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 昨日は、東京オペラシティに、ロンドン交響楽団のコンサートに行ってきました。

コンサート前にプログラムを読んでいたら、永田音響設計の豊田泰久氏のコラムがとても面白くて参考に

なりました。戦後の1950年から1960年にかけて、ロンドンのロイヤル・フェスティバル・ホール

ニューヨークのリンカーン・センター、東京の文化会館、ベルリンのフィルハーモニーと大都市でコンサ

ートホールがオープンしたが音響の善し悪しの結果は二分だったと。東京とベルリンは成功し、ロンドン

とニューヨークは失敗したとのこと。1982年に期待されて、今のロンドン響の本拠地であるバービカ

ンセンターができたが、またしても音響面で失敗したとのことが書かれていました。私は、ロンドンに

住んでいたことがありますので、実は、ロンドン響、フィルハーモニア管、ロンドン・フィル、その他

来英公演のオーケストラも沢山聴きましたが、感動したことが多くありませんでした。感動する時は、

学生券でたまたま良い席に座れた時かもしれません。そのくらい、バービカンにしても、フェスティバル

ホールにしても音響はひどかったです。東京でサントリーホールや文化会館で馴染んできた人であれば

余計そう思うと思います。ロンドンに限らず、パリもろくなコンサートホールがないですね。フェスティ

バルホールに関しては約3000人なので大き過ぎるので、これは席がかなり左右します。バービカンは

かなりドライで響かないホールでした。だから、ロンドン響を本拠地で聴いていても正直、上手なのか?

と正しく判断できない気もしていました。わかりやすく例えると、常にオーチャードホール並み、もしく

は以下の音響でコンサートを聴いて判断しなければならないということです。今回このコラムを読んで改

めて本業の方と意見が同じなので嬉しくも思いました。このコラムだと私がロンドンから去って2001

年に音響改善工事を終えたことが書いてありますが、そもそも、すでに存在する建物の室形状を変化させ

ることなく、音響を改善すること自体が難題なんだそうです。フェスティバルホールは2007年秋に

再オープンとのことでした。またロンドンに行くことがあったら楽しみにしようかな。





 2007年4月16日  東京オペラシティコンサートホール

 指揮  ダニエル・ハーディング   ロンドン交響楽団

 ピアニスト  ラン・ラン

 モーツァルト ピアノ協奏曲第17番

 マーラー 交響曲第5番



 まず、このコンサートの前半、なんでこの曲を選んだのだろう?と疑問を感じました。それほど有名

でもないこの曲を・・・。結果、聴いて見ての感想ですが、ハーディングは若いのにかなりのレパートリ

ーを演奏する指揮者です。特にモーツァルトは好きなようなのでよく取り上げます。彼のモーツァルトの

解釈は少なくともロマンティックな解釈ではありません。第1楽章を聴いてどちらかというとハーディン

グの主導権という感じ・・・というかラン・ランを聴くこと自体初めてだったのでこういう演奏家なのか

と感じました。強音より弱音にこだわるというか気にかけるような演奏でした。しかし、第2楽章は、

全く正反対で、ラン・ラン主導といった感じで、モーツァルトを聴くというのではなくロマン派を聴いて

いるような演奏でした。また、第3楽章になるとハーディングに主導権がいったように感じられ、イキ

イキとした演奏となり終わりました。


 演奏後、おそらく華道家のカリ屋崎省吾氏が花束をラン・ランに渡していました。芸能人が楽屋以外で

花束渡すのは珍しいですね。


 アンコールは、孫以強の春舞 という曲でした。これは知らない曲。クラシックと中国民謡を混ぜた

ようで、途中にダイナミックなところがある曲でした。

 ラン・ランを聴いたかぎりでの私的な感想は、ロマンティックかつスケールの大きい演奏を好む演奏

家だと感じました。曲にもよりますが、ハーディングではなく、伴奏はバレンボイムのようなロマンティ

ックで濃い演奏を好む人とのほうが相性が良いように感じました。まあ、今回モーツァルトでなければ

また、違う感想になったかもしれません。ただ、ラン・ランの経歴を読むとそんなにコンクール歴が

華やかではないのに驚きました。最近では珍しい例ではないでしょうか?






