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出会いの人

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電車から震災の震源地であった淡路島を見つめながら心の中で手を合わせました。淡路島は国生みの始まりの地でもあります。

私は西明石も越えて大久保の駅で下車しました。ここも明石市ですが、そこから私が目指したのは神戸市西区のはずれにある大沢市住と呼ばれている神戸市営岩岡住宅です。

震災後作られた仮設住宅は姫路とか、泉佐野のりんくうタウンとか、とんでもない遠隔地に作られているところがかなりありましたが、神戸市内でも西区のはずれにあった岩岡の仮設住宅などはこんなところに仮設住宅がと驚くような場所でした。またはじめはその存在があまり知られずボランティアとかの援助も来なかったのです。

私が平野利子さんに出会ったのは、その岩岡第二仮設住宅でした。そこのふれあいセンターで私は一人でささやかな活動をし、数人の高齢者と交流していたのです。平野さんはその一人でした。神戸市のもっと中心部で被災されていましたが、近くの仮設住宅が当たらず、同じ神戸でも聞いたこともないようなはずれにある(地元の人には失礼な言い方になることをお詫びします。)仮設住宅に入居しておられたのです。

出会った時すでに70代半ばであったと思いますが、平野さんは初めて会った時言われました。
「私は若い頃から華やかなことにあこがれてお花とかお茶とかしてきたけど、震災にあって初めて心からお茶やお花をしてみたいと思ったよ。」

平野さんは仮設住宅が閉鎖される直前にその住宅に近い復興住宅である市営岩岡住宅に転居されました。転居後一度だけ訪ねたことがありましたが、住宅内に友達も作って平野さんらしくお元気に過ごされておられる様子に安心しました。それから私自身自分のことで忙しくする日々が続き、時折電話で訪問することしか出来なくなりました。いえ、正確に言えば時間はいくらでもあったのですが、自分の怠慢な心で訪ねていかなかったのです。



そんな私なのに、ある時平野さんは電話で、

「阪井さんは出会いの人ですね。」

と言ってくださったのです。



一昨年の1月17日

私は久しぶりに平野さんを訪ねようと

岩岡住宅に向かったのです。

しかし、そこで私を待っていたのは

平野さんが2ヶ月余り前に亡くなったという知らせでした。

私は悔しくて

自分自身に腹が立ってしかたありませんでした。

しばらくの間電話もしていなかったのです。





あの震災の混乱の中で

ボランティアの真似事をしていたに過ぎない私に

平野さんが言ってくれた

「出会いの人」という言葉

私は生涯忘れません。

今日はもう平野さんのいない岩岡住宅を

久しぶりに訪ね

住宅内に作られた福幸地蔵に手を合わせ

平野さんのご冥福をお祈りしました。




平野利子さん ありがとうございました。

あなたとの出会いはまだ終わっていません。

また永遠の旅のどこかで

会える日を楽しみにしています。




福幸地蔵の記事
http://www.kobe-np.co.jp/rensai/ojizo/05.html

閉じる コメント(12)

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震災のこと、自分から遠い話のように考えてました。 風化させてはいけませんね。。

2007/1/18(木) 午後 0:57 [ run*unk*mo ]

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runrunkamoさん ありがとうございます。いつか自分のことになるんだという気持ちで大切に伝えていきたいですね。これからもよろしくお願い申し上げます。

2007/1/18(木) 午後 5:29 [ 森からの手紙 ]

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クニです。お辛いことですが、自分の怠慢のせいなどと思わないでください。私何時も思うのですが、人との出会いは偶然など無くて、出会うべきして出会い、学び終えたときが別れの時だと。釈迦に説法みたいな生意気なことを言ってすみません。 一期一会とはそういうことだと、私は今 [ kkpjt566 ]さんのブログを読ませていただいてとても勇気付けられています。 私もたとえブログ上のお付き合いでも、永遠の旅のどこか出会えるのでしょうか?

2007/1/18(木) 午後 8:02 [ kunichan ]

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クニさん ありがとうございます。クニさんからそのようなお言葉を戴きもったいないです。私の方こそ、勇気づけられています。永遠の旅の中でこれから何度も何度もお会いすることになると信じています。よろしくお願い申し上げます。

2007/1/18(木) 午後 8:58 [ 森からの手紙 ]

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人は二度死ぬと教えられました。一度は体がなくなるとき、もう一度は時が過ぎその人のことを誰も知らなくなってその人の話をしなくなったときだそうです。震災もそうですが そこで生きていた方たちの話も、し続けなければなりませんそして宮司様はこうやって平野さんや関り合った方たちの生きていた証を話し続けてください。心に受け止めておきたいです。

2007/1/19(金) 午前 1:03 piy*pi*opi8*5

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出会いが生まれると、いつか別れが生じる。これを「はかない」と言いたくはありませんね。人は皆、関係し合って生きています。一人ひとりの思いを多く心に秘めた人こそ大きく成長していくのではないでしょうか。これからも様々な出会いがあり、別れがあると思います。たくさんの人の思いを大切に生きていきたいものです。

2007/1/19(金) 午後 0:02 [ - ]

震災が忘れかけられています。街は当日すごく明るかったです。東公園で皆さんが手をあわせている姿を見て伝えて行かなくてはと思いました。そして今に感謝し、今日いられる幸せをかみしめました。

2007/1/19(金) 午後 1:46 bri*ht*717b

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ぴよ子さん ありがとうございます。大切に話し続けたいと思います。それが命を大切にするということにも通じると信じています。

2007/1/19(金) 午後 7:37 [ 森からの手紙 ]

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ルナルナさん ありがとうございます。そうですね、出会いを大切にすることは別れも大切にすることですね。出会いの中でふれた思いを大切にあたため生きていきたいです。

2007/1/19(金) 午後 7:39 [ 森からの手紙 ]

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しろひげさん ありがとうございます。17日の神戸は追悼の行事が行われている場所以外は全くふだん通りの風景で人が流れていました。時の流れを感じました。しかし時がどんなに流れても忘れてはいけないこと 伝え続けたいです。

2007/1/19(金) 午後 7:47 [ 森からの手紙 ]

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地蔵ね。。すぐに地車蔵と見えてしまう僕は。。アセアセ( ̄_ ̄ i)タラー

2007/1/19(金) 午後 9:07 けい

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けいさん ありがとうございます。そうなんですか、さすが泉州っ子という感じです。

2007/1/23(火) 午後 5:08 [ 森からの手紙 ]


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