災害救援と祈り

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 八重垣神社再建記念絵馬について
 
 平成二十三年三月十一日より始まった東日本大震災は六年余りの時間が過ぎ、私達の日常生活ではすっかり過去の出来事になりつつありますが、被災地そして被災者の皆さんにはまだまだ復興の途上にあると思います。
 あれほど大きな災害も少し時間が経つと、被災地を離れていたり自分自身が当事者でないと簡単に風化してしまうというのも震災の一面であることを感じます。
 そんな震災の二年目に私は宮城県亘理郡山元町の八重垣神社さまとのご縁を戴きました。
八重垣神社さまは浜から三百メートルの海に近いところにあり、今回の大津波ですべて流されてしまいました。氏子地域は笠野地区と新浜地区の二地区で、三百戸あった家も元の姿のまま残ったのは二戸だけでした。
八重垣神社という名称からもわかるように御祭神は素盞嗚尊ですが、実は新浜地区から神社が合祀されていて諏訪の神様もおられるのです。私は平成十六年より矢代寸神社の宮司を勤めさせて戴いていますが、矢代寸神社にも諏訪の神様がおられ、宮司に就任した年に発生した中越地震でご縁を戴いた山古志村木篭地区にも諏訪の神様がおられました。また東日本大震災で最初に入った福島県の被災地がいわき市久ノ浜でそこでも諏訪神社さまと深い縁を戴きました。勿論八重垣神社さまの主祭神である素盞嗚尊とも深い縁はあるのですが、矢代寸神社の宮司に就任して以来不思議と被災地におられる諏訪の神様に導かれる縁があります。
その八重垣神社さまとの縁を戴くことになったのは八重垣神社さまの藤波祥子宮司さまが震災後坂村真民先生の詩のことば「鳥は飛ばねばならぬ人は生きねばならぬ」にふれて一つの心の支えのようにされてきたということを知ったからです。真民先生は私の十代に生きることに悩んでいた私を助けて戴いた人生の師です。私は震災の翌年九月八重垣神社さまを訪ねて藤波宮司さまと面会し、震災で一万五千人を超える方が亡くなられた現実の一方でその数を超える方々が自ら命を絶っている日本の現実を踏まえ、どんなことがあっても命を大切に生きることが震災で亡くなられた方々への何よりの慰霊であり復興の力だという考えを伝え、「鳥は飛ばねばならぬ人は生きねばならぬ」の言霊に託して祈りを届ける絵馬の活動をさせて戴くようにお願いしお許しを戴きました
 以来全国の多くの心ある方々にご賛同戴き祈りを込めて絵馬を納めさせて戴いてきましたが、この度八重垣神社さまの本殿が見事に再建されることになりました。その記念に被災地や被災者と共に生きることに苦しむ多くの人が再び立ち上がる願いを込めて流失した本殿に彫られていた素盞嗚尊の大蛇退治に因んだ絵馬をだんじりの絵などでおなじみの意匠六覺千手氏に制作して戴き奉納させて戴くことになりました。その絵馬を小絵馬にしてこれまで支援戴いた皆様ご縁のある皆様に配らせて戴きます。これからも共に力強く人生を生きることをお祈りさせて戴きます。
           平成29年7月吉日 土生神社 矢代寸神社宮司 阪井健二
 

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