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私は正直このお話(映画)をいただき、現実味を帯びてきたとき思ったのが
いい幕引き(ブログ)ができたと思いました。
私の役目ももう終わっていたのでそのきっかけが欲しかったのでしょう。
まあ、結局いろいろありましてまだ続けていくのですが(笑)
何事も永遠はなく、いつかわ終わりが来る。
永遠を探しても辞書にしかなかったように。

映画の感想ですが大変たのしかったです。
映画ファンとして大変光栄に思います。
最初台本を頂いたときまっさきに思ったのがラストシーンです。
これは担当の編集の方とも意見が一致したのですが
夫が死んだふりをするのはどうかということです。
死んだふりをするのはあくまでも知恵さんなのでなんで私が(夫)するのか?という疑問です。
そこで私なりに気持ちを伝えるため参考にと
最初と最後の話を書いてお送りいたしましたが
あえなく却下。
最後の話として送ったものは妻との偶然起きた話なので結構私なりに気に入っていたのですが(笑)
せっかくなのでこのブログの最終回にアップしようと思っています。

あとちょっとしたお話ですが担当の編集者の方は事件前と事件後の映画を見ている数少ない方で
感想としては見比べて大谷さんのほうが良かったと言っていました。

それからみなさんが気になっている風でかき消されるシーンですが
まあ、そんな感じなのだろうなと思っていました。
妻曰く、なんで風で消すの?と私に聞いてきたので
私自身書いたことがないと言ったら
あっさり私に理由を言い出しました。
わたし的にはかなり意外だったので思わず「へぇ〜」と声を出していました。

今は映画が終わり花火会場をあとにする今はそんな気持ちです。
寂しさもありますが花火があってこその寂しさでもあります。
こんなことが起こったことは私に関わってくださったたくさんの皆さまのおかげたと感謝しております。
本当にありがとうございました。
これからもまだ面白いことが書けたらと思います。
皆様応援よろしくお願いいたします。









