今後の予想
戦争法成立後、この法を巡って今後どのような動きがあるのか、予想してみた。
はずれてくれることを祈るばかりである。
(1)来年夏の参議院選挙は、自民党の勝利となる。烏合の衆の野党にはおそらく何もできまい。
民主党は、今のままでは次回の選挙で勝てるはずもない。すでに以前の政権時の愚行で国民は愛想をつかしているからだ。
このことは民主党執行部も十分承知している。しかし、野党再編など彼らの頭にはない。再編になれば民主党を解党せねばならなぬ。解党して新党を立てるとなると、いまの執行部という地位を失って平社員から始めねばならない。そんなことができるはずがない。
民主党執行部は、自分たちが生き残ることだけが関心事であって、民主党が衰退することなど眼中にない。他の民主党国会議員らも、自身が生き残るためなら、ためらいなく自民党あるいは自民党付属の「政党」に鞍替えするだろう。
野党は国民の期待に応える力をもたないまま、次の選挙は行われる。投票したい政党がない絶望的な状態の中で、投票率は低く保たれ、民主主義を破壊したい自民党が、民主的な選挙で快勝するだろう。
いつの時代も、民主主義の終わりはこのように到来する。
(2)たとえ今回の戦争法の違憲性を裁判所に訴えたとしても、裁判所は戦争法の憲法判断をしないだろう。
日米安全保障条約の時と同様に、裁判所は「高度に政治的な問題は、裁判所の判断になじまない」といって、判決を下すことを放棄するだろう。
これは安倍総理も想定済みのことである。この目処が立っているからこそ、違法性が明らかな法案であっても強行採決したのである。
こうして戦争法は定着する。
(3)今後、戦争法で儲けるのは、戦争を商売にしている一部の連中である。
すでに武器輸出解禁などで彼らの懐具合がいいけれど、今後は順風満帆で国民の税金を兵器製造に充てることになるだろう。
戦争法で儲けるのは、三菱重工などの兵器製造会社だけではない。関連製品として電子機器製造会社はもとより、自衛隊の活動のために必要なあらゆる物資に関連する企業が潤うことになる。ちょうど、自動車産業の裾野が広く多岐にわたり、本社や工場を中心にして城下町が形成されたように、今後は軍需産業の広く多様な裾野に、一般の民間企業が巻き込まれていくのである。
(4)戦争法で損をするのは、国民である。
防衛費が増大するのだから、その分を国費から差し引かねばならない。民間企業が軍需産業に巻き込まれるとはいえ、潤うのは一部の人々である。貧困層の拡大は免れない。
だが、おそらく貧しくなったものたちのだれも、自分たちが貧しくなっていることには気づかないだろう。
変化が比較的ゆっくりしている時には、気づきにくいものである。例えば、バブル崩壊以降、地方の町の衰退は眼を覆うばかりだが、シャッター通りを歩く地元民には普段通りの風景であって、いまさら嘆くことでもないのである。
(5)徴兵制はしばらく現実のものとはならないだろうが、自衛隊は貧困層の若者の就職口となり、兵隊数に困りはしないだろう。
(6)人々は一層惨めになるが、そのことに気づくものは少ない。
ぼんやりと自身の惨めさに気づいた国民の中には、自分と国家の軍事的な強さを同一視して、自分のみすぼらしい姿を慰める者が増えるだろう。
このような哀れな愛国者たちは、いつの時代にもかなりの数いるものである。国家の威信は自分の威信だと勘違いしていることに気づかない愚者の集まりである。奴隷のように権力につき従い、狂信者のように権力を崇拝し、権力を崇拝し隷従する自分を英雄の一人だと信じて疑わない。
(7)こうしてこの国の政治は、糞詰まりといっていいほどのどうにもならない状態になるだろう。
誰も何もできないまま自民党の支配は続くだろう。本質は独裁政治そのものとなるが、表面上はしばらくは穏やかな、ちょうど「明るい北朝鮮」とよばれるシンガポールのようになるだろう。水面下でどのような恐怖政治が行われるかは、秘密保護法の強化によって一般人には知ることもできまい。
以上、悲観的だけれども、もっともありそうな予想を立ててみた。