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ふたりのベロニカは不思議なストーリー。見終わると不思議な気分にさせられる。でも、良い映画って
見終わると、必ず、心に何か残してくれると思います。
同じ年、同じ時刻にフランスとポーランドに生まれたふたりのベロニカ。お互いのことを全く知らない
ふたり。名前も、顔も、音楽の才能も全く同じ。ポーランドのベロニカはある日、心臓発作で倒れ、亡く
なってしまう。けれども、亡くなった彼女の希望と生命が引き継がれたように、フランスのベロニカに
次々と不思議なことが起こり始める。突然に生じる霊感、見知らぬ人からのメッセージ、運命的な恋の
出会い。まるでもう一人のベロニカに導かれるかのように本当の恋を見つけに行く。
ストーリーも不思議なら、映像もカラーなのにセピアな感じが、より一層不思議さを感じさせてくれま
す。キェシロフスキ監督の映画の中で一番幻想的な気がします。この後の作品、トリコロール三部作より
、この作品のほうが私的には優れていると思います。でも、トリコロール 白の愛 も好きな作品です。
この映画の主演で一人二役を演じたイレーヌ・ジャコブ。この作品でカンヌで主演女優賞を受賞します。
だが、彼女はこのあとの、トリコロール 赤の愛 に出演してから消えていってしまった感じで気の毒で
す。1992年に公開された映画なのに、何か古臭さを感じさせない映画。よく自分とそっくりな人は
世界に3人いると言われるけど、全く自分と似た人とどこかで逢えるかもしれないと思わせる映画です。
ポーランドのベロニカとフランスのベロニカが唯一出逢う場所というか、すれ違う場所がポーランド
のクラクフ。私はチェコ、ハンガリーは行ったことはありますが、ポーランドには行ったことがありませ
ん。以前、旅先であったポーランド人にこんなことを言われました。「ポーランドに来たら、絶対クラク
フに行ったほうが良いよ。ワルシャワは戦争で破壊されて復元した街だけど、クラクフは破壊されていな
いポーランド王国の首都だった街だよ。」それだけ魅力的な街だそうです。これはいつか行って見たい
街ですね。フランスでの舞台はパリ。サン・ラザール駅が出てくるのが気に入ってます。サン・ラザール
駅周辺のホテルはよく泊まったので風景見るだけでも懐かしい。
クシシュトフ・キェシロフスキ監督は、1996年、ダンテの神曲の映画の撮影途中で亡くなりまし
た。天国篇、地獄篇、煉獄篇のうち天国篇だけ完成させて・・・。彼は、自分の作風、美学には人一倍
こだわった映画作家だったと思います。作品は少ないけど、ぜひ女性に見てもらいたい映画です。
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