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とりあえず東北 3部

仙台インターを降りると一般道は高速と違い渋滞していた。
「なんで渋滞しているのよ!!!」妻は話すことも辛くなった私の代わりに叫んだ。
ナビを仙台駅にセットし直している時妻は私のスマホで仙台のホテルを探してくれた。
しかしお盆時期ではないが今日は土曜日である。なかなか空いているホテルは見つからない。
インターを降りて30分ほどで駅周辺に近づくと主要道路から脇道に入りそこで車を止めた。
私は椅子を倒し、体を休めた。
高いビルとビルの隙間から見える雨が止んだ東京よりも青く澄んだ空を車のフロントガラスから眺め体調の回復を願った。
「旦那さん、どこもいっぱいみたい・・・」
そう肩を落とす妻の姿を見て申し訳なく思った。
見つめていた空の横にホテルの看板を見つけ声を絞り出した。
「知恵さん、この前にある高いビルホテルみたいですよ」
妻がスマホで検索しそのホテルに電話をし、しばらく話したあと電話を切ると車のドアを開けた。
「旦那さん、一人で大丈夫?ちょっとホテルに行ってくるね」
私は力なく片手をあげた。
そして妻は戻ってきて助手席に乗った。
「この先に駐車場があるんだってそこまで運転できる?」
私はシートを戻し、車のエンジンをかけた。
「空いてたんですか?」
「ちょっと高いけど仕方ないね」
この時妻は笑っていたが実は一泊17千円である。
部屋に行き、ベットで寝たが一向に回復しない。
時間は夜の7時を過ぎていた。私はなにか食べれば回復すると思いお腹をすかした妻と一緒にホテルの中に唯一あるレストランに行った。
せいをつけようとこってりしたもの頼むも喉をなかなか通らない。
私が口にできたのは妻が頼んだシーザーサラダのみだった。
私は妻とこってりした料理を残し先に部屋へ戻ることにした。
そして部屋に戻ると体調は悪化のピークを迎えた。
酒を飲みすぎて苦しくなった時よりも鉄火巻を食べて食中毒になった時よりも
その何倍も苦しかった。
そして私は限りなくぬるくしたお風呂の中に入ってみた。
しかし苦しさと変速の呼吸は一向に収まらない。
私はそんな状態でどのくらいお風呂の中にいたのだろうか?
突然妻がお風呂に入ってきた。
「大丈夫?お風呂から出たほうが良いんじゃない?」
そう言って湯船から私を出そうとする妻を止めた。
「もう少し入ってみます。」そう言うと妻は私の頭を叩いた。
具合悪い時は私の言うとおりにしろ!!!
私はそう言われるまま力なく、お風呂を出てパンツ一丁でベットに横たわった。
「申し訳ない」そう妻に告げるのがこの時の私は精一杯だった。
ほかは何も頭に浮かばなかった。
ベッドから見える仙台の夜景を見ながら私の脳裏にはこんなことが浮かんだ。
私は仙台から東京に帰れるのだろうか。
そして私の横でフロントに妻が電話をしていた。
暫くするとパンツ一丁の私に服を着せだした。
「ほらお尻上げて」服を着た私を起こし妻が言った。
「ほら行くわよ」
「どこへ行くんですか?」
「病院に決まってるじゃない」
私は病院が大嫌いである。
「知恵さん、一晩寝れば治りますよ・・・」
すると妻は私の頭をまた叩いた。
「いいから云うこと聞きなさい」
私はため息をつかない。それは妻もよく知っている。
しかしそんな私がベットでため息をする姿を見て尋常ではないと思ったようだ。
そこでホテルのフロントに電話をし、急患を見てくれる病院を探してもらったようだ。
ここから妻の行動は普段私に見せたことがないほど的確で早かった。
フロントに探してもらった病院の案内図を用意させ、手にした妻はエレベータまで私の手を引き、ホテルの外に出るとタクシーが一台待っていた。
タクシーの運転手に案内図を渡すと5分ほどで病院に着いた。
窓口で受付を済ませ、二人で椅子に座って待つこと10分名前を呼ばれた。
そして妻も診察室に入ってきた。
「今日はどうされました?」
医師の問いかけに妻は的確に細かく事情を話した。
そして生命力7%で生きている私に医師は笑顔で言った。
「寝ちゃいけないって思ってドリンクをそんなに飲んだんですか」
「たぶんカフェイン中毒だと思うんです。」
妻が知らない人とあがらずに話している。
やはり私の体調は悪いらしい。
「事故起こしちゃいけないと思って頑張ろうとおもったんですね」
なんか小さく笑う若い医師を見てこいつ私を馬鹿にしてるなとこの時思った。
その思いを悟れれないようすこし愛想笑いを浮かべた。
そのため貴重な生命エネルギー2%を使用してしまう。
診察され、この若い医師が言うには特に大きな問題はないがとりあえず点滴を打ちましょうということになった。
「点滴はいいです」私がそう言うと妻は吉本新喜劇よりも早く私の頭を叩いた。
「打ってください」妻がそう言うと看護師と妻に別室に連れていかれた。
「点滴打ったことはありますか?」そう看護師にきかれ
「一度もありません」そう答えると看護師は少し驚いていた。
「旦那さん入院もしたことないんですよ」
「丈夫なんですね」
「今は丈夫じゃないんですけど」
二人で何話しているんだ。
そして私は人生初の点滴を打たれ、病院をあとにした。
ホテルに戻り、初日止まるビジネスホテルは事前にキャンセルしていたが妻の判断で花巻温泉の旅館もキャンセルすることになった。
妻が電話し女将と話していた。
横で聞いていると妻が今までの経緯まで話している。
私としてはそんなことまで話す必要はないと心で思った。
なんか恥ずかしい。
そして妻が電話を終えると私に言った。
「東北の人って優しいわね。事情話したらキャンセル料、料理分だけで良いって言ってくれたわ。」
「それは申し訳ないですね。どっちが頑張ろうかわかりませんね」
「大丈夫よ!今度来ればいいじゃない。」滑舌の良い妻の言葉は力強く感じた。
夜景を見つめる妻の背中にむけて私は心でつぶやいた。
(あなたは神との誓いを忘れないんですね)
数時間すると点滴の効果があったのか私が今日一番望んでいた眠りにつけた。
 
