き比べをしたことがあ
ります。今、思うと我ながらかなり根性が入った聴き方でした。例えば、ワルキューレのみの聴き比べと
かではなく、あくまでも四部作通しての完成度で聴き比べしました。いかに好きな曲でも大作中の大作。
簡単な聴き比べはできません。まあ、だから2ヶ月くらいかかったのですけど。
聴き比べは、私が持っているCD、あとエアチェックのVTR、LDなどが対象ですが、あえて映像
は、評価しない方針で考えました。耳だけでの聴き比べが基準です。また、音質の良し悪しも気にせず
古い録音から新しいのまで。また四部作がそろっていないものは対象外としました。
聴いたのは、
フルトヴェングラー ミラノ・スカラ座盤
フルトヴェングラー ローマ盤
クレメンス・クラウス バイロイト盤
カイルベルト バイロイト盤
クナッパーツブッシュ 56年 バイロイト盤
クナッパーツブッシュ 57年 バイロイト盤
クナッパーツブッシュ 58年 バイロイト盤
ケンペ バイロイト盤
ショルティ デッカ盤
ベーム バイロイト盤
ブーレーズ バイロイト盤
カラヤン グラモフォン盤
レヴァイン グラモフォンLD盤
サヴァリッシュ EMI盤
バレンボイム バイロイト盤
ということで15組聴き比べしたのでした。まあ、個々に好きな歌手や好きな場面のテンポの取り方
などありますが、まず、個人的にベーレンスが好きなので彼女を聴きたいときはレヴァイン盤かサヴァリ
ッシュ盤になりますが、サヴァリッシュ盤のほうが圧倒的に好きですね。ただ、EMIのCDはなぜか
VTRよりも音がイマイチな気がしますのでこの辺がちょっと好きになれないところです。バレンボイム
盤は、神々の黄昏で、意外とジークフリート・イェルザレムが健闘しているところが良いですが、これは
サヴァリッシュ盤より歌手陣が弱すぎるので多いに魅力が減退してしまいます。カラヤン盤は、歌手に
ミスキャストが多く感じられこれは余り魅力的には感じません。意外とブーレーズ盤は解釈が面白いので
録音で選ぶセカンド・チョイスとしては良いように思います。ベーム盤は、ニルソン、ヴィントガッセン
と揃っているのですが、テオ・アダムのヴォータンが好きになれませんでした。こう考えると、ありきた
りな答えになってしまいますが、オーディオにそれほど興味がない人は、ファースト・チョイスにショル
ティ盤、セカンド・チョイスにサヴァリッシュ盤かブーレーズ盤というところではないでしょうか?
オーディオにもこだわる私は、いかにモノラル録音が綺麗に鳴るかに気にかけています。ある程度の
オーディオでない限り、モノラル録音などのヒストリカル録音は良さがわかりにくいと私は考えるから
です。私的には、ニーベルングの指輪の一番の時期は保守的な意見ですが1950年代が最盛期と考え
ます。フルトヴェングラーのミラノ・スカラ座盤はフラグスタートが歌っていて有名ですが、個人的には
彼女の全盛期は50年代以前だったと思います。スカラ盤はローマ盤より感興度が高い気はしますが、
ローマ盤のほうが完成度が高い気がします。ちなみにリヒテルの自伝ではこの録音が彼が好きだったと
みたいで日記につけています。しかし、フルトヴェングラー盤に私が魅力を感じない点はヴォータンが
ハンス・ホッターでない点です。かなりの独断ですが、私はヴォータンがホッターでない録音には正直
魅力を感じません。聴いていてなんかワクワクしないのです。そうなると自ずとCDが限定されてきます
ショルティ盤の時はすでにホッターも全盛期を過ぎていたので、悪いけど論外です。つまり、バイロイト
での1950年代の録音に限定されます。まず、クナッパーツブッシュの3つの録音では、1956年盤
が一番優れていると感じます。57年盤はアルデンホフが失敗しているように思うからです。58年盤は
テンポが遅すぎるように感じるのとナイトリンガーが外れているのが欠点なように感じます。ということ
で1956年盤が総合的に優れている個人的な考えです。カイルベルト盤も歌手陣が揃っていて素晴らし
いのですが、クナッパーツブッシュの独特さにはちょっと見劣りしてしまいます。しかし、一番好きな
演奏は、1953年のバイロイトのクレメンス・クラウス盤です。これは歌手陣も素晴らしく、1956
年のクナッパーツブッシュ盤と双璧ですが、個人的にはクラウスの解釈が好きです。意外と即物的な解釈
