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平成三十年度を迎えて 土生神社宮司 阪井健二
 平素は当神社の護持運営にご協力を賜りまことにありがとうございます。
 平成三十年を迎え、私事ながら宮司に就任してまる十五年となり十六年目に入ります。今日まで支えて戴いてきたすべての皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。
 平成三十年は明治維新より百五十年の節目の年となり、土生神社では昨年度末に明治百五十年記念事業を実施し、氏子の皆様をはじめ有志の皆様の多大なご奉賛のもと記念事業も無事に完了することが出来ました。あらためてご協力を戴きました皆様に心より御礼申し上げます。ありがとうございました。
 言うまでもなく明治百五十年の基準となっているのは、慶応三年十二月九日(新暦一八六八年一月三日)に『大政復古の大号令』が発せられ、慶応四年三月十四日(新暦四月六日)京都御所紫宸殿において「五箇条の御誓文」が布告されて、天皇を中心とする新政府の改革が始められたことによります。江戸時代まで長い時代に亘って武家の政治によって国を治める歴史が続いてきましたが、その間も表向きは影が薄い存在となりつつ皇室の歴史と伝統も途絶えることはありませんでした。近代に入り欧米列強の影響が日本にも強く及んでくる中でそれまでのような体制で国を守ることは難しくなりました。そこで日本の国の原点に帰り、天皇を中心とする新政府を作ると共に近代国家に生まれ変わることで国を守っていくことになったのです。それからの百五十年と言うものは戦争も幾たびかあり不幸な時代もありましたが、そのおかげで今日の私達の平和で豊かな生活や社会があるばかりかこんなに科学や経済の発展した社会でもあるにもかかわらず日本の歴史と伝統が大切にしてきた価値観が生活や地域に寝強く保たれています。それは地域で行われているだんじり祭を見てもわかります。もし日本が他国に侵略されその価値観を変えられていたらこのような祭の伝統も失われていたに違いありません。
 日本人が皇室を中心とする歴史と伝統を守る理念の基礎にあるのは産土神信仰だと考えています。人間が政治的に支配しているかに見える土地も本来その土地の神様のものであり、その大自然に生かされ生きていることに感謝と惧れを持って暮らすのが産土神信仰であり、神道の基本です。政治権力の上に私達が天皇陛下を戴いているのは人間が本来大自然に生かされ支配されている存在であることを忘れないようにするためであって、人間の権力的ナものと皇室は違うのです。
 平成三十一年四月三十日に今上陛下は御譲位されることになり、平成三十年度は実質的に平成最後の年度ということになりますが、今上陛下は過去に日本人が戦争を行った戦跡と、自然災害の被災地に度々足を運ばれて祈りを捧げられました。人間のおごりに気づかされる戦争と自然災害に向き合われた今上陛下のお姿にこそ皇室とわが国の原点を感じさせて戴きました。
 今年は旧土生郷村が岸和田市に編入されて八十年の節目の年でもあり、日本と地域が歩んできた歴史を見つめ直して新たな時代に向かっていく一年にしていきたいと思います。ひき続きご指導ご協力をよろしくお願い申し上げます。平成三十年四月八日記

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