2日目、大事をとってもう一泊すると妻は言いだしフロントに電話をしていた。
私が寝ている横で朝からテレビを見ている妻がかわいそうになり、せっかくだから街に出ましょうといった。
心配した顔をする妻の手を引き、仙台の街を歩いた。
「なんか丸の内みたいですね」
仙台の街はとても近代的だった。
「駅方面に行ってみましょう」そう言って歩いていくと妻は地元のデパートらしきものを見つけた。
「ここ入っていい?」そう言うと私の手を引き入っていった。
そして妻がその中で探したのは薬局だった。
そこで薬剤師としばらく話をすると二人が私の方を見ている。
妻は薬を買ってすこし離れた場所にいる私のもとに着た。
「知恵さん、薬かったんですか?もう大丈夫ですよ」
「まだ弱々しいじゃない。それに出歩かしちゃだめって怒られたわよ。すぐホテル帰るわよ」
「お昼ぐらいどこがで食べてから帰りましょうよ」
コンビニで十分という妻を説得して適当な店で昼食を済ませた。
夜もホテルの近場で夕食をし、仙台の街はホテルから半径2300mから出ることはなかった。
翌日朝東京に帰るため東北道へ向かった。
私は車の中で妻に言った。
「せめて仙台駅に行っておけばよかったですね」
そう言うと妻は言った。
「またがあるわよ。今回は縁がなかっただけよ」
そして妻のかけたCDが車の中で流れ、私の体を完全体に戻してゆく。
東京へ向かう東北道を走っていると郡山の標識が見えた。
「そうだ知恵さん、せっかくだから会津に行きませんか?」
「旦那さん大丈夫なの?」
「大丈夫ですよ。それはあなたもわかるでしょう。それに車も明日まで時間があるし」
「そうね。安い旅館が見つかると良いね」
そして私たちは会津へと向かい、この旅行最終日にして温泉に入ることができた。
そして妻の好きな武家屋敷のそばの旅館から夜景を見つめ妻が私に言った。
「私やっぱ東北が好きかも」
私は妻のそばに行き、頭に手を置いた。
知恵さん私が好きなものはわかりますか。
私はそう心でつぶやき、音のない部屋からしばらく二人で夜景を見つめていた。
 

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とりあえず東北 2部

ルートはこうだ。
6時、レンタカーで東京出発。
そうなのです。新幹線→現地でレンタカーを借りることをやめ、一気にレンタカーで岩手に行こうという計画である。
東京6時発→盛岡13時着、昼食わんこそば→盛岡市内観光。
盛岡から少し離れた繁華街ビジネスホテルチェックイン。
夕方まで休憩。
夜、もちろん冷麺と妻の好きな焼肉。繁華街で適用なショットバーで一杯。
 
翌日、遠野へ向かう。遠野の町並みを満喫し
カッパに遭遇?した後、宮沢賢治めぐりをする。
花巻デパートで巨大ソフトクリームで妻が驚く頃15時が過ぎている。
2泊する花巻温泉宿に向かう。
温泉で体を休めたら旅館の食事を堪能。
夏の東北を肌で感じながら外でタバコをくゆらしながら就寝。
 
朝、ゆっくり起きた妻の準備が整うのを待ち、中尊寺に向かう。
金色堂を拝観したあと弁慶ゆかりの場所を周り、地元おすすめのステーキ店で昼食。
(妻はとにかく肉が好き)
そして毛越寺から始まり回れるだけ平泉を堪能し、18時温泉宿に戻る。
最後の夜を妻と話しながら過ごし就寝。
翌日、一気に東京に戻り、翌日私は一日寝ている。
とこんな感じである。
 
そして準備、手配、予約も万全に翌日夜を迎える。
6時出発のため夜10時には就寝した。十分である。
がここで想定外なことが発生した。寝られないのである。
仕方がないのでキッチンに行き、お酒が残らない程度にショットグラスでウイスキーを飲んだが目が冴えている。
なぜだ?私は小学生か?自身に突っ込んでいるうちに時間は残酷に過ぎていく。
残酷といえば天使。これってエヴァ?いかん眠らねば。
そして私の脳裏にはこんなことが浮かんだ。
私がもし運転中、寝てしまったら妻に取り返しのつかないことになってしまう。
そう思うとますます寝れなくなるのが人間。不思議な生き物だ。
とりあえず私は目をつぶり続けた。
そして気がつくと携帯のアラームが鳴り始めた。
私はスクロールでアラームを止め思った。私は果たして眠ったのだろうか?
私は妻より少し早く家を出てレンタカー屋に向かった。
手続きを済ませ自宅まで車で戻った。
妻は予定通りに玄関に荷物をもって待っていた。
まあ、大丈夫だろうそう自分に言い聞かせていた。
 
