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土生神社・森からの手紙・平成二十九年梅雨号
 神様がおられる森を守る
                 宮司 阪井 健二
 
 六月に入り梅雨入りも間もなくです。土生水利の溝掘りも行われ田植えの準備も進んでいるようです。
 水利組合の皆さんには町内に水田が減少した現在でも池の管理にご苦労されているようですが、水利によってこの地域の歴史が築かれてきたと言っても過言ではなく、どんなに時代や社会が変わってもその歴史の上に現在の地域や私達の暮らしがあることは事実です。周囲の苦情もあって池の堤の草刈りなど対応されておられるようですが、それは仕方ないとしても先人の苦労の積み重ねの上に今日の地域があるということへの理解が新住民の皆さんにも深まるように発信も必要だと感じます。
 現在の感覚と違い、自然と共に生きるとか自然を守るとかいう考えはなく、もちろん自然を征服するという考えもなく、ただ自然の厳しさの中で自然の恵みを得られるように先人達は苦労をしてこの地域で生きてこられたと思います。その生活の中では地域の助け合いが欠かせないものでした。それが今日では個人の生活が中心となりつつあり、地域の人間関係が希薄になることからさまざまな問題が生まれる可能性も出てきています。今後予想される自然災害においてもしかりです。私達の現在の暮らしも地域の助け合いによって築かれてきた歴史の上にあることをもう一度思い起こして地域の新しい助け合いの歴史が生まれるように努めたいものです。
 池の堤の草が伸びて周囲から苦情があったりするそうですが、神社の森でも周囲の住民より枝を伐ってほしい、掃除をしてほしいなどの要望がよくあります。あまりに枝が出てきたりしたら対応しないわけではありませんが、神社の森と周囲の住民の皆さんの生活は決して対立しているものではなく、森が生活の近くにあることで守られている豊かな環境があることに気づいて戴けたらと思います。
 土生神社の社叢は岸和田市の天然記念物に指定されており、地域の文化財 地域の財産 地域の宝物と言って良いものです。神社もその森も古くから住んでいる人達だけのものではなく、新旧に関わりなく地域に現在住んでいるすべての人のものであり、その宝物を地域のみんなで守っていく気持ちを持って戴けたらと思います。
 春や秋の落葉の季節は掃除も大変で、周囲の皆様にもご苦労をかけていることと思いますが、移り行く季節や自然との交流を落ち葉の掃除をすることでさせて戴いていると日々取り組んでいます。自然の現象を神様の現われと感じてきた日本人にとっては落ち葉を掃除することも神様との交流と言えるかも知れません。それは花見をしたり、紅葉狩りをしたりすることと同じだとも感じます。
 都市化や住宅地化が進み、周囲に家が建て込んできて、神社の森への要望も出てきたのだと思いますが、だからこそ一層この森の重要性が高まっていると考えています。もともとこの森は自然を大切にしようとか保護しようとかいうことで残ってきた森ではないと思うのです。自然を保護するというのは日本人には新しい考えで、昔の人はここは神様の鎮まっておられる森と考え、それを畏れる気持ちが結果的に残ってきた一番大きな理由だと感じます。現在でも森の枯木を伐採するだけでも必ずお祓いをしてから作業をするというようにむやみに森に人の手をいれないという感覚が地域で共有されています。そこには先人の知恵も隠されており、そうして自然を畏れることが結果的に自然を守り、人間の社会や生活のおごりを慎んで人間を守ってくれることを伝えてきたのです。
 しかしそうした感覚が失われつつあるのも事実で、あらためて自然の大切さを認識して身近に自然を感じる場所として鎮守の森を見直すことも必要になってきていると感じます。
 先日鎮守の森見学会ということで、酉年の企画として「鎮守の森は鳥の楽園?」を開かせて戴きました。きしわだ自然資料館から学芸員の風間美穂先生をお招きして、森の中を歩きながら鳥のことを中心に説明して戴きました。ふだんよく森の中で見かけるのはスズメ カラス ヒヨドリ キジバトなどですが、そのほかにも季節によっていろいろな鳥が森にやってきます。今年は聴きませんでしたが、毎年ウグイスの鳴き声も春先に聴きます。平地から山の方に移動する季節に土生神社の森に立ち寄って休憩していくようです。
 地域で鳥が最もよく集まるのは池だそうですが、鳥の視点を通して地域のことを考えてみることも大切かもしれません。鳥だけでなくさまざまな動植物と共に地域で生きていることを大切にすることが人も暮らしやすい町を作っていくことになるに違いありません。鳥をはじめすべての動植物が神様の使いのように人間にメッセージを伝えていると感じますし、それを受け止める場所として鎮守の森を守っていきたいと思います。
 私が宮司に就任して十五年目に入っていますが、この十五年の間にも地域は大きく変化しました。特に駅前は変貌を遂げ、今年の十月には高架化も完成するとのことです。この工事の間土生神社において幾度となく関連の工事安全祈願が行われてきましたが、この地域の発展の流れに乗ることができたら土生神社ももっと発展繁栄していくに違いありません。しかしそれだけの能力も才覚もなく、ただ時代に取り残されていくように静かな森の中に佇むばかりです。
 しかし現在は時代に取り残されていっているかに見える神社と鎮守の森が必ず地域と社会の大きな力になる日が来ることを私は信じています。そのために私には力はないけれど地道に努力を続けていかなくてはいけないと感じています。
 六年前に東日本大震災が発生して以来被災地と避難者への支援に力を注いできましたが、ほんとは土生神社にそんなことをしている余裕がないことも事実です。あっちもこっちも修繕しないといけないところだらけで他の支援どころでないのも現実です。
 それでも大きな視点に立って地域の神社の存在を力強く未来に伝えられるように一つ一つの課題に丁寧に取り組んでいくように気持ちを新たにしています。町会長さんも熱心に取り組んで戴いており、氏子の皆様ご縁のある皆様にはどうぞご理解戴きご指導ご協力戴きますようにお願い申し上げます。
 最後まで読んで戴きありがとうございました。

神明山跡

神明山跡 ヤマトタケルの白鳥伝説がある。古墳の跡だったのか 刀剣が出てきて埋め戻したという。ここに作才の神社があったが上松の菅原神社に合祀され、更に沼天神に合祀されたため作才は現在岸和田天神宮の氏子になっている。
山下住宅内にあり、住宅建て替えが決まったが、神明山跡碑と周囲の土地は現状維持が決まった。岸和田市役所から私ところにも来て話し合いをした。
地元の人は『しめのやま』という

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