 後半のマーラーの5番。第1楽章は、どことなく重い感じで引きずるような遅さでの演奏なので、えっ

!と思いました。ちょっと想像していた演奏と違かったのです。しかし、第2楽章以降は、とても生命

力を感じさせる演奏をしました。中には、第4楽章などゆっくりロマンティックに演奏して欲しい人も

いたでしょうけど・・・。けれども、第2楽章から第5楽章まで一貫してハーディングの個性とでも

いうべき生命力溢れる演奏が伝わってきました。この演奏はかなり良かったと思います。マーラーは、

濃厚なロマンを感じさせる演奏も好きですが、今回の演奏は、即物的とも感じず、力感が溢れていたと

思います。ただ、ちょっと残念なのが、拍手や歓声が早かったことですね。まあ、この曲自体の終わり

方が熱狂的な感じで締めくくるので仕方ないといえば仕方ないのですが・・・。






 久しぶりに聴いたロンドン響ですが、メンバーもかなり変わったのでしょうけど、冒頭で書いたように

バービカンセンターで聴いていた印象とかなり異なりました。やはり上手でした。先月聴いた、ボーダー

&東フィルには悪いですけど、音楽の呼吸感が違うように感じます。また、金管が東フィルと比べても

安定してました。上手なように書かれていてもバービカンで聴いていたせいか懐疑的でしたが、改めて

ロンドン響を見直しました。私は、昨年アムステルダムでハーディング指揮コンセルトヘボウでマーラー

の大地の歌を聴きましたが、この時はそんなに良い演奏ではありませんでした。良い演奏ではないという

と語弊がありますが、ハーディングの個性が全く発揮できない演奏で、コンセルトヘボウ主体の良い

演奏という印象でした。この辺りはオケとの相性などがあるようで、ロンドン響の良いところは、様々

な指揮者に対応できる柔軟性が、私的には、他のヨーロッパの一流オケよりあると感じるところです。

その辺りが、他のヨーロッパの一流オケと比べて魅力的でないとも言えなくもないですが・・・。

ただ、同国人ということも考えると将来、ハーディングにはロンドン響の首席指揮者になってロンドンの

個性を出して人気あるオケにして欲しいと思います。

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閉じる コメント(8)

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記事前半のホールの音響については、興味深く拝見いたしました。傑作☆です(~~....ロンドン交響楽団...器用貧乏なんですかね。しかし、モーツァルトの17番は確かに珍しいレパートリーですね。

2007/4/17(火) 午前 8:58 目玉おやじ

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にしやんさま コメ有難うございます。ある意味東京ではホール環境が良いので、もしかしたら上手く聴こえ過ぎてないかなとまで考えすぎてしまいました。まあ、よく聴こえれば良いに越したことが無いと思い我に返りましたけどね。

2007/4/17(火) 午前 9:09 kk2**712*9

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ランランのコメントはみみ蔵も大きく頷きながら読んでしまいまいした。なんでモーツアルトだったんでしょ?何年か前にCDで出たショパンのコンチェルトの印象がメチャクチャ強いのでちょっと不思議。ハーディング今後も注目したいですね♪

2007/4/17(火) 午前 11:36 pix*1*hvala

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みみ蔵さま 自分なりに思ったことですが、モーツァルトでもバレンボイムのようなタイプの指揮者だったら意外と良かったかもしれません。ラン・ランの演奏自体がロマンチストみたいなのでロマン派が似合うと感じました。ただ、譜面通りに弾くタイプではなく個性的に弾くタイプなので好きな人は好きになるような気がします。ハーディングは注目していいと思いますよ。来年東フィルの定期に出ますのでチェックしててくださいな。あっ、みみちゃんは東響か・・・(笑)。

2007/4/17(火) 午後 0:11 kk2**712*9

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定期なら行きやすいかも、チェックしまーす!歌い隊♪は専属ですが聴くほうは専属ではないですよ。N響も新日も行ってます。

2007/4/18(水) 午後 0:49 pix*1*hvala

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みみ蔵さま ハーディング、でも、今年キャンセルがあったからちょっと気をつけて!(笑)聴く方の専属は冗談ですよ(笑)そこまで縛られたら大変。

2007/4/18(水) 午後 1:01 kk2**712*9

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ラン・ラン、私はラフマ3番がすごく印象的でした。私の音楽とは全然違うんですけど、音楽に対する姿勢が好きです。ハーディングは聞くといつも「実験したいんだろうなぁ」って思います。

2007/4/18(水) 午後 10:59 [ さとこ♪ ]

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さとこさま ラン・ランに関してはあまりコメントできる立場ではないので、この日だけ考えるとロマンティストですよ。曲をスケール大きくしたい気持ちがある演奏家だと思います。ハーディングに関しては、新しい試みをしたがるタイプです。ただ、超一流オケに対してはなかなか苦労するのでは・・・と思ってしまいます。でも歳を重ねれば受け入れられるでしょうけど。

2007/4/19(木) 午前 6:36 kk2**712*9


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