「ねえ旦那さん、CDかけていい?」
「ええいいですよ。」
車が首都高を乗る頃にはスピーカーからテクノポップが流れ出した。
すこし小雨が舞う箱崎ジャンクションはすごく空いていた。
「渋滞していない箱崎ジャンクションなんて初めてですね」
「そんなにここ混んでるの?」
お盆前のズレた休日の朝は雨も手伝い私に初めての経験をもたらした。
そしてそのまま東北道に向かう。
東北道にのり、岩槻インターを過ぎた。
「この先はまさに私にとって未知の道ですね」
「なんで?」
「私はこの先走ったことないんですよ」
そんな会話を交わしながら妻がトイレに行くというのでパーキングに入った。
そして私はここで2度目の失敗を犯す。
妻を待つ間、売り場を見回したときあるものが目に入った。
目覚ましドリンクである。
私は少しの気だるさを気にしていたため自然と手が伸びてしまった。
ドリンクを一気に飲み干し、妻を待った。
そして妻が姿を現し、私に言った。
「何か飲み物買う?」
「じゃあ、アイスコーヒー買ってください」
「え?旦那さんがコーヒー飲むの?」
「眠気覚ましにですよ」
そしてパーキングを後にした。
そしてしばらく順調に東北道を走行していた。
雨は次第に強くなるも妻と二人きりの社内にご機嫌な音楽がながれ
久々の車の運転で私もリラックスしてきた。
そして栃木に入ると妻に伝えた。
「やっと栃木に入りましたよ」
「結構早いのね。もう東北つきそうじゃない?」
「そうですね。ナビは盛岡1230分ですから予定より早く着きそうですね」
「飛ばさないでよ。雨も降っているんだから」
「大丈夫。わかってますよ」
雨の降る東北道は周囲に私たちの車をたまに抜いていく車くらいしか目にしないほどすいていた。
「この先に何かよからぬものがあるんですかね?」
「なんで?」
「さっきから車が全然走っていないですからね。」
そして2度目のパーキングに寄った。
そしてここで私は第3のミスを犯す。
頭もさえ、順調さを私は疑った。
この先3時間後もし眠くならない保証はない。
体調も良好ではあったが念には念を入れる意味でまた目覚ましドリンクに手を出してしまった。
しかもこの時なにを買うのか迷ったのでとりあえず両方買い2本飲んでしまった。
その姿を見た妻が私に言った。
「旦那さん、そんなに飲んで大丈夫?」
「大丈夫私は不死身ですから」
「そんなお腹しているのに不死身なの?」妻は笑って言った。
バカンスはなぜ人を大胆にさせるのだろうか?それともこれが人間の本質なのだろうか。
そしてこの後、私の体は少しずつ蝕まれて行くのであった。
それは車が福島に入った頃、私の体に異変が起こった。
軽い疲労感が襲ってきた。
これを私は睡魔だと感じた。
「知恵さんすこし眠くなってきたのでパーキングで休憩をとりますね」
そう言うと目を閉じたまま妻はハイと返事をした。
そしてパーキングに入り車を止め仮眠をとることにし目を閉じた。
しかし目を閉じてもねることができない。
なんだか昨日の布団の中にいるようだ。
そのうち眠くなるだろうと思い目をとじ続けても頭の中は冴えに冴えていた。
時間は30分を過ぎても何も休まらない。
ナビに目を向けると盛岡予定到着時間は13時を過ぎていた。
そして私は強行手段に出ることにした。
「出発します」
そして東北道に戻り走り出すと体調はさらに悪化した。
東京時より早く動くワイパーは私の体調をさらに悪化させるように思えた。
横で心配する妻の姿を見て私は絶対事故を起こすまいと気をしっかり持つよう務めるも
気分はその逆を推し進めてゆく。
そしてまたパーキングに入って車を止めた。
「ねえ、旦那さん電車で帰る?」妻からの提案である。
それを聞いて目を閉じる私は言った。
「ここ高速ですよ。車もここに置いていくわけには行かないじゃないですか」
「お金払えばなんとかしてくれるんじゃない?」
私はその言葉を聞いて妻に大変申し訳なく思った。
妻を心配させまいと思って計画し、そして無茶に飲んだドリンク。
すべてが私の判断である。私は一体何をしているのだろうか?
私はどうしてもせめて14時までに盛岡につこうと考えた。
そして車を走らせ、またワイパーを見つめた。
しかし気合などなんの足しにもならず、私の気を持たせるのは
次のパーキングまでの距離を示すナビの数字だった。
後10kmで休める。あと5kmでパーキングに入れる。
後1kmもうパーキングだ。
時には頑張ってひとつパーキングを飛ばして強行したりもした。
この時私は思った。
東北道って20km起きにパーキングがあるんだな。これはとてもありがたかった。
そして私はもう入る回数を数えなくなったパーキングで活動限界を迎えていた。
心配して気を使う妻にこのままでまずいと私は最後の手段を使うことにした。
裏コード。
「まだ大丈夫ですよ。」大量の汗を拭いながら私はパーキングを2つ飛ばしてやろうと思い車を走らせた。暴走である。
しかし人間はビーストにはなれず苦しさが増すばかりである。
この時の苦しみは昔車を運転していて突然高熱を出した時より辛かった。
そして活動限界をとうに超えた私の目に見えたものそれは仙台インターの表示だった。
そして私は口を開いた。
「仙台でおります」
そう言うと妻はにこりと微笑んだ。