で流れるように音楽に引き込まれてしまう演奏です。これはクナッパーツブッシュとは対極な解釈な気も
しますね。どちらも好きですが、聴くことが多いのはクラウス盤です。これは、将来テスタメントあたり
からより良い録音で出てくれないか期待しているのですが・・・。オルフェオだったら残念です。オルフ
ェオは必ずしもヒストリカル録音のリマスタリングに成功していると言えるレーベルとまでは個人的には
言えないので。今回、文章を書いていて思うのが、私にとって、指輪はヴォータンで、そのヴォータンは
ホッターでなければダメだとわかったことです。映像で演出つきで見る場合はそこまで気にしませんが
CDで声だけとなると、ホッターでなければならないのです。かなり保守的な意見ですが、指輪の最盛期
は50年代のバイロイトだと思います。だだし、オーディオがヒストリカル録音にあっている場合、もし
くはヒストリカル録音が好きな人に限るかと思いますが・・・。キレイな録音になると、やっぱり、ショ
ルティ盤になるのでしょうね。これはこれである意味歴史的な録音で素晴らしいものです。ニーベルング
の指輪、長いけど一生のうち一度はちゃんと聴いてみると良いと思います。
追記 このころのバイロイトのことで参考になる本で 奥波一秀著の「クナッパーツブッシュ」は
いろいろな当時のバイロイトの思惑がわかり面白い本です。
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この作品はオペラものだと自分は1番だと思っております。自分はまだそんなにはセットで聴いてはおりませんがいろいろ聴きたいですね。実演もまだでして・・バレンボイムのを観たいです。
2007/4/14(土) 午前 10:39
初心者としてはハイライトを最近繰り返し聴いておりますが、けいけいどのの記事を参考に全曲通しで、じっくり聴いてみましょう☆
2007/4/14(土) 午後 6:12
わぁ、これだけじっくり聴いてくださる人がいたら作品も、演奏者も幸せですよね。指輪は全部通して聴いたことないです・・・今年中に聴く!を目標にします!
2007/4/15(日) 午前 0:00 [ さとこ♪ ]
オデオンさま ワグネリアンの知人に言われました。「なんだかんだ言ったってリングが最高のオペラだよ。」オデオンさまと同じように考えている人も多いと思いますよ。バレンボイムが好きなんですか。そういえば以前ベルリン国立の来日公演はリングでしたよね。いつか見れると良いですね。
2007/4/15(日) 午前 0:11
にしやんさま にしやんさまは交響曲が好きでオペラは苦手だったんですよね?でもリングを好きになるには時間がかかると思います。1ヶ月くらいかけてゆっくり聴かれてはいかがですか?
2007/4/15(日) 午前 0:14
さとこさま この時は後半は意地で聴いてました(笑)亡くなられた演奏者とワーグナーが喜んでくれたら、もうそれだけで十分です。さとこさまが全部通しで聴いたことがないのは意外です。長いのでゆっくり聴くのが良いですよ。無理して通して聴くと逆に嫌になるかも・・・。
2007/4/15(日) 午前 0:18
ベーレンスはアメリカで結構聴きました。カーネギーでのリサイタルを筆頭にメトでの「ヴァルキューレ」が圧巻でした。ボストン響のオープニング公演の後、小澤さんとベーレンス二人と楽屋でお話したのも今となっては懐かしいですね。
2007/4/15(日) 午後 6:14 [ / ]
かたつむりどのさま 私は、ウィーンでブリュンヒルデをベーレンスの最晩年にやっと聴けました。全盛期に聴けたらよかったですけど。かたつむりどのさまが羨ましいですよ。例のフェルメールの本、近々買いに行きます。読んだら感想書きますね。ちょっと時間がかかるかと思いますが・・・。
2007/4/16(月) 午前 11:43
こんにちは。
最近になって指環をいろいろ聴くようになり、こちらを参考にさせていただいております。
私の場合、ショルティ盤のワルキューレのヴォータンがどうしても好きになれませんでした(笑)。ラインの黄金のジョージ・ロンドンがそのまま歌ってくれてたら・・などと思ったりしています。
現在はハイティンク盤を一番よく聴きます。
2011/7/15(金) 午後 2:03 [ fumufumu ]