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とりあえず東北 1部


ソファに座っていると大和君が横に座ってきた。
そして窓台に飛び乗りニャーニャー鳴いている。
「はい、はい開けますね」私は窓を開けると大和は網戸越しにいつもの夜景を見つめた。
朝と夜必ず外を眺めるのが大和の日課である。
妻はこれを大和くんのお仕事の一つと言っている。(警備らしい)
そして妻の大好きな情操教育のひとつにも数えられている。(そうか?)
 
しばらく見つめ、気が済み窓台から降りる頃には私はすこし酔っぱらっていた。
私の目の前のテーブルに座りじっと見つめる大和。
そういえば猫をジッと見つめてはいけないと妻に言われた事を思い出した。
ゆっくり瞬きをしないと敵意が有ると思われてしまうようだ。
私はゆっくり瞬きをし、退屈している大和に話しかけた。
「今はあなた達が来て、お母ちゃんも口にしなくなったけど昔は年に1度旅行に行っていたんですよ」
大和は耳をピンと立て聞いているようだ。
「あなた達が来る2年前ですかね。あれが今のところ最後の旅行になりましたね」
大和は体勢を崩し、リラックスした姿勢に変わっていた。
 
 
「今年はどこへ行くの?」
妻の目の輝きは時に鋭い視線と感じる時がある。
「そうですね。今年もとりあえず東北ですかね」
「だからどこって聞いてんのよ!!!」
妻は知りたがり日本一である。
ある映画を一緒に見ていって私にこんなことを聞いてくるのである。
「ねぇ旦那さん、犯人って誰?」
「・・・私も今一緒に見てるんですけど」
「だから犯人ってだれなの?」
「あなた私がこの探偵より能力が高いか原作者とでも思っているんですか?」
「なんで?」
「なんでって私も一緒に見ているんですからわかるわけないでしょう」
また私が1度見た映画を見ていた時などは
「旦那さんこの映画って最後どうなるの?」
放送されてまだ15分である。
「見てればわかりますよ」
私は結末がわかるとつまらないと思ってあえて教えなかったのだが
妻からはケチとか鬼呼ばわりされる始末。
苛立ちがマックスの時など私の腕に噛み付いたかと思うと
「夫婦で嘘は御法度!旦那さんはそれを知ってて・・・」
「知っててってだからなんですか?知っててってその先に何を言おうというんですか?」
なんだこの人?私を見る怪しい目は。
妻の後ろに丸の内が見える。
「わかりましたよ。このあとにね・・・・」とこんな感じで妻に全てを教えてあげる。
妻はこれで本当に楽しいのか?私はいつも疑問に思う。
そんな妻はすぐに疑問に思うことを消化したがるのだ。
知ったからといってその街を下調べしたりするわけでもない。
添乗員は私の役目である。
「そうですね去年は福島でしたから・・・」
「宮城?仙台行ってみたかったのよ」
「いえ岩手です。」
「岩手?なんで順番からだと宮城じゃない?」
「私が行きたいとこがあるんですよ」
「え?どこ?どこ?」私の腕をもう噛むんじゃない。
私の腕を噛む妻に向けてこたえた。
「最終的には中尊寺ですね」
「中尊寺聞いたことあるわね。それどこ?」
「・・・・・岩手県です。」
妻は耳掃除を半年していないようだ。
「お寺さん?」
「世界遺産ですよ。金色堂ですよ。知りませんか?」
「へえ〜そうなの?」
どうもピンと来ていないというか関心を示さない妻はキッチンの後片付けをはじめようとした。
「義経伝説もあったりするんですよ。」
「そう・・・・」つまは蛇口をひねった。
「金で覆われたお寺さんだからもしかしたら金運あがるかもしれませんよ」
「・・・うそ、金で出来てるの?」
「まあそんなところです・・・。」金箔ですけど・・・。
「絶対そこ行く!!!!」
何故人は古来から金に魅せられるのだろうか。
妻もノリノリやて〜と言いながら硬い体で踊っているので私も張り切ることにした。
 
私は翌日からネットを駆使した。
私の希望ルートでは34日になってしまう。
ここで問題が発生した。経理担当者ははたして予算を捻出してくれるのだろうか?
とりあえず、妻に話してみることにした。
「それでいくらかかるの?」
「岩手ですからそれなりに・・・」
おおよその概略の書類を提出した。
すると妻は日銀総裁より渋い顔をしている。
「ちょっとこれかかりすぎじゃない?もっとコンパクトにできないの?無い袖は触れないわよ」
妻の決まりセリフである。今私は都庁職員の頭痛です。
「せっかく行くんですからこれぐらいは・・・」
23日にすれば?」
「そうするといけないところが出てしまうんですよ」
「旦那さんの気持ちはわかるけど・・・これは無理ね。新幹線も高いわね〜」
概略を見つめる妻の渋い表情は変わらず、私は練り直すことにした。
 
「どうです。予算削減に成功したでしょう」そして数日後、新たな改定案を提出した。
「3泊4日のままじゃない」
「それは外せませんね」
「なんでよ。中尊寺に良ければいいんじゃないの?この遠野ってどこよ」
「それは柳田国男の遠野物語ですよ」
「なにそれ?」
「妖怪です。」
「ええ??そんな怖いとこイヤ〜」
「怖くないですよ。昔の形を残した町並みを見学しに行くだけですよ。」
「そんなところ行ってお化けとか出てきたら嫌だもん」
「なに言ってるんですか。かっぱ沼行くだけですよ」
「え?カッパ見れるの?」
「まあ・・・会えるかもしれませんね・・・」
「本当?それは外せないわね」
なぜか妻はかっぱが好きである。
「かっぱえびせんやっぱ好きかな?」
「・・・それはかっぱにあった時に聞いてみてはいかがですか」
「うん」
「でも大丈夫これ?」
「なにがですか?」
「車・・・」
「なにも問題ありませんよ。久々の運転できるんですから私も嬉しいんですよ」
計画の外枠が決まった。

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秤の上の青い時間

ここ数日、芸能界ではbigカップルの誕生で皆さんは驚かれているのではないでしょうか?
私も何故このくそ暑い真夏日連続のこの時期に?って思ったりもします。
まあ、おめでたいお話なので良いのかな。
そのカップルの中に前田敦子さんがいらっしゃいます。
私はAKBのファンでもありませんが彼女くらいは知っています。
彼女の結婚報道で過去の記憶がよぎりました。
それは彼女の有名な言葉「私の事は嫌いでも〜」ではなく、
私の中で彼女のものすごく記憶に残る言葉は
彼女が卒業する時に発した「AKBは私の青春でした」という言葉。
なんか当たり前の言葉に思えますが私の中ではすごく衝撃的でした。
この言葉をテレビで見た時、なんか自分に置き換えてしまったのですね。
そうすると私は彼女のような充実した誰しもが経験できないようなことを
青春時代にした経験があっただろうか?
もしくは彼女のように精一杯何か思い出せるようなものがあっただろうか?
私には何もなかったのです。
その振り返った後の私の心はただ風が吹き抜けだけの惨めなものでした。
なんで何もしなかったのだろう。
かといって今から火の粉に飛び込むわけにはいかない。
それはただオヤジが大怪我をして周りに迷惑をかけるだけだからである。

彼女が笑顔でその言葉を発した姿を見てとてもうらやましく思った事を思い出しました。
前田さんは時間を幸せに使いましたね。
まあ、一時代を築いた方ですから当然と言えば当然なんですけどね。
そんな彼女が結婚される時期が来るとは歳も取る訳だ(笑)

青春・・・青春っていったいなんだったのだろうか?
過ぎ行く時間はしかたがないので第2の青春は妻との過ごす時間、
+大和と小町の4人のこれからの時間を脳裏に焼き付ける事で
すこしでも青の時代を取り戻せたらいいかな?
そう思う事にしています。
ただ相殺には決してならないのはわかっています。

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